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『蝕む』
泥のような深い眠りから覚めたのは体がズン、ズン、と強く揺すられてるからだ。
──どこだ、ここ・・・。──
視界がボヤけて天井が歪んで見える。呼吸も乱れて目を開けるのが億劫になっているとズン、とまた揺すられて下半身に違和感を抱く。
「意識がなくても締め付けてくるんだな」
「・・・え?」
「おや、目を覚ましたのか」
誰かの声がして首を動かすと俺の足の間にX、有月がいた。そして全裸の俺の秘部に有月の勃起した陰茎挿入されている接合部を見て俺は頭が真っ白になった。
意識を取り戻した俺に有月は特に大袈裟な反応をする訳ではなく俺の口の中に錠剤を幾つか押し込んでくる。
「むぐっ・・・」
「飲みなさい。これは命令だ」
──何が起きている?──
何故俺はXとこんなことをしているのか理解できない。記憶を辿ろうとしても上手く頭が回らないしエスパーも使えない。手で口を押し込まれて温度のない声色で命令された俺は有月を睨んでいると口内の舌の体温で錠剤が溶けていく。
すぐに吐き出したいけど体が思ったより微動だにしない。何が起きているか分からないまま俺は仕方なく喉を動かして錠剤を飲み込むと有月が手を離した。
「ゲホッ!うぇ・・・!」
すぐに吐き出そうとすると視界がまた歪んで咳込みを繰り返すと有月は構わず律動を再開する。
「ぁ・・・っ、う・・・♡?」
──あれ?これって俺の声・・・?変な声だ。──
奥を突かれる度に痛みよりも強い快感が全身が痺れるような快感を与えられて女みたいな喘ぎ声は自分ではないみたいだ。
「やっぱ薬を与えると大人しいな。4日前の方がもっと暴れてたのが懐かしい」
頬を撫でられて振り払おうとしても目先の強い快感で喘いでしまう。
4日前?つまり俺は4日もの間、有月にこんなことをされていたのか?嫌だ、こんなの俺じゃない、こんな屈辱受けるくらいなら殺してくれ、と言葉に出せず涙を流すと有月は薄く笑みを浮かべた。
「安心して。シンくんは僕に飼われるんだ」
「はっ・・・♡ぁっ、あ゛ぅ、あっ〜♡!」
日に焼けてない白い手が俺自身に触れるだけなのに芯を硬くしてすぐに絶頂を迎えてしまった。目の前がチカチカして涎を垂らしながら震えていると有月は体を屈めて耳元に顔を寄せる。
「何も考えなくていい。俺の言うことだけを聞け、いいな?」
「あ・・・ぁっ♡」
殺意すら感じる低い声が脳に直接響いて動いていないのに俺は自分で腰を揺らして「はい」と言ってしまった。既に有月に数日間薬漬けされて洗脳状態であることすら理解してない俺は涙を流して訳も分からず目先の快感に善がっていた。
「いい子だね」
薄く微笑む有月が誉めてくれたから嬉しくて口角を上げると頬や唇に触れるだけのキスをされて俺は心地の良さすら感じてしまい有月の背中に手を回す。
なんてことのない築年数が経過したラブホテルに入ると無人受付として活躍していた受付液晶画面が壊されていた。
人の気配はするが一般人ではないのは確かだ。
階段を登ってズラリと部屋が並ぶ廊下は薄暗く、外が日中なんて嘘みたいに辛気臭い。
その中で一部屋だけ靴が扉に挟まって開いている部屋を見つけた。恐らく扉を閉めたら料金を支払わないと開かないシステムになっているのだろう。
そんな分かりやすいことをしなくても僕ならこの部屋だとわかる。何故なら静かな廊下から声が漏れ出ているのはこの部屋だけだからだ。
近付いて扉に挟まっていた靴を見ると彼が履いていたシューズだった。アタリだ、と内心舌打ちしそうな気分になりながら部屋に入って扉を締めると自動に鍵がかかる音がする。
部屋の奥に進むと大きなベッドがある寝室に着いた。シーツは皺くちゃに乱れていて、その上に全裸の彼、シンくんの体に跨った有月がいた。
「驚いたな。てっきり坂本くんが来ると思っていた」
特段驚いた様子はなく平然とした態度で僕を見るから目線をズラしてシンくんを見る。
怪我はしてないが明らかにまともな状態ではない。瞳は虚ろで僕が来ても反応はないし有月だけを見ているシンくんは何かしら薬を飲まされているのかもしれない。
──こんな姿、坂本くんが見たら発狂しちゃうな。──
シンくんが有月に攫われたのは5日前だ。最悪殺されていることも考えたけど有月の性格的に殺すなら坂本くんの目の前でシンくんを殺すだろう。
情報屋を使い、有月が潜伏している場所を見つけた僕は坂本くんには話さなかった。万が一、無惨な姿になって見つけた時の対処法、それを見た坂本くんの顔を僕は見たくなかった。
「何してんの?」
聞かなくても分かっていたけど聞いてみた。裸のシンくんと繋がっている有月は薄く口角を上げるのが不気味だ。
「シンくんは心も体も俺のものになった」
「薬漬けして洗脳してるだけでしょ。シュミ悪いよ」
今シンくんを助けて間に合うだろうか、と考えていると有月はシンくんの秘部に挿入していた陰茎を抜いて背中に手を回して抱き上げる。
「きっと今のシンくんなら僕が命令すれば坂本を殺せる。可愛がっていた弟子に殺されるのも悪くないだろ」
「下衆な考えだな」
自分の手を汚さずにシンくんに坂本くんを殺そうとしている有月の考えに眉を寄せると有月はシンくんの肩に噛み付いた。
「あ゛っ・・・」
血が滲むほど噛まれたシンくんは体を震わせるも抵抗はない。まともに会話すらできない状態のシンくんに次々と噛み跡を残していく様子は見ていていいものではない。
「シンくんを解放しろ」
銃を取り出して有月に向けるも本当に打ったらシンくんを盾にするだろう。
「善意か?ORDERを辞めてから人間らしくなったんだな。・・・それかこの子に何か特別な感情がある、とか」
「・・・お前には関係ない」
恐らくシンくんを洗脳した上で僕とシンくんの関係は知っているのだろう。だからセックスする姿を見せつけたりする有月に性格の悪さを感じる。
「提案がある。そろそろ彼も飽きたし捨てようと思ったんだ」
「!」
「ただ殺して捨てるのは勿体ないし、まだ壊せると思うんだよ」
つらつらと話す有月は何を言っているんだ?まだ壊せる?もうあの頃のように無邪気で可愛らしい笑顔なんて微塵も感じないほど壊れているじゃないか。
怒りで銃を握る手が震えた。そんな僕の殺気を嘲笑うように有月は僕を見て笑みを浮かべる。
「──君が混ざったらシンくんを解放しよう」
まるで生き地獄を誘う悪魔の囁きに僕は目を大きく見開いた。
シンくんに告白したのは1ヶ月前だ。
ORDERを辞めて新生殺連会長になった有月を止めるべく必死に動いてるなか、僕とシンくんは自然と距離が縮まって恋に落ちた。
「この戦いが終わったら南雲と付き合いたい」
「・・・うん、分かった。でも無理しちゃダメだよ」
赤らんだ頬で僕の手を握るシンくんの顔は僕は一生忘れないだろう。正義感が強く優しいシンくんは自分のことを蔑ろにしてしまう癖があるから頬に触れて言えば照れ臭そうに笑って「うん」と頷いたシンくんは可愛らしかった。
「何かあったら南雲が助けてくれるだろ?」
「!・・・強かだなぁ」
悪戯っ子みたいな上目遣いで僕の手を握るシンくんに胸がキュンと鳴る。僕らは両思いで、この戦いが終わったら付き合うんだ。
そんな約束が簡単に壊れてしまうことを、その時の僕は知らずにただ目の前の幸せに浮かれていた。
「もう既にナカは柔らかいよ」
後ろから有月に抱き締められたシンくんは僕の前で足を開いてM字開脚にされる。秘部からはトロトロと白い精液が垂れて有月は無遠慮にシンくんの体を貪ったのが分かって憤りを覚えた。
「最悪だ」
今の僕に抗う術はない。シンくんの命は有月が握っていて、一緒に犯すことを強要されてまるで僕までシンくんを強姦しているみたいだ。
本来なら付き合った時に恋人らしくセックスをしたかったのに全て壊された現実よりも僕はシンくんを早く解放したかった。
数日間犯されたシンくんは以前よりも少し痩せて簡単に壊れてしまいそうだ。シーツに転がったローションのボトルを手に取って指に濡らしてからシンくんの秘部に指を押し込む。
「ぁ・・・っ」
敏感なシンくんの体はすぐに反応して虚ろな瞳が揺れた。柔らかくて熱いシンくんの中に指を入れて動かすとグチュグチュといやらしい音を立てて精液を掻き出した。
薄く開いた口から漏れ出る喘ぎは掠れて色気を帯びて僕は胸が締め付けられる思いでシンくんの唇にキスをする。
──ごめんね、シンくん。──
指を増やして精液をしっかり掻き出すと僕の指を締め付けてくるシンくんの中に体は興奮してしまう。
「僕はフェラしてもらおうかな」
M字開脚から四つん這いの姿勢にされたシンくんだけど体に力が入らないのか臀部を突き上げて上半身はシーツに埋めるから有月は髪を掴んで顔を上げさせた。
「シンくん」
「っ、すらぁさま・・・」
名前を呼んだだけでシンくんは反応して有月を見る。後ろに僕がいるのに気付かないシンくんは目の前の有月の陰茎を前に舌を這わせてきた。
ズボンと下着をズラすと昂った自身が外気に晒されて有月は「体は正直だな」と嘲笑するから何も言えない。
腰を掴んでローションで濡れた秘部に勃起した自身を当てがう。こんなことになるなんて考えてもなかったけど、僕は有月に犯されたシンくんの体を上書きしたかった。
ゆっくり自身を押し込むとシンくんは漸く挿入されたことに気付いて「ん」と体を震わせるけど有月に陰茎を口内に捩じ込まれる。
熱くて狭いシンくんの中に挿入した喜びと目先の快感に唇を噛み締めて「シンくん」と後ろから名前を呼ぶとシンくんはシーツを握り締めた。
──もしかして完全に心を殺されていないのか?──
本来有月に洗脳されているのなら僕の言葉は届かない筈だ。半分まで自身を挿れてからシーツを握るシンくんの腕を後ろから掴んで引っ張ると中がキュンと締まる。
「ん゛っ、む゛・・・」
漏れ出る喘ぎに有月は笑みを濃くして「気持ちいい?」とシンくんに聞くと一度有月自身を口内から抜かれたシンくんは「はい」と答えた。
「奥、届いて・・・ぁっ、気持ちいいです」
「シンは可愛いな」
優しい言葉をかけるも再びシンくんに自身を口内に捩じ込んで腰を揺らすと挿入している僕自身が更に奥に入る。
──こんなことをしているのに興奮してる自分が嫌いだ。──
こんなの共犯じゃないか。胸が痛むのに自身は萎えるどころか質量を増してシンくんを欲している。
もう片方の腕も後ろから掴んで引っ張ると自然と上半身も起き上がるから髪を掴むのをやめた有月はシンに「いい子だ」「可愛い」と洗脳を濃くするような言葉をかけた。
「ん゛っ♡〜〜ッ」
奥の前立腺が自身に当たるとシンくんは体を震わせて絶頂を迎える。シーツにポタポタと半透明の精液が垂れて震える体に有月は笑みを崩さずに更に喉奥までに自身を捻じ込んだ。
「んっ、ん゛〜っ」
「顔が汚れるから顔射はしないよ。口の中に出すからちゃんと受け止めるんだ、いいね?」
息ができなくなる寸前に自身を抜いて咳込むシンくんの口内に容赦なくまた自身を捻じ込む。その度に僕は動いていないのにシンくんの体が揺れて刺激に変わる。
──僕もイきそうだ。中・・・出していいよね?──
有月に散々中出しされたのだから僕が上書きしたい。そんな欲望に駆られて腰を掴んで律動を始めるとシンくんはくぐもった喘ぎを漏らして更に興奮した。
「──っ」
ぶるりと震えた有月は射精したのかシンくんの口内奥に自身を暫くねじ込んだあとゆっくりと自身を抜く。僕もシンくんが前立腺を突く度に射精を促す締め付けに耐えきれず息を詰めて絶頂を迎えた。
好きな人の中で絶頂を迎えた快感の強さは例え強姦紛いでも酷く興奮して僕は射精中シンくんの背中にキスマークを残す。
「ぁ・・・♡」
口内に射精した有月は「飲み込んで」とシンくんに命令するとシンくんは何回かに分けて喉を動かして精液を飲み込んだ。
「っ」
ゆっくり僕自身を秘部から引き抜くと受け止めきれなかった精液が秘部から垂れていやらしい光景を目の当たりにする。
ヒクヒクと秘部が蠢いて誘われているような錯覚を抱くと有月はシンくんを引き寄せて膝上に跨らせた。
「おいで、シンくん」
「すらぁ様・・・ん゛っ♡」
僕自身を受け入れたばかりで中出しされたままの秘部でシンくんは有月自身を握って自ら腰を下ろして挿入する。
ぐちゅ、と僕の精液が有月自身によって押し込まれる音は耳を塞ぎたいほど不快だ。
上書きしたいのに、もう有月にはシンくんの中に挿入されたくない。シンくんの肩越しで僕と目が合った有月はシンくんの臀部を鷲掴んで秘部をわざと広げて見せた。
「君も挿れたら?」
「・・・は?」
「この状態で慣らしたら入るんじゃない?」
シーツに転がったローションのボトルを今度は有月が拾って僕に渡してくる。この男は何を言っているんだと耳を疑うも、このまま有月に犯されるシンくんは見たくない。
「入るわけないだろ。それこそシンくんが壊れる」
「でも僕に挿れられるのは見たくないんだろ?」
それに有月はいつだってシンくんを殺せる。下手に僕が拒否してシンくんの命に関わったらと思うと唇を噛み締めてシンくんに近付くことしかできなかった。
ローションで濡らした指を有月自身を受け入れている秘部に強引に押し込むとシンくんの体が震える。
「薬漬けにしてるから痛みは感じない。もっとちゃんと慣らさないと怪我をするのはシンくんだ」
「っ、分かってる」
指を中に押し込むと有月自身も当たって不快だ。シンくんは呻きなのか喘ぎなのか分からない声を出して体を震わせるから有月に噛まれた肩にキスをする。
──ちょっと我慢してね。──
ローションを足して指も少しずつ広げるように動かすとシンくんは有月の首に手を回してしがみつくから嫉妬でどうにかなりそうだ。
「シンくん、こっち向いて」
後ろから耳元で囁くと有月の声だけでなく僕の声にも反応するようになって振り返るシンくんの唇にキスをする。
有月自身を根元まで挿入されたシンくんの中は僕が指を動かすと反応するようになって中も締め付けてきた。
「入りそうだね」
「・・・ああ」
指を引き抜くとローションから秘部から垂れる。シンくんの臀部を鷲掴んで秘部を広げるように見せつけるから勃起した自身の先端をシンくんの中に押し込む。
「あ゛・・・っ!」
流石に陰茎を2本受け入れるなんて本来有り得ないことをしようとしているから洗脳されていてもシンくんから拒否反応が出て暴れる。
だけど薬漬けにされたシンくんの抵抗はあまりにも弱く慎重にゆっくり挿入するとシンくんの腰を掴んだ有月が腰を揺すった。
腰を上げて有月自身が半分まで入った状態で僕自身を奥まで挿れて、ゆっくり引き抜く寸前まで腰を引くと今度は有月自身がまた奥に挿入される。
「ぁっ、あ゛っ!あっ、う、ぁっ♡」
次第にシンくんから抵抗はなくなって喘ぎを漏らして感じるようになった。僕も有月も興奮して出し入れすることによって聞こえる水音と肌がぶつかる音は激しくなる。
「あ゛っ、ぅ〜〜ッ♡!」
絶頂を迎えたシンくんは目先の暴力的な快感で潮を吹いて有月の白いスーツを汚すも有月は構わずシンくんにキスをした。
「壊れた君が一番綺麗だ」
「ッ♡」
「シンくん、僕はどんな君も愛してるよ」
「ぁっ♡」
絶頂を迎えたばかりのシンくんの体に容赦なく僕らは激しい律動を繰り返すと僕の声にもシンくんは感じるようになった。
──このまま上書きしてやる。もう2度と、シンくんを傷付けない。誰にも触れさせない。──
これが終わったらシンくんは僕の家で監禁しようか。また有月に狙われる心配もないし坂本くんが悲しむ顔も見なくて済む。
そんな腹黒い感情が渦巻くなか、僕らは殆ど同じタイミングで限界が近いことを何となく察した。
「お前を殺す理由が増えて嬉しいよ」
「そう?なら良かった」
お互い温度のない会話は短く、そして殺気だっている。
間に挟まれたシンくんは訳も分からず目の前の快感に善がり、涙と汗でぐちゃぐちゃになりながら喘いでいた。
僕自身が奥を突いて前立腺に当たった時にキュンと中が締まって僕と有月は同じタイミングで絶頂を迎える。
二人分の精液が注がれている間シンくんは大袈裟なくらい体をビクビクさせて体を脱力させた。
目の前の有月の体に倒れるシンくんを有月は髪を撫でたあと自身を引き抜いてベッドに乱雑にシンくんの体を放った。
秘部からは二人分の精液が垂れて、有月がシンくんの下腹部を押すと溜まっていた精液が更に出てくる。
「また会おう、シンくん」
そう言って有月は身なりを整えて立ち去ってしまった。ピクリともしないシンくんは気絶していて、僕は震える手で抱き寄せる。
涙が出そうになるのを堪えて気絶したシンくんに僕は愛を吹き込む。
「──もう2度と僕以外の人間に触れさせない。僕がシンくんを守るからね」
そしてこの日からシンくんの監禁生活が始まったんだ。