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キルアと×××のハロウィン♡🎃
ピンポーン。
玄関の前で、
キルアはいつも通りの顔で立っていた。
「……来たぞ」
ドアが開いた、その瞬間——
「……っ!?」
一拍、完全に固まる。
目の前の×××は、
ハロウィン用のミニスカポリス。
帽子に、バッジ。
ちょっと照れた笑顔。
「……ど、どう?」
キルアは反射で顔を逸らした。
「……反則だろ」
耳まで一気に赤い。
「そういうのは……」
言葉を探して、
結局続かない。
「……心臓に悪い」
×××が笑って「成功だね」と言うと、
キルアは小さく舌打ち。
「……油断してた」
⸻
リビング。
ハロウィン用の飾りが並んで、
少しだけ特別な空気。
×××がくるっと振り返って、
楽しそうに言う。
「トリック・オア・トリート!」
キルアは一瞬きょとんとしてから、
ポケットを探る。
「……あ」
「悪い、菓子持ってない」
正直に言うと、
×××はにやっと笑った。
「じゃあ」
「いたずら、ね?」
そう言って、
後ろから取り出したのは——
囚人服のコスチューム。
「え、待て」
キルア、即後ずさる。
「それ、どこから出した」
「ハロウィン用だよ?」
「着てくれたら許す」
キルアは腕を組んで、
じっと見る。
「……罰ゲームか」
「オレ、なにした」
×××が近づくと、
キルアは観念したようにため息。
「……一回だけだぞ」
「写真とかなし」
条件を出しながらも、
どこか照れくさそう。
「……言っとくけど」
「ポリスがそれなら」
「囚人役は割に合わない」
そう言って、
×××を見る。
「……ほんと」
「今日は反則多すぎ」
からかわれてるのに、
口元は少しだけ緩んでいた。
ねえ」
囚人服に着替えたキルアを見て、
×××が両手を合わせる。
「写真、撮ろ?」
その言い方が、
完全に“おねだり”。
キルアは一瞬だけ渋い顔をしてから、
すぐに目を逸らす。
「……一枚だけだぞ」
即陥落。
「誰にも見せるな」
「保存もしすぎるな」
条件多めだけど、
拒否はしてない。
「やった!」
×××が嬉しそうにスマホを構える。
「じゃあ、こっち来て」
言われるがまま近づいた瞬間、
キルアは気づく。
(……近い)
肩が触れそうな距離。
「……おい」
「もうちょい離れろ」
そう言いながらも、
自分は一歩も動かない。
×××がカメラを確認しながら、
さらに寄る。
「入らないから」
「もうちょっとだけ」
「……っ」
キルア、完全に赤面。
「だから反則だって……」
視線をどこに置けばいいか分からず、
結局カメラを見つめる。
「はい、撮るよー」
シャッター音。
その瞬間、
キルアの表情は——
不機嫌そうなのに、どこか照れてる。
「……今の」
「絶対変な顔だろ」
×××が写真を見て笑う。
「ちゃんと一緒に写ってる」
その言葉に、
キルアは少しだけ安心した顔。
「……消すなよ」
念押ししながら、
耳はまだ赤い。
×××が「ありがとう」と言うと、
キルアは小さく返す。
「……×××相手なら」
「仕方ない」
ハロウィンの夜。
囚人服とポリス。
写真一枚で、
キルアの理性はもう十分揺さぶられていた。
写真騒ぎが落ち着いたころ。
×××がソファにころん、と座って、
お腹を押さえる。
「……ねえ」
上目づかい。
「お腹すいた」
「甘いの食べたい」
一拍置いて、
「コンビニ、行こ?」
完全に可愛くおねだり。
キルアは一瞬だけ考えるふりをしてから、
小さくため息。
「……分かった」
即OK。
「どうせ断っても行く気だろ」
玄関に向かいながら、
×××を見る。
「……その格好で」
×××は首をかしげて、
悪気なく言う。
「このまま行くけど?」
その瞬間。
「……待て」
キルア、ぴたっと止まる。
「それはダメだ」
「え、なんで?」
キルアは視線を逸らしつつ、
耳まで赤くなる。
「……オレ以外に」
「見せるな」
小さく、でもはっきり。
「ハロウィンとはいえ」
「その……」
言い切れずに黙る。
×××がにやっとすると、
キルアはさらに照れる。
「……からかうな」
「上着、羽織れ」
自分のパーカーを差し出して、
ぶっきらぼうに言う。
「コンビニまでだし」
「すぐ戻る」
そう言いながらも、
距離はちゃんと近い。
夜の空気。
並んで歩く二人。
キルアは横目で×××を見て、
ぽつり。
「……甘いの」
「何でも買っていい」
それがもう、
一番の甘やかしだった。
レジ。
かごの中には
チョコ、プリン、かぼちゃ味のお菓子、
あと×××がどうしてもと言って入れたアイス。
並んで立つ二人。
距離、近い。
店員さんが商品をスキャンしながら、
ちらっと二人を見て、にこっと。
「今日はハロウィンですね〜」
×××が頷く。
「はい!」
その流れで、
何気なく一言。
「カップルですか?」
一瞬、空気が止まる。
「――――」
×××、固まる。
顔が一気に熱くなる。
「え、あ、えっと……!」
言葉が出ない。
隣のキルアも、
完全に不意打ち。
「……っ」
目を逸らしたまま、
耳が真っ赤。
数秒の沈黙。
×××が慌てて、
「ち、違っ……」
と言いかけたところで、
キルアが小さく咳払い。
「……」
それから、ぼそっと。
「……一緒に来てるだけです」
声、低いけど、
明らかに照れてる。
店員さんは「あっ、すみません💦」と笑って、
会計を続ける。
その間。
×××は俯いたまま、
袖をきゅっと掴む。
キルアはそれに気づいて、
何も言わず、
ほんの少しだけ距離を詰める。
会計が終わって袋を受け取ると、
二人同時に
「……ありがとうございました」
外に出た瞬間。
「……っ」
×××が耐えきれず、
「い、今の……」
顔真っ赤。
キルアも歩きながら、
小さく舌打ち。
「……聞くな」
「反射だ」
×××が横から覗き込む。
「否定しなかったね?」
「……!」
キルア、足止まる。
「うるさい!」
でも否定はしない。
「……ああいうの」
「慣れてないだけだ」
そう言って、
袋を持つ手を入れ替えながら、
「ほら、帰るぞ」
「溶ける」
その横顔、
まだ赤い。
×××はそれを見て、
こっそり笑う。
家に帰って、
コンビニ袋をテーブルに置く。
×××はアイスを冷凍庫に入れながら、
さっきのことを思い出したみたいに、
ちらっとキルアを見る。
「ねえ」
「さっきさ」
キルア、嫌な予感。
「……なに」
×××はわざと首をかしげて、
無邪気な声。
「カップルじゃないなら、なに?」
「一緒に来てるだけって言ってたけど」
「じゃあ、なに?」
――詰み。
キルア、完全に固まる。
「……」
視線が泳ぐ。
耳、また赤い。
「それは……」
言葉を探すけど、
出てこない。
×××が一歩近づく。
「なに?」
追撃。
キルア、耐えきれず、
「……っ」
頭をかいて、
ぷいっと横を向く。
「……言わせんな」
「そういうのは……」
声、ちょっと小さくなる。
「……その」
×××はじっと待つ。
キルア、深呼吸してから、
「……特別」
ぼそっ。
×××が目を見開く。
「……え?」
「……だから」
キルア、観念したみたいに続ける。
「他のやつと同じ扱いなわけないだろ」
「一緒に来てる“だけ”なわけない」
顔、真っ赤。
沈黙。
次の瞬間、
×××が一気に赤くなって、
「……そ、それ」
「ずるくない?」
キルア、ちらっと見る。
「……なにが」
×××は照れ隠しで笑いながら、
「そんな言い方されたら」
「否定できないじゃん」
キルア、少しだけ口元を緩める。
「……だから言いたくなかったんだよ」
そのあと、
二人して何も言えなくなって、
アイスを食べ始めるけど、
視線が合うたびに照れる。
さっきより、
距離が近い。
キルアは心の中で思う。
(……カップルじゃない、か)
(……まあ)
(言い直す必要も、ないよな)
ソファ。
映画を流してるはずなのに、
二人とも画面をほとんど見てない。
さっきの「特別」の一言から、
空気がずっと落ち着かない。
キルアはアイスを食べ終わったあと、
無言でスプーンを置く。
……落ち着かない。
×××の存在が近すぎる。
動くたびに、
ミニスカポリスの裾が揺れて、
視界に入るたびに心臓が跳ねる。
キルア、限界。
「……なあ」
低い声。
×××が振り向く。
「なに?」
その瞬間、
キルアは考えるのをやめた。
すっと距離を詰めて、
×××の肩に額を預ける。
「……動くな」
ぼそっと。
×××が驚く。
「キ、キルア?」
「今……」
少しだけ声が震えてる。
「……我慢してんだ」
×××、息をのむ。
キルアは顔を上げずに続ける。
「からかわれるのも」
「その格好も」
「全部、反則」
ぎゅっと、
服の裾を掴む。
抱きつくほど強くない。
でも明らかに甘えてる距離。
「……ちょっとでいいから」
「こうさせろ」
×××は一瞬迷ってから、
そっとキルアの髪に触れる。
「……甘えんぼ」
その一言で、
キルアの理性がさらに削れる。
「……うるさい」
でも離れない。
むしろ、
少しだけ力を抜いて、
完全に体重を預けてくる。
「……×××」
名前を呼ぶ声、
いつもより柔らかい。
「今日は」
「俺のそばにいろ」
×××は照れながらも、
そのまま受け止める。
「……はいはい」
「独占欲、強すぎ」
キルア、くぐもった声で、
「……今だけだ」
(本当は今だけじゃないくせに)
映画の音だけが流れて、
二人はそのまま、
くっついて動かなくなる。
キルアの耳は真っ赤だけど、
表情はどこか安心しきってる。
完全に――
甘えモード突入。
キルアの体重が、
完全に×××に預けられている。
さっきまで強がってたのが嘘みたいに、
今は静かで、素直で。
×××は小さく息を吐いて、
覚悟を決めたみたいに微笑む。
「……はいはい」
「今日は特別ね」
そう言って、
キルアの背中に腕を回す。
優しく、
逃げ場を塞がない抱き方。
もう片方の手で、
白い髪をゆっくり撫でる。
指が動くたび、
キルアの肩から力が抜けていく。
「……」
キルア、何も言わない。
でも、
×××の服を掴む指が
少しだけ強くなる。
「そんなに我慢してたの?」
小声で聞くと、
「……するな」
くぐもった声。
「……今言われると」
「……耐えられなくなる」
×××はくすっと笑って、
さらに撫でる。
「大丈夫」
「今日は、なにもしない日」
「一緒に寝るだけ」
その言葉に、
キルアは安心したみたいに
額を×××の肩にすりっと寄せる。
「……それでいい」
声が、もう眠そう。
映画の音も、
いつの間にか遠くなっていて。
ソファの上で、
二人はぴったりくっついたまま。
×××は
キルアの呼吸がゆっくりになるのを感じながら、
最後にもう一度だけ頭を撫でる。
「おやすみ、キルア」
返事はない。
でも、
ほんの少し口元が緩んだのがわかる。
×××もそのまま目を閉じて、
キルアの温度を感じながら、
ゆっくり意識を手放す。
ハロウィンの夜は、
甘くて、静かで。
二人は
同じ夢を見るみたいに、
仲良く眠りに落ちていった。
to be continued….