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確かにね、オーラってヤツも中々に色とりどりだからなぁ~、って、この時点でニンゲンであるズィナミが知覚可能になっていたとはね、進化の先端に登場されられたせいか、イマイチ成長の加速度が遅かった彼等も漸(ようや)く目に見える進歩の一端を見せてくれた、そう言う事なのだろうか?
キャス・パリーグは言葉を続ける。
『レイブ、アンタも知っての通り、一般のニンゲンのオーラは薄い灰色、対して『魔解施術』を受けたニンゲン、魔術師のオーラは私達魔獣や竜種と同様に無色透明になるわ…… でも、二度目の魔力災害を乗り越えたアンタはオーラの色を変質させてしまって魔術師としての道を閉ざされてしまった…… しかもスリーマンセルのギレスラとペトラまで何故だか同じく魔力に色を帯びてしまったわ…… だけど、アンタ達は強くなる事が出来た! スリーマンセル揃ってこの学院最強の存在だと私は思う! 多分ズィナミは認めないだろうけどね…… 道を閉ざされた者達に希望を与える存在、それがアンタ達だと思うのよっ! お願いレイブ、あの子達を導いて頂戴っ! 頼むわっ!』
「ね、姉さん」
誠心からの言葉だったのだろう、大きな雌獅子は瞬きも忘れたままで大きな瞳を見開いてこちらを見つめ続けている。
ギリギリなんと無い感じで答えたレイブも本能から来たのであろうそこはかとない恐怖を感じて固まっている中で、いつの間にか左右に寄って来ていたギレスラとペトラが交互に口にしたのである。
『もちろん、我等が面倒を見よう、そうするしかあるまいからな? なぁ、ペトラ?』
『うん、それが一番良さそうじゃない? 任せてよパリーグさん! んで、あの子達の獣奴も一緒に来るんでしょう? ね?』
『おう、そうだな! 竜達のことはこの我、ギレスラが請け負おう! なに、心配は要らん、なぁ、レイブ? レイブっ!』
「……」
『レイブお兄ちゃん、大丈夫?』
「…………」
『レイブっ! アンタ大丈夫なのかいっ? まったくぅ、昔からちょいちょい自分の世界に没入しちゃうんだよねぇ、あんたは…… ほれっ! しっかりおしっ! アタシのこの目を見てごらんっ!』
ギラリッ!
これまでの真剣なだけの眼つきから、もう一段階瞳に本気を込めたキャス・パリーグはレイブの至近に顔を近付けてジッとその眼を覗き込んだのである。
大柄な方とは言え、レイブのサイズはニンゲンのそれを越えてはいない。
対して巨大な体躯のキャス・パリーグの眼球は、それはそれは大きく巨大な物である。
大体レイブの十七倍、判り難いかな? レイブの頭部より少し大きい位、そう言った方が判り易いかなぁ?
夕闇が少しづつ近付いている中、僅(わず)かに明るいレイブ小屋の前で縦に伸びて極々細く尖った瞳に見つめられたレイブは慌てて発言だ。
「ひっ! ひいいぃっっ! お、俺は美味しくないですよっキャス・パリーグぅ! 柔らかさだったらペトラの方が断然上ですしぃ、赤みの締った筋肉ってのが好みでしたらギレスラの方が美味しいんじゃないですかね? と、兎に角、とにかくっ! 俺は美味しくないんでぇっ! 昨日も臭い野草しか食べていないからぁ~、キット不味い筈ですよぉ! で、ですから、た、食べないで下さいぃ~、オロオロオロォ~、シクシクシックゥ~」(ちらっちらっ)
嘆きに近いこの声を聞いた雌獅子は近付けていた顔をやや離し気味にしながら呆れた感じで答えたのである。
『はぁ~? 食べる訳無いじゃないの! 差し詰め、アンタってば又自分の妄想の世界に浸っていたようねぇ~…… 困った物だわ…… んで、どうなの? ペトラちゃんとギレスラちゃんは受け入れてくれているみたいだけどさ、アンタ自身はどうなのよ? あの子達の面倒を見てくれるのかしら、どう?』