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-彗朔-

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-彗朔-

3 - 第1章 契   1話 邂逅

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2024年10月14日

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_一匹狼 side


突きつけるような突風で、髪が宙に舞う。


風が止んだかと思えば、眼の前には知らない”女”が居る。

三輪の大岩に腰を掛け、悠々と微笑む姿はまるで女帝。


??「…宮歌月ノ」


なんであたしの名前知って…。


『違うけど』


??「嘘バレバレだよ」


気味が悪いほどににぃっと口角を上げた女が囁く。


??「…数年前、血縁者と死別」

「それからは殺しで生計を立てていた…、別名、”死神”」


陳列される事実。


『…、で、何?』


??「…君のこと殺そうかなって」


『…はァ…?』


自分で言うのも何だが、あたしは今この”社会”でも指折りの強者。

そこら辺の人間…、しかも華奢な身体付きときた。

正直に言って、殺されない自信がある。


??「それかっ‼️私と一緒に、天下取るか」


『…、は、ァ…?』


本日2度目の嘆声である。

この女、頭がイかれてるのか?

あたしでも分かる。


この築き上げられた、闇社会の上下関係をブチ壊すなんて不可能だと。


??「…あ、そっか、私が何出来るか分かんないもんね…‼️」

「えぇっと…、名前は雨音めあ、能力は”輝星”、まぁ星を操れるみたいな感じ」

「見てもらった方が分かりやすいかな」


めあ、と名乗った女が能力の詠唱を始める。


雨「…暗夜、天飛、…輝星、 ”夕越”」


視界の隅で黄色が輝る。

その瞬間何かが爆ぜた。

爆風で巻き上げられた石の破片が左頬を掠る。

…、もしかして…。


『天体衝突…?』


雨「大正解‼️軽いものだけどね」


星や宇宙、そのようなものを操る能力ってのは、そう少なくない。

…だけど、こんな強い能力、見たことない。

あたしの能力は月を操るから、似たような感覚ではある。

だから分かるんだ。

こんなに能力を使いこなせる人間なんてそう居ない。

この女は…、いやこいつは、


80億に埋もれた天賦の才能…‼️‼️


『…雨音めあ、っつったけ』


『良いよ』


雨「…‼️交渉成立‼️」


たんっ、と大岩から降りた。


雨「ほら、約束、しよう?」


無邪気に笑っためあが小指を立てる。


『…、なにそれ?』


雨「指切り、知らない?」


『……うん』


一瞬考えるような素振りを見せる。


雨「あっ、じゃあさ、これ‼️」


と言って差し出されたリストバンド。

そこには星が付けられていた。

めあの手首を見ると同じ物が付けられていて。


雨「これが千切れない限りは、ずっと一緒」


『千切れたら?』


雨「え?無理やりくっつけるに決まってるじゃん」


整った顔を恐ろしく歪ませて微笑んだ。


『あぁ…、そう』


やっぱりコイツはこんな小さい世界に収まっていて良いわけがない。

背筋がゾッと凍るような感覚と共に、怪物の手を取った。



____________


名 雨音めあ → あまねめあ

能 輝星 → こうせい

二 堕天使 → だてんし


名 宮歌月ノ → みやかつきの

能 月夜 → げつよ

二 死神 → しにがみ

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