タイトルの読みは「せいぜんうらがたり」。
前日談の妄想を小説ぽくまとめてるだけです。
最近はTRPGのシナリオしか書いてなかったもんで、書き方だいぶ変わってます。
久々の小説ですね。本当に書かなくなっちゃってました。てへ。
ネタバレ注意(最終話まで)
捏造注意
わんくっしょん
ノベルはどのくらい改行したらわんくになるんでしょうか
わんく入れる系はチャットノベルでしかなかったのでわかりません
もういいですかね
それでは行ってらっしゃいませ
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sh side
いつからだろう。俺が殺しの職に就いたのは。だいぶ昔から人殺しとして穢れた手と共に生きていた気がする。懐かしい兄弟の顔はもう思い出せない。そもそも兄弟がいたのかすら…いや、磋牙が俺の兄弟みたいなもんだ。長年を共にした磋牙を忘れるなんてありえない。
そんな毎日を送っていたその日、俺の元に”黒桐箱”が届いた。噂程度に聞いたことがある。白虎から直々に下る指令は、この箱に入って届くという。何かやらかしてしまったのかと少し冷や汗が伝う。その箱を開けてみれば、次期白虎に任命されるという趣旨を伝える紙と、虎牙の首飾りが入っていた。この箱…どこかで見た気がするが、気の所為だろうか。
それから数ヶ月、数年。俺の部屋に、ある人物が尋ねてきた。
この顔は誰だったか…そう考えていると、耳元で鳴ったかと錯覚するくらいに大きい銃声が響いた。刹那、意識が暗転する。俺はその”誰か”に打たれたのか。痛みを感じる間もなく、俺の命は散っていった。
何故か意識が覚醒する。次目が覚めた時には、見知らぬ列車にいた。
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kn side
“双子は産まれて来る時に幸せも半分こ”
そんな言葉をどこかで聞いたことがある。今でもあの事は鮮明に覚えている。知らないマフィアに目をつけられて、兄弟が攫われたあの日の事を。
兄弟の居場所を探して数年。態々政府の潜入捜査官になって、その潜入先が偶然、兄弟の所属するマフィアだと知った。ようやく見つけた兄弟の居場所でも、そこに兄弟の姿は見つからなかった。
その時俺は察した。もうこの世界に俺の兄弟はいないんだと。
だから恨み晴らしに組織のトップを、白虎を殺す事にした。銃を一発打ち込んで、ようやく顔を見て気づいた。それは、俺がずっと探していた兄弟だった。まさか、この手で兄弟を殺してしまうなんて。
もうどうでもいいと思った。磋牙で渉外役を任されている俺は、虎の粉に染まった磋牙のために貿易の担当をしていた。
もう終わらせよう。前から虎の粉を売る貿易商が嘘を吐いて高値で買わせてることには気付いていた。それに詰め寄って、虎の粉の貿易を終わらせれば、磋牙には虎の粉に飢えた人殺しの集まりになる。虎の粉を求めて殺し合って、そのまま自滅してくれ。
そう思って貿易商に、あくまでもマフィアを装って言いよった。相手がマフィアだから殺されるとでも思ったのか知らないが、藁差し銭で頭を殴られ意識が朦朧とする。まぁ丁度良い。兄弟殺しはこのまま消えればいい。新たな渉外役がまた貿易を始めるんだろう。それならそれでいい。
離れ離れになった兄弟に、もし天国で逢えるなら。
目が覚める。死ねなかったのか、夢だったのか。そう思って辺りを見渡す。俺は、見たことの無い景色を走る列車にいた。
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sm side
本当はこんな物売りたくなかった。俺のせいで広がるその”薬”は、万能薬を謳った鴉片だ。
大国から流入したその鴉片は、身を滅ぼし中毒にさせる薬となった。
表向きじゃまともな医療薬を売って、裏で違法な薬物を売って、俺は何がしたいのだろう。
その日もいつものように街中で虎の粉の密売をしていた。すれば急に路地へと攫われて、見知らぬ奴らに囲まれた。そいつらは磋牙というマフィアに所属しているようで、俺が”良質な虎の粉”を販売しているのを知った中毒者だそうだ。どうにも磋牙は虎の粉中毒者が多いそうで、磋牙と契約して虎の粉を安値で売れということらしい。裏の人間とは言えマフィアに勝てる訳がない。それでもマフィアがこれ以上麻薬に染まったら、と思って契約を拒否した。そしたら1人が、ナイフを取り出して俺の片目を抉った。それでも契約に応じないというならば命は無いなんて脅されて、その場では契約に応じた。
ただ良質な虎の粉を手に入れるのも難しいことで、安値で売っていたら利益なんて得られやしない。だから磋牙との契約は破り、市場価値が上がったと嘘を吐き不当な利益を得ていた。そのお掛けでまた虎の粉を仕入れて、高値で売った。
それが磋牙にバレてしまったようで言い寄られ、殺される前に、受け取った重たい金を鈍器にそいつを殺した。自らの手で人を殺めたのは初めてで、酷く焦りを覚えた事を記憶している。
ある日、大病を患っている親族に万能薬を買いたいと言う客がやって来た。表で販売している薬を買いに来たらしいのだが、俺は誤ってそいつに虎の粉を渡してしまったらしい。そいつは日に日に廃れた姿で虎の粉を買いに来る。
こんな奴よく見る話で、最初は気にせずに虎の粉を売っていたのだが、相当恨みを買っていたらしい。そいつは路地で腰に忍ばせた短刀を取り出して、俺を切り裂いた。血が身体から無くなって、頭がくらくらする。吹き出た血が紅い華を咲かせた。人に万能薬と謳って麻薬を売って、何人もの人間を骨にした罪人は死んで当然だったのかもしれない。
それなのに、目が開く。確かに俺は短刀で裂かれたはず。ここは地獄か否か、俺は知らない列車にいた。
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br side
苦しそうな母を見る度に、僕まで苦しくなった。
大病を患った母は、一般市民の給料じゃ治療費なんて払えない。そんな中、とある代物を見つけた。
「”何でも治せる”万能薬」
僕はこれに惹かれて、万能薬を買った。
いや、買ってしまったと言う方が正しいか。
『なんでないのよ!もっと買ってこい!!』
そう怒鳴られるのは何度目だろう。あれは万能薬を謳った鴉片だったのだ。前に比べて体調が良さそうなのも、麻薬で頭が回っていないからなのだろうか。
品質の良い鴉片は…“トラノコ”は日に日に値段が釣り上がる。僕は母に変え与えるために、人を殺すようになった。悪い奴らを、マフィアを茶香師として花茶を淹れるなんて嘘をついては短刀で刺し殺していた。あの虎の粉を売り付けて来た貿易商さえ殺した。彼奴がマフィアだったかなんて知らないが、そのせいで母があんな姿になったんだ。罪人を捌いても罰は下らないだろう。それで手に入れたお金で虎の粉を買って、母に与える。それを繰り返していた。
ある日、頼んでもない茶器が届いた。こんな高価そうな茶器を買うお金なんてないから、何かがおかしいと思った。それでも僕は、興味本位にその茶器でお茶を淹れてみた。
油断していた。殺しをやっているとはいえ茶香師に誇りを持っていたから、毒殺なんて考えてなかったのだ。”黒桐茶器”には毒が塗られていた。
意識が朦朧とする。口からは飲み込んだ花茶が血と混ざって垂れた。それにすら気づけないまま、僕は意識を失った。
無意識に身体が飛び起きた。あの毒は、致死量じゃなかったのか。そう思って辺りを見れば、何故か見覚えのない列車にいた。
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kr side
いつから磋牙は廃れた組織になったのだろう。弱者を救うためのはずだったこの組織は、大国から流入された鴉片の…虎の粉のせいで狂ってしまった。今じゃ磋牙の半分は虎の粉に染まっている。だから俺は、虎の粉に深く関わっている人物を殺害しようとした。茶器職人としても活動している俺は、茶器に毒を塗り黒桐箱で毒殺しようと試みた。
だとしても、虎の粉中毒者はまだまだこの組織内にいる。万能薬を作ろうと開発してしまったばっかりに、骨と化す人間が増えてしまった。
平和のための組織はいつしか殺しをするマフィアになってしまっていた。俺のせいで…。
白虎の血を引く俺はこの組織の現トップで、次の代へ引き継ぐのも俺だ。だが、こんな廃れた組織なんてもう要らないだろう。俺の代でこの組織は終わらしてしまおう。
やがて朽ちて灰になったはずなのに、気が付いた時には一度も目にした事の無い列車にいた。
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途中から”虎の粉”って名前とか、smさんの証言で「うちの商売荒らすなって磋牙に言われた」(第十一話霜月駅)みたいなこと言ってたから、虎の粉って磋牙発症なんじゃないかと思って軌道修正したので、変になってたら申し訳ないです。
全てただの考察と名のついた妄想でごさいます。
これを読んでいるそこの貴方。小説でもイラストでもいいので花龍列車の供給下さい。お願いします。
コメント
1件
これ一応 sh←🔪kn←🔪sm←🔪br←🔪kr ×される側、×した側、←×される、を繰り返す形で構成してるんですが 書いたのは挨拶順なのでちょっと変だったら申し訳ない