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いつの間にかに俺は寝てしまったようだ。
長いような、懐かしいようなそんな夢を見た。
莉犬「さとちゃっ!あーそーぼっ!」
さとみ「ごめん、今無理」
莉犬「なーんでぇ!!遊ぶのぉ!」
さとみ「だから無理だって、」
莉犬「やーだぁ、遊ぶのぉ!!」
さとみ「はぁ、うるっせぇなぁ!」
莉犬「ヒッ…あぅ、あぁ、ポロポロ」
莉犬「うわぁぁんん、ひっくひっく」
ななもり「ちょっと、ちょっと、、」
ななもり「何があったの、、」
莉犬「遊ぼぉしたらね、ひっく」
莉犬「めっ!ってしたのぉポロポロ」
ななもり「怖かったねぇ、大丈夫大丈夫」
よく考えてみればあの頃から莉犬は少し他の人とは違っていたような気がした。
俺と莉犬は2歳違いだ。
言動行動にさほど差は、無いはずだ。
それなのに、莉犬と俺では明らかに差があった。
赤ちゃんでもないのに、泣くことが多かった。
注意力、集中力もなく、授業では勝手に抜け出してしまうことも多々あった。
それに、お兄ちゃんも、少し不安がっていた。
やがて、莉犬を連れて病院に行くことにした。
すると、軽いADHDであること。
そして、HPSなことがわかった。
そのことを知ると、莉犬の今までの全てに理由がくっつき。
出来上がることの無いと思っていたパズルがハマっていった。
このことは弟には言わないことにした。
HPS・ADHDは、大人になっても治ることは無い。
しかし、自分の基質を理解したり、自分に合った環境を理解することで疲れにくいようになる。
莉犬は少し大人っぽかったため、他の人よりも理解するのが早かったのだろうか。
すぐに、人と同じようになった。
いや、同じようになったのは間違いだ。
他の人と莉犬は違う。
学校で泣いている。話を聞いてくれない。
家に帰ると部屋に戻って、一人で泣いていた。
そんなことは知っていた。
俺は、そんな莉犬を見て少し面倒だと思った。
莉犬「さ…とちゃ…」
莉犬「さとちゃん!」
さとみ「おぉ、莉犬か」
さとみ「なんかあったか?」
莉犬「もう笑」
莉犬「さとちゃん寝てたんだよ?笑」
さとみ「まじ?笑」
さとみ「あーでも夢見たかも俺」
莉犬「へぇ。どんな夢?」
さとみ「そうだな笑」
さとみ「莉犬と結婚する夢だな笑」
莉犬「え、きも。無理なんだけど 」
さとみ「冷たいなぁ笑」
さとみ「兄ちゃん達きた?」
莉犬「あー、さっき来たよ」
さとみ「なんか言ってた?」
莉犬「んーとね。夕飯がどうたらこうたら」
さとみ「おいおい笑笑」
さとみ「忘れちゃってるじゃねぇか笑」
莉犬「やっちゃった…笑」
さとみ「まぁいいよ笑」
さとみ「LI〇Eで聞いとくわ」
莉犬「あ、俺聞く!俺が悪いし…」
莉犬「兄ちゃんも疲れたでしょ?」
さとみ「まぁ、ちょっとな?」
莉犬「じゃあ俺やる」
莉犬「俺今日なんもできてない」
さとみ「そうか?じゃあ、頼んだ。」
莉犬「うん!」
あー。まただ。またやった。
今の莉犬には記憶が無い。
昔の記憶なんてひとつも無い。
それでも莉犬は変わっていなかった。
そして、俺も。俺も変われなかった。
莉犬の言うことに違うと言えたら良かった。
めんどくさいという1つの理由だけでまた莉犬を苦しませる。
俺は莉犬に嫌われているだろう。