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21,201
ふく。
番外編57 『悪魔化した執事を救う』💮☔🧸
※悪魔化ifです。悪魔化してない執事も出てきます。既に悪魔化してる執事に関しては本編とは大幅に改変してあります。捏造も含まれてますので苦手な方は回れ右お願いします。
別邸1階
💮
『俺はまた失ったのか……?俺がいなかったせいで……ガキ共を失ったってのに。また…主様のことを死なせた…?俺が、しくじったから…。』
暗い闇の中をひたすら歩く。
『…ハナマルっ!!』
『この声は…?主様、か?…ははっ。幻聴まで聞こえるようになったか。』
(どうすれば…私が死んだと思い込んでる。でも、ハナマルをここで引き止めないと、魔導服に飲み込まれて死んでしまう。そんなの、ダメ――。)
と、ハナマルの元へ走ろうとしたら声が聞こえてくる。
『余計なことをするな。悪魔執事の主よ。 』
(この声は…ハナマルの契約悪魔…。)
『貴方は、フォカロルね。ハナマルのことをどうする気なの。』
『これから死ぬ人間に教える必要はない。カワカミ・ハナマルの魂は私のものだ。悪魔と契約するというのはそういうことだからな。』
『……っ。彼はまだ死んでない。彼は、誰よりも強くて優しい男なのよ。こんな所で死なせないわ…!』
私は剣を抜いた。
『ほぉ…。』
ジャラジャラ…!
私に鎖が巻き付く。
『っ…!』
『ただの人間のお前が。私、悪魔に敵うとでも?』
『っ…!』
(悪魔の力が強くなってる…ハナマル本人のチカラで鎖を縛ってもらわないと…っ。)
『ハナマル!ハナマル!!』
『ムダだ。もう声は届かないぞ。』
『っ…ハナマル――!!!』
『……っ!』
(今の、声は…?主様か…?いや、違う。主様は死んだんだ。俺のせいで。)
『もう、楽にしてくれ…。』
と、その時――。
『ハナマル。ハナマル。』
『……っ?』
『まだこっちに来ちゃダメ。』
目の前にガキ共が俺の前に立つ。
『お前ら…』
『まだ早いよ。こっちに来るの。あの時のことは仕方ないよ、ハナマル。私後悔してないよ。ハナマルに出逢えたから。』
『僕もだよ。ハナマルみたいな優しくて強い人と一緒にいられて楽しかった!』
『お前ら…っ。』
『ハナマルの守るべき人は他にいるよ。その人のことを…ちゃんと助けてあげて。約束だよ。』
『ハナマル。大好き。』
『っ…!』
手を伸ばした時にはもうガキ共はいなかった。
俺は振り返り来た道を戻る。
『く……っ。くるし…』
ジャラジャラと身体に巻き付く鎖が私を侵食する。
『人間というのは脆いな……すぐに壊れる。安心しろ。ちゃんと奴の後を追わせてやる。』
『はな、まる…っ。』
と、その時――。
ドガッ!!
『なっ!!』
強い衝撃が走る。
『お前、どうして……!』
『ハナマル……。』
ハナマルが私の元に来てくれた。
『こんなとこで死なねぇよ。ガキ共に止められちゃな。』
『くそ…っ。』
『主様…っ。生きててよかった……また俺のせいで失ったのかと…っ。』
ハナマルは私を抱きしめる。
『私は死なないわよ。そう簡単にね。ふふ。』
ジャラジャラ…!
再び鎖が現れ、フォカロルを縛る。
『く…っ。あと少しだったのに…』
『主様を縛っていいのは俺だけだ。フォカロル。じゃあな。』
『悪魔を嘲笑っておいてタダで済むと思うなよ…っ。』
ジャラジャラ……!!
鎖に包まれ、暗闇に消えていく。
『…バカ。心配したんだからね。』
『悪かったよ、主様。帰ろう。』
『えぇ。そうね。』
☂️
『ああ……っ。ああああああ……っ!!』
(やめてください、父上、母上…村のみんな…っ。)
暗闇の中でみんなの姿をした悪魔にユーハンは惑わされている。
『ユーハン、違うわ、それは村の人達じゃない!貴方のご両親じゃないのよ!!』
『クスクスッ。無駄なことよ。悪魔執事の主。彼はもう手遅れ…。』
『っ!黒い雌狼…。マルコシアスね…っ。』
私はキッと悪魔を睨みつける。
『フフッ。初めまして。私は彼の契約悪魔よ。』
『彼が幻覚を見てるのは貴方の能力のせいなの……?』
『フフッ。そうよ。ここは彼の心の中、同時に私の中でもある。私の自由自在に彼の心を操れるのよ。』
『そんな…。ユーハン、ユーハンのせいでその人達は死んだんじゃない!自分を責めるのはやめて!』
『私のせいなのです…私が、もっと優れていれば失うことは…っ。』
『お前のせいだ。ユーハン。お前のせいで私達は…っ。』
『そうよ…どうして助けてくれなかったの…?』
『あつい、あついよぉ…痛い、いたい…っ。』
『あ、ああ…っ!! 』
『彼の絶望は計り知れないわね…。自分のせいで家族、村のみんな、故郷を燃やされて失ったんだもの。それに貴方まで失ったとなれば彼はどうするかしら。』
私は悪魔執事の主に襲いかかる。
『っ!!』
私は剣を振るう。
『グルル……っ。貴方も殺せば彼は絶望し、魔導服に飲み込まれる。彼の魂も貴方の魂も、私が全て頂くわ。』
『そんなこと…させないわ。私は彼と約束したの。サルディス・フブキ…彼をこの手で殺すまで私は死なない。ユーハンも死なせないって!』
(どうすればユーハンを止められるの…?
彼が絶望に飲み込まれないようにはどうすれば……。)
数年前――夏合宿
『その日まで…私とユーハンがサルディス・フブキを殺すまで、絶対に死んではダメよ。最も苦しい死に方を…味合わせるの。私は貴方だけに十字架を背負わせない。一緒に堕ちていくわ。貴方の主として。』
『主様…。』
『約束して。復讐を遂げるその日まで、死ぬことは許さないわ。』
『…。かしこまりました。主様。』
『そうよ…私は、私とユーハンは死んじゃいけない。ここで共倒れする訳にはいかない。マルコシアス。貴方と契約するわ。』
『契約……?クスクスッ。ただの人間の貴方が私と取引したいの?笑わせてくれるわね。生憎私は悪魔、簡単に彼の魂を諦めないわ。』
『サルディス・フブキを殺し、復讐を達成した暁には私の魂とユーハンの魂を貴方にあげるわ。』
『…っ!』
『これは二重契約じゃない。悪魔執事の主、一人の人間としてのケジメよ。』
ジャラジャラ……!
悪魔を縛る鎖がマルコシアスに巻き付く。
『っ…!またこの鎖…。今は諦めるわ、ただし…契約したからには私の紋章を貴方に刻ませて貰うわ。』
『覚悟の上よ。』
悪魔は鎖に呑まれ、姿を消す。
それと同時に私とユーハンは暗闇を去る。
『ユーハン、ユーハン!』
『あ、あるじ、さま…?私は…』
『悪魔は消えたわ。もう大丈夫よ。』
『私は絶望して悪魔化したはずでは…』
『私がそれを止めたのよ。さぁ、帰りましょう。』
『主様……。』
主様の手を取ろうとした時だった。主様の腕に見覚えのある紋章を見つける。
『……っ!!主様、まさか…っ!』
『……約束したはずよ。サルディス・フブキを殺すまで死ぬことは許さないと。』
『マルコシアスと契約したんですか…?なんてこと……っ。』
『サルディス・フブキを殺したら私とユーハンの魂はマルコシアスに捧げる。それが私のした契約よ。』
『っ…。そんな…っ。』
『貴方を救う為にはこれしかなかったのよ。ごめんなさいね。こんなやり方しか出来なくて。』
『…主様の覚悟。私はそれを受け入れます。』
主様の手を取り、跪く。
『復讐を遂げるその日まで、命を賭して貴方をお守りします。主様。』
『約束よ。ユーハン。』
🧸
『俺が死ねばよかったんだ…あの時も、あの日も。今にも夢に見る。俺を呼んで死んでいった部下たちを。助けを求めていたのに、俺は何も出来なかった。』
俺は暗闇の中を進む。
『テディ!ダメ、その先は…っ!』
テディには見えてない崖が迫っている。
『ごめんなさい、主様。俺はもう、貴方の傍には居られません。貴方のことを守ると約束したのに……守れなくてごめんなさい。』
『人間の心というのは脆いな。お前もそう思うだろう?』
『フォルネウス…っ。テディの契約悪魔…。』
『テディ・ブラウンはもう救えない。彼の望むまま仲間のところに逝かせてやった方が彼の為だ。』
『そんなことない!テディの仲間がそんなこと望むはずない!!』
私はテディに向かって走る。
『無駄だ。』
ジャラジャラ…!
『っ!これは…悪魔を縛る鎖…っ。なんで…っ。』
私の脚に巻きついて離れない。
『このままここで死ぬのを見ていろ。無力な人間。』
『っ…!』
(嫌だ。テディがいなくなるなんて。助けられないなんて、そんなの…。)
『テディ…っ!!』
私は泣きながら声を上げテディの名前を呼ぶ。
『…っ!鎖が…っ!』
鎖が弱まり私はテディの元へ走る。
『く…っ!』
グイッ!!
『わっ!』
テディの手を引き草むらに押し倒す。
ドサッ!
『バカッ!!あの時約束したでしょ!?私のことを守るって!』
『あるじ、さま…』
『許さないから、こんな所でお別れなんて!テディのお兄さんは貴方を庇って死んだの。それはテディのせいじゃない。それは、お兄さんがテディを大切に思ってたからだよ。』
『兄貴が、俺を…。』
『テディの部下の人達もテディが弱いから死んだんじゃない。全部全部天使のせいだから。テディが自分を責める必要はないんだよ。』
『主様…。』
テディの瞳を取り巻く瞳が消える。
『テディ…。戻ってきて、お願い。』
『…主様。ありがとうございます。俺はもう大丈夫です。フォルネウス。俺は絶望しない。主様がいるから。』
『くそ…っ。』
ジャラジャラ…!
『忌々しい鎖め…。これで終わりだと思うな。いずれお前の魂も主の命も奪ってやるからな…っ。』
鎖に縛られた悪魔は暗闇に姿を消した。
『主様。心配かけてすみませんでした。俺はもう大丈夫です。』
『テディ…。』
『ふふ、俺は幸せです。こんな優しい主様に仕えられて。ラッキー!』
テディはいつもの調子に戻る。
『っ…。次は、ないからね。』
『はい。主様。』
次回は
本邸1階組!
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