保鳴好き集まれ

翌朝。

｢ん、んん…？｣

｢あ、鳴海隊長。おはようございます｣

｢…(思考停止)｣

｢あれ、鳴海隊長ー？｣

｢…(あぁ、そいやヤッたんだっけな)、｣

｢……？(…ヤッ、た、？)｣

｢もぉ、挨拶無視されるとか悲しいわぁ｣

｢昨日はあんなに求めてくれたんに笑｣

｢ｯ…！！////｣

｢黙れ喋るな！////｣

｢えぇ？挨拶無視した鳴海隊長が悪いんやないですか｣

｢ボクは悪くない！｣

｢はいはい｣

｢てかまず、ボクはなんでおまえとﾋﾟｰする流れになったんだよ！？////｣

｢あ、そっからですか｣

｢それは─｣

〜訓練場にて〜

｢はぁっ、はぁ…｣

｢クソっ｣

｢…随分追い込むんですね｣

｢！？…なんだおまえか｣

｢…？、いやなんで貴様が居るんだ！！｣

｢www｣

｢いつも細目のオカッパは立ち入り禁止だとあれほど言ってるだろうが！さっさとしっぽ巻いて帰れ！｣

｢酷いお人やなぁ｣

｢ふんっ、ボクは今忙しいんだ｣

｢おまえなんかに構ってる暇はない｣

｢ふむ…ちょっとオーバーワークちゃいます？｣

｢それを決めるのはボクだ｣

｢…四ノ宮長官が亡くなってから、ずっとそんな調子やないですか｣

｢…何が言いたい｣

｢ちょっとは休んだらどうですかって言うてるんです｣

｢うるさい、ボクは平気だ｣

｢…｣

｢分かったらさっさと帰れ、ボクの邪魔をするな｣

｢……分かりません｣

｢は？｣

｢そんな根詰めとったら、伸びるもんも伸びませんよ｣

｢実際、伸び悩んではるんですよね？｣

｢っ…うるさいうるさい！｣

｢ボクは…ｯ｣

フラッ

｢！！｣

突然の目眩に襲われ、ドサッと地面に倒れ込む。

｢っちょ…！｣

だが、予想していた程の衝撃は来ない。

｢…だから言うたやん、オーバーワークやって｣

思ったより近くで聞こえた声に、思わずビクッとしてしまう。

｢…なんで、おまえが一緒に倒れ込む必要があったんだ｣

｢…支えきれんくて悪かったですね｣

…いつぶりだろうか、こんなに近くで人肌を感じたのは。ほぼ抱きしめられているような体勢だが、なぜか安心してしまう自分がいる。

｢さっさとどけ、邪魔だ｣

｢…笑｣

｢おい何笑ってるんだオカッパ！｣

｢そないな顔して服掴まれたら、誰やって退きたくなくなりますよ？｣

｢はぁ…！？｣

｢掴んでなんて、……ぇ｣

認めたくなかったが、自分の手は、間違いなく保科の服の裾を掴んでいた。

｢…っ不可抗力だ！！｣

｢ほんならその顔は？｣

｢顔、…？｣

｢『離れんとって』って書いてるようなもんやで｣

｢ｯ…！！////｣

｢んなわけあるか！！｣

｢勘違いだ、早く退け！｣

｢えぇ〜笑｣

ぎゅっ

｢！？！？////｣

｢な、ぇ、何してんだよバカ！！////｣

｢何って、鳴海隊長のお望み通りに｣

｢望んでない！｣

｢いい加減にしろ、じゃないと─｣

｢…じゃないと？｣

｢…上官侮辱罪で腕立て200回だ｣

｢そら敵わんわぁｹﾗｹﾗ｣

｢ねぇ、鳴海隊長｣

｢あ？｣

｢ほんまに離れてほしいんですか？｣

｢…それ、は─｣