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サリンバとトゥリンバ、カリンバの縄張りを手に入れたカルーの三女のメイカ。しかし、頭を攻撃し、死んだと思ったサリンバとトゥリンバが実は生きているとは知らず、少し離れたところにある木に登り、休み始めました。
数時間後、トゥリンバがぱちっと目を覚ましました。周りを見るともう夕暮れ。起き上がると、がさっと音がして同じくサリンバも目を覚ましました。こちらは少し朦朧としており、右目をつむっています。トゥリンバは、サリンバを生かしておくとなんにもならないと思ったのでしょうか。乗っているわずかな体力でサリンバを殺しました。メイカはというとトゥリンバがサリンバを殺したことを知らず、悠々と、のんびりと木の上で休んでいるのでした。しかし、猫は目ざといものです。ひげをしきりにかくとぱちりと丸いが、どことなく鋭い目を開きました。そして首を少し伸ばし、ふんふんと鼻をうごめかせると、スクっと立ち上がり、トンッと木から飛び降りました。そしてまっすぐもと来た道を戻っていったのです。
ぽと、ぽと、と、トゥリンバは歩いていました。頭から血を滲ませた姿はとても痛々しいですが、そんなことには構っていないようです。それもそのはず。もし、メイカが戻ってきたら今度こそとどめを刺されるからです。しかし幸い、メイカが戻ってきたときにはサリンバの亡骸のみ、残されていた。
それっきり、トゥリンバは姿をくらまし、姿を見せることはありませんでした。
メイカはもともと広めの縄張りを持っており、それは姉妹一番でした。そして更にその縄張りが広がったことでなんと、隣の縄張りの宿敵、次女のアイーヴァが逐電。次女の小さい縄張りも手に入れ、絶好調だったまさにその時。
最大の勢力を誇っていたカリンバ、トゥリンバ、サリンバ、メイカ、アイーヴァたちの母であり、女王のカルーが、老衰で亡くなりました。するとまるで日が沈み、隠れていた魔物たちが溢れ出すように娘たちが一斉に争いの火種を燃やし、散らし始めたのです。