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「ここが、トレセン学園か」
(俺の名前はリオンユーニス。)
(俺の夢は、日本一の逃げウマ娘になること、ただそれだけだ。)
桜並木に囲まれた校門をくぐり、入学式へと向かう。
「…」
(やっぱり顔見知りはいねぇか、)
“続いて、生徒会長から新入生へ歓迎の言葉です”
《はじめまして、ここ、トレセン学園の生徒会長を務めているシンボリルドルフです。》
皇帝 シンボリルドルフ
(確か、中央競馬初の無敗クラシック三冠ウマ娘、だったか、?)
(ちょっとだけ、憧れる)
「やっと終わった〜、」ノビー
(話長すぎ、少し寝そうになったぞ、)
(…お、?)
練習場
(めっちゃ広いんだな、ここ)
“はぁっ、はぁっ、”
「…いいな、早く俺もあんな風に、」
『はぁ、…』
(俺の名前は、榊 雄之助《さかき ゆうのすけ》。中央のトレーナーをしている。)
(しかし、)
(ここ数年、チームのメンバーが入ってきていない。)
(そして今年でメンバーが0になってしまった)
その悩みを晴らすべく、寮付近の土手を歩いていると、1人のウマ娘が練習場をじっと見つめていた。
そして目を輝かせながら、小さく呟いた。
「…いいな、早く俺もあんな風に、」
その瞬間、運命を感じた。
いつの間にか駆け足で彼女に近づいていた。
『なぁっ、…』
『なぁっ、…』
(呼ばれた、?)
うしろを振り返って、そこにいた人物を見る。
その人は、少し息を切らしながらこちらを見ていた。
「なんか、用っすか、?」
息を切らしている人物が呼吸を整えながら、話す。
『俺と、日本一を目指してみないか?』
「…は、?」
突然の言葉に驚いた。
(日本一、?こいつ、日本一って言ったか、?)
「…本当に、俺を日本一に連れて行ってくれるんだろうな、」
『あぁ、もちろんだ』
彼は少し、食い気味で答えた。
(本当に日本一になりたいんだ。)
そう感じた俺は、
「リオンユーニスだ。俺の夢は日本一の逃げウマ娘になること、ただそれだけだ。」
いつの間にか手を差し出して、彼の手を握っていた。
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