テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『落日』
欠伸を噛み締めながら寝起きの覚醒してない体のまま歯を磨いて顔を洗い、リビングに向かうとキッチンから恋人の南雲がちょうど出て来た。
「あ、おはよシンくん」
「おはよう」
「眠そうだねぇ」
既に黒のスーツを着ている南雲はもうすぐ仕事に行くのだろう。ORDERの仕事が立て込んでいるらしく、最近は帰りも遅い日が続いていた。
「コーヒー淹れたから飲む?」
「ん」
まだ重い瞼を南雲が優しく撫でてからキッチンでコーヒーを淹れてくれるのを見ながらリビングのソファーに座った。
「体調は大丈夫?まだヒート終わってないんでしょ?」
「だいぶ良くなったし抑制剤も効いてるから平気だ」
隣りに座ってきた南雲にたっぷりのミルクと砂糖が入ったコーヒーを渡されて体調の心配をしてきたから笑顔を浮かべた。
世の中には5つの性がある。男と女、そしてアルファ、ベータ、オメガである。
人口の大部分を占めるベータは男女そのままの性だが、アルファとオメガは違う。何かに秀でていて社会的に地位の高いアルファと、ヒートと伴い時には人を狂わせる社会的な地位の低いオメガは外見の性別に左右されず孕ます側と孕ませる側に分かれる。オメガは男であっても妊娠できる性だ。
一世紀前であればヒートで人を惑わすオメガは差別されていた。しかし現在はアルファの子を産めるだけでなく、抑制剤によりその能力も発揮できて能力的に低いという見方はされなくなってきている。
俺はオメガで南雲はアルファだ。俺たちは出会ってすぐにお互い惹かれあったのは本能かもしれないが、順調に交際を重ねて今は同棲している。
坂本さんたちにもこの関係を話した時に南雲が「家族になって欲しい」とプロポーズしてきたのは先月の話だ。
婚姻届も来週出す予定で、そのタイミングで俺と南雲は正式なパートナーとして番になる。南雲曰く、せっかくなら婚姻届を出したその日に頸を噛みたいと言っていたけど俺にとっては今すぐにでも噛んで欲しいと思っていた。
3ヶ月に一度訪れる発情期のヒートは一週間くらい続くから今は坂本さんたちに話して仕事は休んで外に出ないようにしていた。
南雲は強いアルファで俺のヒートに当てられて3日ほど仕事を休んで相手をしてくれたけど南雲は殺連屈指の最強機関であるORDERのひとりだから忙しい。
お互い抑制剤を飲んで南雲はいつも通りの生活を送れる。オメガの抑制剤は副作用が強くて俺は結局仕事を休むことには変わりないけど南雲の迷惑にはならない。
「今日は眠いけど調子がいいんだ」
「でもヒート期間中は無理しないでね。あと外に出るのも禁止だよ?」
「分かってるって」
甘いコーヒーを飲みながらもう何度も南雲に注意されたことを苦笑しながら頷くも南雲は心配そうに俺の頬に触れた。
その左手の薬指には俺とお揃いのシルバーの指輪が嵌められていて、見る度に嬉しくなってしまう。
暖かい南雲の手に頬擦りすると南雲の憂いを帯びた表情から愛おしそうに目を細めてキスをしてくる。
ブラックコーヒーの苦味のあるキスが気持ちよくてコーヒーが入ったコップをテーブルに置いてから今度は俺からキスをした。
「シンくん、愛してるよ」
「うん。俺も、愛してる」
お互い愛を紡ぐと照れ臭そうに笑うタイミングも重なって胸が暖かい。南雲がキスをするときに舌を捻じ込んできたから抗えずに舌を絡める深いキスをすると抑制剤を飲んでいたにも関わらず体が熱くなった。
「ん、なぐも、仕事遅れるって・・・」
「まだ時間あるから平気」
唇から離れて首筋に舌を這わせてキスマークをつけられるのを胸元押して抵抗するも、体は既に熱くなって南雲を求めているから抵抗すらならない。
「シたくなっちゃった?」
「ぁ、ッ、うん・・・」
ソファーに押し倒されて南雲が俺の上でネクタイを緩める。
「一回だけシよっか」
「いつもそう言いながら何回もシてるだろ」
「今回は本当に一回だけ」
悪戯っぽい笑顔を浮かべる南雲が俺のシャツのボタンを外したあとにハーフパンツと下着も脱がしてきた。
「昨日シてないから溜まっているんじゃない?」
「ん゛っ、あ・・・」
勃ち上がった自身に触れられてすぐに先走りを溢してしまう。南雲の骨張ったしっかりとした指が俺自身に触れ、片方の手で秘部に触れてくる。
「なぐも、欲しい。挿れて・・・?」
「・・・なんかエッチする度に誘惑上手くなってるね」
「なぐもの、せいだよ」
既に濡れた秘部は女性器のように柔らかくて南雲自身を求めていた。人差し指を秘部の中に押し込まれて甘い声を漏らしながら腰を浮かせると南雲が舌で自分の唇を舐める。
その癖は俺を求めている時の癖で、俺が両手を広げると大きな背中を丸めて体を屈めた。
背中に手を回すと南雲は額や頬にキスをしながら秘部に挿れる指を増やす。
ヒートの期間中は体液で濡れているから慣らす必要はないといつも言っているけど「シンくんを大事にしたいから」と返されてしまえば嬉しくて言い返す言葉が見つからない。
「あっ、ぅ、ん゛、南雲のゆび、気持ちいい」
「シンくんのナカ、熱くて溶けそうだね」
わざと前立腺を掠めて攻めてくるから思考も理性もすっかり溶けてきた。指を引き抜かれて、俺の醜態で勃ち上がった南雲自身が晒されて生唾を飲み込んだ。
「シンくん、ゴム無しでシていい?」
「・・・え?」
ーーそれって。ーー
俺と比べてしっかり理性があるなかで南雲が言ってきた。快感に呑まれそうな頭の中でどういう意味か理解できて嬉しくて涙が出そうだった。
ヒート期間の中出しは妊娠の可能性が一気に上がる。だからいつも南雲は避妊具を欠かさずに着けてくれたことを俺はよく知っていた。
「シンくんが嫌ならゴム着けるよ。でも家族になるんだしシンくんとの子供・・・欲しいなってずっと思ってて」
「っ、俺も南雲の子供欲しい」
「ほんと?嬉しい」
恐らく南雲にとって勇気が相当必要な言葉だっただろう。俺が笑顔で頷くと南雲は心底幸せそうな笑顔を浮かべて俺に触れるだけのキスをしてくる。
「じゃあ沢山子供作ろっか」
「・・・ばか」
「シンくんと僕の子供なら絶対可愛いよね」
茶化す南雲に頬を膨らませるも、幸せな瞬間を噛み締めるようにキスをした。
秘部に避妊具を着けていない南雲自身が当てがわれるだけで心臓がはち切れそうなくらい緊張と喜びと本能でアルファの精子を欲する感情が昂る。
「ぁゔ・・・っ」
「っ、やば・・・これ、ハマりそうだ」
ゆっくり挿入されるも濡れている器官は抵抗なく入って南雲自身を受け入れることに歓喜するように締め付けた。
「なぐもの、気持ちいい、ぁ、あっ〜〜っ!!」
触れられていないのに、動いてもいないのに絶頂を迎えてしまい体を震わせていると南雲も初めての避妊具なしの挿入に理性を必死に保っているのが分かる。
「シンくんのナカ、イく時に締め付けてきて気持ちいい・・・。すごい、ゴムしてる時と比べ物にならないくらい気持ちいいよ」
「ん、ぁ、あっ、なぐも、すき」
「僕もだいすき」
腰を掴まれて律動が始まるも今までとは違う熱さと暴力的な快感に俺の理性はすっかり溶けていた。
前立腺を抉られるように突かれて喘ぎなのか叫びなのか分からない声を上げてまた絶頂を迎えると南雲が唇を舐めたのが見える。
南雲が俺を欲している、中に射精する本能に抗えずに快感に呑まれる南雲の姿はいつもよ雄々しい。
「なぐも、出して、いっぱい、ッ、ん゛」
「もぉ・・・そんな可愛いこと言われたら仕事行きたくなくなっちゃうじゃないか」
本当は抑制剤なんて飲まずに一日中南雲とのセックスで溺れていたい。口に出してしまいそうな本音をキスで誤魔化すと南雲も俺と同じ気持ちなのか目を細めて微笑んだ。
「シンくんのナカが僕のを欲しがってる・・・分かる?こんなところまで入ってるんだよ?」
「ひゃ、あ、あ゛っ、〜〜っ!!」
「またイッちゃった?可愛いね」
臍上を撫でられるだけでも気持ちよくて、下腹部を軽く押されると中に入っている南雲自身がムクリと大きくなる。
連続の絶頂は体力をかなり消耗するけど、そんなことは気にせずに更なる快感が欲しくて南雲にしがみつく。
「なか、沢山出して・・・っ」
「・・・うん」
南雲の家族になれる、南雲との子供が産める。今までオメガで生まれたことを後悔したことが沢山あったけど、南雲と恋人になれて一緒に過ごしていくうちに自分がオメガで良かったと思える日が増えた。
律動は激しくなって南雲自身も限界が近いことが分かるから足を曲げて南雲の腰をホールドすると南雲はまた自分の唇を舐める。
「シンくん・・・っ」
切羽詰まった南雲の表情が大好きで堪らない。己の欲望のまま律動を激しくされて苦しいのに気持ち良くて体も溶けてしまいそうだ。
「ぁ、あ゛っ・・・〜〜っ♡」
「っ」
ドクン、と波打つように中に大量の精液が注がれる感覚は全身が痺れるような暴力的な快感で俺は体を痙攣させながら絶頂を迎える。
ーー南雲の、沢山出てる・・・うれしい。ーー
アルファの射精は長く、射精している間は恍惚な溜め息を漏らしながら打ち付けるように腰を揺らされて俺はまた絶頂を迎えた。
ーー幸せだ。ーー
ずっと達しているような気持ち良さと抑制剤の副作用の眠気が同時にきて瞼が重くなっていると南雲が優しい笑みを浮かべてくれる。
「愛してるよ、シンくん」
俺も南雲を愛してるよ、と返したいのに眠気に負けて瞼を閉じると唇に暖かくて柔らかいものが当てられた。キスだ、と分かっても俺はそのまま眠りに落ちた。
目を覚ますとベッドの上だった。
ノロノロと体を起こすとちゃんと部屋着も着せられて体に違和感もないから南雲が寝ている俺を運んでくれたのだろう。
出勤前なのに我儘を言ってしまった、と後悔するも初めて中に射精されたことを思い出して頬が緩む。
腹部に触れてこの先、南雲との子供が産まれることを思うと嬉しくて仕方ない。
「お腹空いたな・・・」
時刻を確認すると昼過ぎだった。抑制剤の副作用の影響で随分眠ってしまったが今は薬の効き目を感じない。
ヒート中は食欲よりも性欲が勝ってしまうから食事をおろそかにすることが多かったけど、今は空腹を感じてキッチンに向かった。
空腹を感じるということはヒートも終わる頃かとしれない。冷蔵庫の中を開けるも見事に飲み物しかなくて「あ」と買い出しをお願いすることをすっかり忘れていたことに気付く。
「出前取ろうかな。でも夜ご飯のこともあるし、いっそスーパーで買い出し行った方がいいかも」
住んでいるマンションから10分程度の場所にあるスーパーは平日のこの時間なら空いてるし問題ないかもしれない。
南雲には外に出るなと言われていたけど、ヒートも終わっていそうだし問題ないだろう。
それに外に出れないのもなかなかストレスがかかるから俺は手早く普段着に着替えて出掛ける準備をした。
頭の中で買うものを考えながら靴を履いて部屋を出る。エレベーターで一緒になった同じマンションの住人とも軽く挨拶してからマンションを出て脇道を歩きながら欠伸を噛み締めた。
「ふぁ・・・まだ眠いなぁ」
眠気を感じるも久しぶりの太陽の下を歩くのは気持ちがいい。車の通りも人の通りも少ない日中の平和な街並みは酷く落ち着く。
信号を渡ったらすぐにスーパーが見えてくる。今日は南雲が好きなハンバーグを作って待っていようか。外に出たことは怒られるかもしれないからちゃんと謝る準備もしておこう。
そんなことを考えながら信号待ちをしていると後ろから肩を叩かれる。
元殺し屋でエスパーの俺が気配も思考を感じることもできずに肩を叩かれた瞬間、ゾッと背中を這うような危機感を抱くも振り返ったら既に遅かった。
目の前の視界が一気に暗くなって俺の意識も遠退いた。
「へぇ、南雲の婚約者って本当だったんだ」
「ぁあああ゛っ!!」
「それに今ヒート中?ダメだよ、迂闊に外に出ちゃ。ああ、もしかして他のアルファを誘ってたとか?」
ゆったりとした口調で喋る目の前の男、Xは平然と我が物顔で俺の携帯を操作している。
いつから意識が戻って、いつからXの陰茎を挿入されて強姦されているのかさえ分からなくて俺は目先の快感に抗えずに涙を溢した。
確かスーパーに行く途中だった。ここはどこだ?なぜ俺はXに犯されている?
混乱するなかグルグルと思考を巡らせていると独り言を呟いていたXが漸く組み敷いている俺を見る。
「ココは俺たちのアジトだよ。地下室だから大きな声を上げても誰も来ない。あ、来週婚姻届出すんだ」
おめでとう、なんて言いながら携帯を簡易ベッドの外に投げ捨てられる。逃げなければ、助けを呼ばなくては、と頭で分かっていても体が燃えるように熱い。
「あ、ぁ、あっ」
「すごいね。動いていないのに感じるんだ。南雲のちんこじゃなくても気持ちいい?」
「や、だ、ぁ゛」
抑制剤を飲んでいるはずなのにヒート期間の真っ最中より体が熱く、目の前の『アルファ』を本能で求めてしまう。
「鹿島が誘発剤を君に飲ませたんだ。ヒートの時より体が熱くて苦しいだろうね、可哀想に」
恐らく目の前のXは南雲と同じくらい強いアルファだ。そして誘発剤を飲まされたせいで体が熱くてアルファを欲してしまう。
「な、んで俺を・・・っ」
「ん?坂本太郎の愛弟子で南雲の最愛の婚約者、君を壊せば邪魔な2人を殺しやすくなるかなって」
平然と話すXの瞳に感情なんて読み取れない。俺が全力を出してもXから逃げられない、このまま陵辱されて殺されるのだと恐怖で震える。
「喋りすぎたな・・・。そろそろちゃんとセックスしようか」
「ひゃっ」
「存外可愛い声を出すんだな」
腰を掴まれて自然と声が上がると気を良くしたXが小さく笑う。感情のない瞳で読み取れる思考は俺を酷く犯すもので体を捩らせて逃げようとすると更に奥に挿入される。
「ぁあ゛」
「柔らかいな。もしかして南雲とセックスしたばかり?」
数時間前までは南雲で気持ちよくなっていた中が南雲ではない陰茎でも体は勘違いして歓喜してしまっていた。
怖い、嫌だ、助けて、でも気持ちいい。いろんな感情が混ざり合って涙を流しているとXが体を屈めてキスをしてくる。
南雲と比べて冷たい唇だ、すぐに舌を絡めてきて律動が始まって俺は誘発剤の影響で快感に抗えなかった。
「ふ、気持ち良くて仕方ないって顔してるね」
「ん゛っ、だめ、やだ、抜いて・・・」
「南雲といつセックスしたの?ヒート中だから昨日?教えて」
唇が離れてXの白魚のようなしなやかな指先が俺の唇をなぞるから自然と口を開く。
「きょ、今日、朝・・・中に出して貰った」
「へぇ。まだ番にはなっていないんだね」
「ん゛っ・・・♡来週、届出したら、番になる」
ーーあれ?なんでこんなに俺話してるんだ?でもXに質問されると答えなきゃって思っちゃう。ーー
これも誘発剤の影響かアルファの力の影響か分からない。南雲とのセックスでも時折南雲に命令されると自分の意思関係なく従ってしまうことがあるのを思い出す。
律動がどんどん激しくなるなか、前立腺を突かれる度に勃ち上がった自身から精液がピュッ、ピュッと出てくる。
「感じやすくていやらしい体だね」
「ん゛、ぁ、あ、イく、っ〜〜っ♡」
体は拘束されていないのに逃げられない。Xに左手を掴まれて薬指の指輪を舐められて涙を流しながら「やだ」「やめて」と言うことしかできない、まるで生き地獄だ。
「今度は楽とも遊んでみる?彼も優秀なアルファだし年齢も近いからきっと合うよ」
「ぁ゛、ぐ、っ、やだ、なぐも、たすけーーっ」
強すぎる快感に泣きながら、ここにいない南雲の名前を呼んで助けを求めようとしたらXに頬を殴られる。
加減されたのは分かる、だからこそ次Xにとって気に食わないことを言われたら殺される恐怖が芽生えて俺の心は一気にXに支配された気分になった。
「シンくん、だったよね?」
「っ、は、ぁ、ッ、はい」
X自身が前立腺よりも奥、結腸に届くほど奥に挿れてきて、南雲にも挿れられたことのない恐怖で歯がカチカチと鳴るくらい怖かった。
「少しでも抵抗したら君の喉元を噛む。そしたらどうなると思う?晴れて僕とシンくんは番だ。僕のモノになるんだ」
「ひっ」
Xの舌先が俺の首筋を舐めてくる。ザラリとした舌先と無防備な首元はすぐにでも噛み付く勢いで俺は必死に首を横に振って拒否した。
「でも君って結構可愛いし本当に番にするのも悪くないな。僕らの仲間になったらエスパーの力も使って色々できそうだし」
ウンウンと頷きながら独り言を呟くXに俺は抵抗する術もなく震えているとXは俺に微笑みかける。
涙で滲んだ視界で微笑んだXの姿が南雲の姿と重なってポロポロと涙が溢れた。
「可愛いね・・・なんて純粋で無垢で尊い心を持った子なんだろう」
「ん、ぁ、あ・・・」
スローピストンで奥を突いてくるからX自身の形を覚えるように締め付けてしまうのは本能か、それとも薬の影響か分からない。
涙を流す俺を見て更に興奮したXが涙を舐めとるだけで快感に繋がってしまい、無意識にXの背中に手を回した。
「君を気に入ったよ、シンくん。ただ犯して帰すのがもったいない」
「ひゃ、ぅ、ゔ、ぁっ!またイッちゃう、ん゛っ〜〜♡」
「沢山イッていいよ。イッた分だけ南雲を思い出すがいい。俺の子供を産んだら南雲はどんな顔するかな?」
体液で濡れた中はXの精液を求めてしまい、中を締め付けてしまうのは俺の本望ではない。
ーーやだ!南雲の家族になるのに、南雲の赤ちゃん欲しいのに、こんなの・・・っ!ーー
頭では抵抗したいのにXの圧倒的なアルファに抗えず求めている自分が怖くて浅はかで涙が溢れる。
「なか、ナカに出さないで、お願い・・・!」
X自身が限界が近いことを察して涙を流しながら懇願するもXは笑みを濃くして俺に強引にキスをしきた。
「可愛い。余計に君が欲しくなった」
「っ」
「今日は帰さないよ」
「ひっ、あ゛ぁあああ!!!」
腰を強く掴まれて思い切り奥に突かれて絶叫に近い声を上げて射精するとXも息を詰めて俺の中に射精した。
南雲の時と同じだ。射精が長く、本能でオメガの中に種を残そうとしている。
ーー南雲、ごめん・・・。もう一緒にいられないかな。ーー
敵に強姦されてヒート中に中出しをされたなんて知られたら南雲は俺のことを嫌うだろうか。失望して、虐げられるだろうか。そう考えると辛くた悲しくてまた涙が溢れると繋がったままXが涙を舐めてくる。
そして俺の耳元で残酷なほど優しい声で「愛してるよ」と囁いた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!