元貴 side …
家に帰ってきてから数分後、涼ちゃんから「家に着いたよ」と自撮りの写真が送られてきた。やっぱり涼ちゃんは優しいな。俺が「ありがとね」と返すと、ライラックのスタンプで「任せな!」と返ってきた。
時刻は22時。あと2時間で1日が終わる。俺はカバンの中から新曲の楽譜を出そうと荷物を漁っていた。出てきたファイルからお目当ての新曲の楽譜を出す。すると、お目当ての楽譜の下にも、別の楽譜があることに気がつく。
「…懐かし」
ファイルには他にも以前の楽曲の楽譜が十数枚程入っていた。1枚1枚その楽譜を見ていると、1曲の楽譜に目が行く。
「バカみたいな僕の夢をバカみたいに信じてくれて」
歌詞の1部を何となく歌っていると、この曲を作っている時のことを思い出した。
この曲、”BFF”は、俺が涼ちゃんと若井に向けて書いた曲だった。いつもは伝えられない気持ちを曲にして伝えようと思ったのがきっかけだった。
「なんか恥ずかしっ笑//」
この歌詞、思いに間違いは無いが、いざこうやって真面目に見直すとやはり恥ずかしい。この曲の1番は若井に向けて書いていて、2番は涼ちゃんに向けて書いたのだ。
「…僕には君がいる」
俺の傍にはずっと若井が居た。晴れの日も雨の日も、ずっと。俺はそんな彼のことが二つの意味で大好きだった。親友としても大好きで、恋愛的にも大好きだった。声も顔も、考え方も笑い方も、全部が大好きだ。若井はいつも俺の隣で笑ってくれた。俺はその笑顔が大好きで、若井の隣は俺の大切な特等席だった。でも、もうその特等席に座ることは出来ない。もう一度、もう一度だけでいい。若井に触れたい。あの笑顔をみたい。あの頃に戻りたい。
「わ゛かい゛ッ…泣」
気がつくと涙が溢れ、BFFの楽譜を抱きしめていた。今まで溜め込んでいた何かが溢れた。俺はその夜、彼の名前を何度も呼び、泣いた。日付が変わるその時まで。
気がつくと、俺は泣き疲れて眠ってしまっていたようだった。だが空はまだ暗い。スマホで時刻を確認すると、時刻は午前2時だった。
「…俺、何やってんだろ」
不意に出た声は、少し掠れた弱々しい声だった。その声もすぐに薄暗い夜へと飲み込まれ、消えてしまった。ぐしゃぐしゃで涙で濡れた楽譜を拾い上げる。すると、裏面に楽譜の紙の素材ではない、別の紙が微かに指先に触れた。楽譜の裏面を見ると、そこには雑にテープで貼られた1枚の写真があった。
「ッ…これって…」
その写真には見慣れた”あの海”を背景に、俺、涼ちゃん、若井の3人が楽しそうに笑い合う姿が映っていた。
元貴くん泣かないで… ((
あと裏情報なんですけど、
実はこのお話 、
題名の候補がいくつかあって、
「会いに行こう。」
「BFF」
「Part of me」
の3つで悩んでおりました!笑
初期の頃は「会いに行こう。」にしていて、
途中から「Part of me」に変更しました!
この第7話書いている時に、
「BFF」の題名を思いついたんですけど、
なーんか微妙だったので
「Part of me」のままにしました笑 ((
何故「Part of me」という
題名なのかと 言いますとね、
ミセスの楽曲「Part of me」の歌詞が
何となくこのお話の若井さん目線を
歌っているような、いなような… ((
みたいな感じで「Part of me」という
楽曲を題名にしました🫣
このお話が完結したら、
是非ミセスの楽曲、「Part of me」
の歌詞を見てみて欲しいです…!!!
なんだか若井さん目線のような
気がすると思います😏(作者の感想)
題名って本当に悩みますよね…
ワードセンスが問われる笑笑
長くてすみません💭💧
ではまた次のお話で^^
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