_死神 side
そんなことがあったのも5年前だったっけ。
ふと思い返すと同時に、未だ綺麗なままのリストバンドを見る。
5年前、今思い返すと一瞬だったようにも、長かったようにも感じる。
あたしたちが両紅って言われ始めたのは…、4年前か。
『…懐かし…っ』
ふと呟くと、めあが不思議そうな顔をする。
雨「どしたの?」
『懐かしいなって』
雨「…はい?」
夜の空にふと手を伸ばす。
掴めやしないのに。
“ずっと一緒に居れますように”
少し前の七夕に願った事。
昨日は
“最近涼しくなったよね”
だなんて言って笑いあった。
ずっとこの日常が続けば良い。
とは言わない。
だから、ずっと、めあには笑ってて欲しい。
それだけで良いから。
「「嬢‼️‼️3番表路地です‼️‼️」」
無線から唐突に鳴った戦闘開始合図。
『行ってくる』
立ち上がると、めあも一緒に立ち上がった。
雨「あっ、その路地だったら私も行く‼️あそこの土地勘ないでしょ?」
そう言われると何も反論できない。
ハナから反論なんてする気はさらさらないが。
「「今から行く」」
ぐっと軽い伸びをしてから、走り出す。
めあは少し時差があってから走り出した。
夜風を切って走っていくと街の情景がよく見える。
一見何もないように見える、”裏地区”でも多少の建造物はある。
ゴミ箱、ゴミ箱、どこかのマフィアのアジト、ゴミ箱、廃ビル。
ふと空を見上げれば黒く染まった空を星が飾っていた。
灰掛かった雲に隠された月。
『縁起悪っ』
あっという間に3番表路地についた。
まぁ人数はざっと…50居るか居ないかくらいか。
『姫、背中任せた』
雨「おっけー」
能力の詠唱を始める。
『舞月、暗空、…月夜、”黒斬”』
雨「問楽、波紋、輝星、”大天”」
あたしの能力で刀に斬られた様な跡が残る。
めあの能力で周りが大破する。
『…、終わりじゃない?』
雨「うん。多かっただけだね〜」
これが、あたしたちが”両紅”と呼ばれる最大の理由。
守る、そんなことなんてしない。
ただ殴れば全て終わるから。
敵に回してはいけない2人組、としてこの社会では
“両紅”
と呼ばれるのだ。
コメント
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圧倒的強者🥹🥹🥹信頼してるからこそ守らなくていいしガンガン攻めてけるのつよすぎ