テラーノベル
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「くそッ、どこいった、??……まぢで、どこだよ…!」
サノスはベッドの上をぐちゃぐちゃにしながら、舌打ちを繰り返していた。
ベッドの下もらトイレも全部見たのに”アレ”が入った十字架のケースは出てこない。
「fu”k_」
ぶつぶつとカタコトな英語でイキってみても、焦りは誤魔化せなかった。
その時、背後から呑気な声がした。
「アニキ〜、…なにしてんすか?ゴミ屋敷っすか?笑」
こんな生意気な声はアイツしかいないだろ。
サノスが振り返ると、そこにはナムギュが立っていた。
最初に「アニキ流石っす、!アレくださいよ」と食いついてきたやつ。今でも「アニキ〜」って懐いてくるが、コイツの口調には時々イラッとする含みがある。
「探してるもんがあんだよ」
「ナムスお前、俺の薬しらねーか、?」
「えー、アニキ失くしちゃったんすか?笑」
ナムギュはからかうような口調で、俺のベッドに腰掛けて脚を組んだ。
「いやアレないとまぢでやばい、ッつーか。」焦
「へー、薬ないとそんなんなっちゃうんすね。」
「大丈夫ですよ!俺が守ってあげるんで!笑」
その時、ナムギュが動いた拍子に、ポケットの中から細い銀のチェーンが覗いた。
目が釘付けになる。
それは自分が先程まで持ってたものと同じ。
「ナムス、ッそれ、!」
何でナムスが、なんて思う暇もなく。やっと見つかった。と安心してホッと息が溢れた。
「あ〜、これアニキのでしたね笑そーいや笑」
「ッ…thank you my boyナムス」
「俺、返すなんて言ってませんよ?笑」
ポカンと言葉の意味ができずにいた。
“返すなんて言ってない”???
「返してくんねーの、?」焦
少し涙ぐんだ声で、震えながら問いた。
もう虚勢を張るのも、惜しんでいた
「条件付きですね。んー…今日一日俺の言うこと聞いてくれたら返してあげますよ笑」
「ッ聞く、!、から」
どんな条件かなんて知らない。ただアレを返して貰えればそれでよかった。思えば、この判断は正解だったのか間違いだったのか今でもわからない。
「アニキ、やっぱかっこいいっすね。そうやって黙って従うときの顔、一番ダサくて好きっすよ笑」
サノスはグッと拳を握りしめたまま、うつむいた。もうとっくの前に薬の効果なんて切れている。今自分にはナムスしかいないんだと、
手始めにと言わんばかりに、ナムギュは勢い良くサノスの耳を引っ張り、耳元でつぶやいた。
「俺の名前ナムギュなんで、…次間違えたら薬、わかってますよね!」
カヒュっと息をのんだ、いつものナムギュには見えなかった。
「ご、ッめんなさッ!もう間違わない、、ッから」
うまく言葉が出ない。情けなかった。自分はアレがないと何もできないんだと、心底悔しかった。
「可愛いっすよアニキ笑、…もうすぐゲーム始まりますね。俺が守るんで安心してください」
“ゲームスタート”という機械音が響く。
頭がぐわんぐわんと揺れ、ゲームのルールなんて聞こえていなかった。
ころされる。という恐怖心に足が震え冷や汗が止まらない
「アニキ!こっちっすよ!」
と手を引いたのはナムギュだった
さっきまでの恐ろしい雰囲気は消えいつものナムギュだった
「もータヒられたら困りますよー、」
「ゲームが終わったらアニキとヤりたいことがたくさんあるので笑」
ニヤッと笑みを浮かべるナムギュに心臓が高鳴ったが、守ってくれる存在がいる事にサノスは安心感を感じていた
…気づけばゲームは終わっていた。
今日もたくさんのプレイヤーが脱落したらしい
天井に吊り下げられた金が増えていく、
あんだけあればもういいかな、と自分らしくない感情が湧き上がる。と同時に明日は生き残れるのかという不安に襲われトイレに駆け込んだ。
コメント
1件
ナムサノ…!!✨️ 最高です!!🫶