元貴 side …
「もうクリスマスだねー」
涼ちゃんが街のイルミネーションを見ながら呟く。そういえば若井も同じようなこと言ってた気がする。1年前のことを思い出して夜空を見上げてみる。
「…満月」
「あ、ほんとだ!」
涼ちゃんはスマホを手に取り、写真を撮っている。あの日のことを思い出す。若井は綺麗って眺めてたな。
「見てみて元貴、すごく綺麗に撮れた!」
涼ちゃんが自慢気に撮れた写真を見してくる。だが、写真の左下に指が入り込んでいる。
「指入ってんじゃん笑笑」
「うわっ、ほんとだ…!!!」
うまく撮れたと思ったのにな〜と涼ちゃんは口を尖らせる。久しぶりに笑ったかもしれない。
夜はやけに音が気になって仕方がない。大きな音を聞くとあの日のことを思い出して、眠れなくなる。だから夜は嫌いだけど、こういう時間があるのは好きだ。朝や昼には無い、どこか落ち着いた空気で街の光がとても綺麗。俺、誰かと一緒に居る時間が好きなのは変わらないのかも。
「…懐かしいな」
「?何が?」
つい思ったことを口にする。涼ちゃんが不思議そうにこちらを見つめる。
「1年前もね、若井とこんな感じで帰ってたんだ。」
「そーなんだ!てか俺誘ってくれてなかったの…?」
涼ちゃんが俺の方をじいっと見つめる。
「だって涼ちゃん、眠いとか言ってマネージャーさんに送って貰ってたじゃん笑笑」
嘘!?と涼ちゃんが驚いたように目を見開く。ホントだよと返すと涼ちゃんは、まじかーと言って悔しそうな顔をしていた。あの日、涼ちゃんも一緒に帰っていたら、若井は助かってたのかな。でも、涼ちゃんが死んじゃってたのかもしれない。だから若井で良かっただなんて、そんなわけない。あの日、俺が1人で帰っていたら変わってたのかもしれないのに。下を向いて歩いていると、いつの間にか俺の家の前まで来ていた事に気づく。
「もう着いたんだ…笑」
「あっという間だったねー!笑笑」
俺は扉の鍵を開けようと、カバンの中から鍵を取り出す。鍵穴に鍵を差し込み、鍵を回そうとしたその時。ふと、1年前のことを思い出した。1年前、俺はここで振り返ったらもう若井の姿はなかったんだ。それで気づいたら若井が血まみれで倒れてた。今、振り向いて涼ちゃんが居なかったらどうしよう。体が動かない。固まっていると、後ろから優しい声がした。
「僕は後ろにいるよ!」
振り返るとそこには俺が鍵を開けるのを見守る涼ちゃんの姿があった。
「涼ちゃん…ごめんね、ありがとう」
俺はそう言い、玄関の扉をゆっくりと開けた。すると涼ちゃんはまたね!と元気に手を振ってくれた。俺が扉を閉めるまで、ずっと。
普通に涼ちゃんが良い奴すぎますね笑
このお話書きたいこと詰め込みすぎて
話の流れぐちゃぐちゃしてるかも…
どうかお付き合い下さい🙏🏻💧
ではまた次のお話で^^
コメント
3件
初コメです。 泣いちゃう😭 いい人すぎるよ涼ちゃん😭 切ない、、、。