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コメント
4件
リクエスト答えてくれて嬉しい!!これから大森くんどうなっちゃうんだろ!!
ヤバい…好きですこういう作品🤤 書き方も素晴らしくて毎日楽しみにしてます😊
《リクエストノベル》
『紅い檻』
藤澤(攻)×大森(受)
大森の誕生日にプレゼントを送る藤澤。
実はそのプレゼントには何やら仕掛けが…
藤澤の支配欲×大森の依存欲が交差する
束縛系ストーリーです。
全11話。
9月14日。
毎年恒例の元貴の誕生日会は、ツアーリハ終わりのスタジオで開かれた。
スタッフや関係者、メンバーみんなが集まり、ケーキや色とりどりのプレゼントがテーブルに並んでいる。
ステージ衣装のまま座る元貴は、少し照れたように笑いながら一つひとつ包みを開けていった。
「はい、俺から」
若井が差し出したのは、ふかふかの安眠まくら。
「最近寝不足だろ? これでちゃんと寝ろ」
「わ、ありがとう。……これ、高いやつじゃない?」
「まあまあ、気にすんな。俺の睡眠の質も上げてくれよな、歌で」
「何それ、意味わからん笑」
そんな冗談を言って、場を和ませる。
藤澤はその光景を、ソファの端からにこにこ見ていた。
普段通り、ゆるんだ笑顔。
誰もが「涼ちゃんは今日もマイペースだな」と思うだろう。
けれど、その指先はポケットの中の小さな箱をずっと弄んでいた。
順番が回ってくる。
「じゃあ、俺からも」
藤澤は白い小箱を取り出し、両手で差し出した。
「開けてみて」
元貴がリボンを解き、蓋を開ける。
中には、艶のある紅い石がはめ込まれたシルバーの指輪が入っていた。
派手すぎず、ステージでも日常でも違和感なくつけられるデザイン。
「……これ、俺のメンバーカラーじゃん!」
元貴が目を丸くする。
「そう。似合うと思って。……ほら、つけてあげる」
藤澤は自然な笑顔のまま、元貴の左手を取る。
ひんやりとした金属が指に触れる瞬間、その奥に隠された秘密を知っているのは藤澤だけだった。
指輪の内側には、ごく薄い円形チップが埋め込まれている。
高感度マイクとGPS機能。
防水仕様で、外さない限り、日常のすべてを拾い続ける。
「うん、ぴったり。やっぱ似合うね」
表向きは、ただの優しいメンバーからの贈り物。
「ありがとう、涼ちゃん。これ、大事にする」
嬉しそうに笑う元貴。
その笑顔を見ながら、藤澤は頬の内側で舌を押し当て、熱を押し殺した。
──これで、どこにいてもわかる。
──何をしてても、全部、俺だけが知ってる。
場はケーキカットや写真撮影で賑やかに進んでいく。
元貴は誰に対しても分け隔てなく笑い、肩を叩き合い、手を振る。
それを見て、藤澤はほんの一瞬、目の奥の色を変えた。
帰り際、元貴が「また明日リハでね」と手を振る。
その指先で紅い石が光る。
藤澤は微笑み返しながら、その輝きを目に焼き付けた。
夜、帰宅して机に置いたスマホの画面を開く。
新しく追加されたアイコン──それが元貴の位置情報を示すマーカーだ。
地図上の赤い点がゆっくり動き、やがて自宅に落ち着く。
まだ、この指輪の意味を元貴は知らない。
でも、その無防備さこそが愛おしい。
藤澤は椅子に深く腰を沈め、紅い点を見つめながら、唇の端をゆっくりと上げた。
──元貴、お前はもう俺の中にいる。
これからはずっと、紅い檻の中で生きてもらう。