3話
その日の夜のこと
九井(確か今日からもう儀式は始まってるんだよな…)
でも試練っぽいことも何もされてないんだよな………
そもそも一番謎なのはーー
九井(体を捧げるって……誰に?どういうことなのか全く想像できねぇ…)
ガチャ
確蝶「すまないな…遅くなって……」
そう言って俺が座ってるベッドに腰掛けた。
ていうかそれ以外何も喋らないとか……
何か…何か話題はねぇのか?
確蝶「まだ…緊張してるか?」
九井「緊張というか…裏儀式とか聞いたこともねぇから怖いの方が勝ってるかも」
確蝶「イザナに相談してきたんだ」
九井「え?」
確蝶「何もわからないまま儀式を受けるなんて誰だって怖いだろうと」
九井「そんなこと言って怒られないのか?」
イザナってやつならそんなこと気にせず受けさせればいいとかそう言うと思うけど
確蝶「言ったろ?俺だけはお前を守りたいつもりだって…証明するために行動しただけだから気にするな」
九井「あ、ありがとう」
確蝶「と、言っても気になるなら獅音に聞けと言われたんだ」
九井「あー…なんか前回は出禁になったんだっけか?」
確かあの兄の方がそう言ってたよな?
確蝶「まぁ…奴は狂犬だからな…ブレーキが利かないんだ…イザナもほぼ同等だが」
九井「そんで?その獅音って奴には話を聞けたのか?」
確蝶「あぁ…裏儀式とはいわゆる洗脳に近いことらしい」
洗脳に近いってどういうことだ
確蝶「つまりは…体に躾るとでもいうのか…俺は正直そういうのには反対だ」
九井「んなこと言ったらイザナに殺されるぞ?思ってても言うもんじゃねぇ」
確蝶「お前…正気なのか?躾るっていうのは男同士で体を重ねるって意味だぞ!お前は優しすぎる」
九井「天竺色に染めるって聞いてからなんとなく想像はしてた…けどいざとなると怖いものだ」
確蝶「一応命を受けたからにはやるつもりだ…だから教えてほしい……されたくないこと…苦手なことは最初に言ってくれ……極力しないようにするから」
確蝶という男はどこまでも真っ直ぐな奴だ。
俺が辛くならないように気を遣ってくれてるみたいだ。
九井「とりあえず目立つような傷は作りたくないんだ…後は痛くないなら何でも……大丈夫だと思う」
確蝶「わかった…だがそれを素直に聞き入れるのは俺ぐらいだ……だから挫けないで頑張ってくれ…もしどうしても辛くなったら言ってくれ…イザナに止めるように言ってみるから」
九井「まぁ、先のことを今考えるのは無駄だ…わかんねぇことだらけなんだからな」
俺は真っ直ぐ確蝶を見つめる。
九井「じゃあその裏儀式…やってやろうじゃん?お手柔らかにな」
確蝶「あぁ…嫌だったら殴ってもいいから」
九井「ははっ…お前にはそういうことしなさそうだぜ?」
次回に続くーー
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