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#シリアス
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大人になってからも、人への恐怖と顔色を伺うようになったのは続いた。
大人になればみんなスーツを着て社会へ出て働きに出ているもんだ。
『次は○○駅…○○駅……お出口は右側です_____』
電車に乗ったり、信号を渡って職場に向かって歩いていく姿がある。
学校時代の事もあり、人が怖いから働けないだなんてやばい人間……
そんな風に世間から白い目で見られるんじゃないかって
「……マジかやば…」
「……!?」
歩いていると街行く人が私の事を指して何か言ってるんじゃないか……
そんな風に怖くなるときもある……
周りから白い目で見られないようにと私も何とか就職ができたはいいけど
「君ね、やる気あるのか本当に…!?
何回言えば分かるの?いい大人なんだからさ、もっとちゃんとしなよ。」
「申し訳ありません……」
「全く…ちゃんとやってくれないと困るよ。
もういいや、君をチームから外させてもらう。これじゃあ来週までに間に合わないし…」
仕事も思うようにいかず、職場の人達とも上手くいかない……
「(……また○○さん…?)」
「(別にいいけど…てか足引っ張られるこっちの身にもなって欲しいよね…。)」
「(本当本当。というか辞めてくんないかな…
多分この仕事向いてないんじゃねあの人?)」
「(確かに。言えてる…)」
だから仕事がある日も帰る日の足取りも重かった。
「結婚!?えぇおめでとう!」
「あ、ありがとうございます…」
「どこで知り合ったんですか…!?」
「あはは、それはまた休憩時間にお話しますよ〜」
そして歳を重ねていけば、結婚の話がちらほらと周りでするように。
職場では同僚達が結婚の話や
「わぁ可愛い…おめでとうございます!」
「ありがとう。俺も遂に父親で……」
子どもが生まれたなんて話をしていることがある。
さらには
「あれっいぶきちゃん?」
仕事帰りに偶然従妹と会った。
彼女は私よりも年下ではあるが、しっかりしていて明るい美人な従妹だ。
そんな従妹は結婚し、現在は子どもがいる。
彼女と店に入りディナーをすることになったが、
彼女から出る会話はやはり結婚や子どもについての話ばかりだった。
「実はもう二人お腹にいるんだ。双子みたいよ?
秋に出産予定なの。」
「へぇそうなんだね?すごいなぁ…おめでとう。」
「私ね、今すごい幸せ。結婚できるなんて思ってなかったし、子どもにも恵まれるなんて…
ねぇいぶきちゃん、いつかいぶきちゃんも素敵な人と結婚することになったら私絶対結婚式行くね?
いぶきちゃんもいつかいい人見つかるといいね…?」
「あ、うん…ありがとう……」
結婚の話は他にも。
『いぶき、あんたこっちいつ帰ってくるの?』
「あー…まだ分かんない、未定かな。」
『そう?あ、そういえばね?あんたと同級生だった○○くんいるでしょ?
町内会であの子のお母さんと会ってね〜、○○くん今度結婚するらしいのよ!』
電話で母と連絡を取っていた際にもだ。
「へぇーそうなんだー…」
『あんた、いい人いないの?○○ちゃんだって結婚して子どもいるんだし、
○○くんだって結婚してんのよ?見つかったらちゃんと紹介し……
「うるさいなほっといてよ…!!」
私は電話を切ってスマホをベッドに投げつけた。
すごく虫酸が走る……
そしてすごく、惨めな気持ちにもなってくる……
次第に目から涙が溢れ、こぼれていく……
何で……
「何でみんな平然とできるの…?
友達も、勉強も、仕事も、結婚も……
意味分かんない…っ、……」
それに……
結婚するんだねあいつ……?私をいじめてたのにね……?
結婚して幸せ…?子どもも授かれて嬉しい…?
何なんだ本当……何なんだよどいつもこいつも……
「ふざけんなよバカ……!!!
何で傷ついた人間はずっとこうして傷ついてんのに
当の本人は当時の事忘れてのうのうと生きて幸せになってんだよ…!!!?
久しぶりに話したかと思えばマウントとプレッシャー掛けるしふざけんな…!!!
ふざけんなよバカ野郎…!!!!」
涙が溢れ、堪えていた悲しみと怒りも溢れていく……
そしてプツンッ…と、私の中で何かが切れた。