その女性のことを俺は全く知らない。唯一知ってることは名字が「たじま」ということだけだ。クラスが違うから全く関わりもない。向こうは僕の存在すら知らないと思う。でも、俺にはナギイチに選びそうな気がする。
高校生にもなって「一目惚れした」なんて友達に言うと面食い!などボロクソに言われることが想像できたから誰にもこの気持ちを話すことができなかった。でも、実際は一目惚れだ。性格も知らないから確かに俺は面食いなのだろう。
講演会・学年集会などで1年の全クラスが体育館に集まるときに先生の話を全く聞かないで、その女性を眺めていた。見る人によっては不審者に思われただろうけど、一目惚れした女性を眺めている俺にとっては周りの目線なんて忘れていた。
でも、やっぱり可愛い。ナギイチだ。
そもそもなんで、俺は真央を差し置いてその女性をナギイチだと思ったのだろう。
そのことを授業中など色々な時間を使って考えていたらやっと答えが出た。
それは俺が小さい頃に大好きだった女性アイドルグループのセンターの女性に似ているからだ。と。
俺が小さい頃に黄金期を迎えていた女性アイドルグループ。高校生になった今はその女性アイドルグループは黄金期を終え徐々に人気が落ち着いてきている感じがするが俺は今でも小さい頃の記憶を引きずっているのだ。
どうすればその女性と関わりが持てるのか。ちっぽけなことでもいいから俺は関わりを持ちたかった。
次の高校生ならではのビックイベントの文化祭でナンパしようかな。とも思うが勇気が出るかわからない。
そんな時に真央のとある記憶が浮かび上がってきた。
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