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このシリーズ、めちゃくちゃ好きなので、早目の生誕祭嬉しいです🤭💙💛
5/19の週はちょっと忙しくてF氏誕生日投稿祭りに参加できなそうなので前倒して色々投稿できればと思ってます。
「ねぇ、涼架。」
「なに?」
「そろそろ二人で住まない?」
「え?」
現在俺のマンションに半同棲みたいな感じで住んでいる。
なのでそろそろちゃんと二人で住みたいのです。
「ってことでこちらをどうぞ。」
俺はルームシェア可の物件の資料をいくつかテーブルの上に置いた。
「あ、ここって・・・。」
涼架は資料を一枚手に取る。それは以前俺らがルームシェアしていた時の部屋の資料。現在入居者募集中だったのでなんとなく印刷してみた。
「懐かしいなぁ・・・。」
二人の思い出の場所。ここがあったから今の俺らがあるといっても過言じゃない。
「でも、流石に今ここは狭すぎだね。滉斗も僕も仕事関係のものが増えたわけだし。」
「4LDKでそれぞれの仕事関係の部屋・物置・寝室ってのが一番理想だね。」
セキュリティや通勤を考えて2候補まで絞った。
「内見どうする?二人のことだしできれば一緒に見に行きたいけど。」
「それなんだけど、大丈夫かな?僕達休止中にルームシェアしてたじゃん?「また休止するの?」とか「まだ仲悪いの?」とか変な噂立たないかな。」
「それは大丈夫。元貴の伝手で大物芸能人様から紹介してもらった芸能人御用達管理会社にしてるから。口堅くしっかりしたところらしいよ。」
「大物芸能人様って・・・。」
「二宮さん。」
「あ、やっぱり。」
「涼架さえよければ今度休みが重なる時行ってみない?」
「うん!」
暖かい日が増えてきた頃、やっと涼架と休みが重なり一緒に内見に行った。
絞った候補二つはどちらも魅力的で甲乙付け難かったが、以前ルームシェアしていたところや元貴の家が割と近いという理由で片方のマンションに決定した。
「住み慣れたというか、慣れてるというか、新鮮味はないけどまた違った感じがする。」
「何かあった時母親が近くに居た方が涼架も心強いでしょ?」
「元貴の「誰がお母さんや」って突っ込みが聞こえてきそう(笑)」
5月からの契約ということになり、引っ越しは時間がある時に少しずつやっていくことになった。
「涼架の誕生日にはすべて終わらせておきたいけど、今のスケジュールじゃ厳しそうだね。」
今あってる事、これからあるイベントの準備等々、荷物の量を考えてもすぐというわけにはいかなそうだった。
誕生日当日
いつもはバンドメンバーやスタッフ数名と仕事後に誕生日パーティーをするけど、元貴が気を利かせてくれて涼架の誕生日パーティーは次の日にすることになっていた。
「二人ともお疲れ。」
元貴はさっさとマネージャー運転の車で帰っていく。
「元貴、お疲れ様ー。」
「お疲れ、元貴。」
それを見送って
「今日俺と涼ちゃんは別で帰ります。」
チームでの仕事を終えてた後、いつも送ってくれるマネージャーさんに言った。
涼架に言ってなかったから「え?」って声が聞こえてきた。
「じゃ、行こうか。」
「どこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ♡」
「楽しみなところではあるんだ?」
「多分。」
「多分かい(笑)」
「ここって・・・。」
着いたのは以前二人で住んでいたマンション。
涼架の手を引いてマンションの中に入り、以前住んでた部屋の前へ来た。
「滉斗・・・?」
「まぁ、とりあえず中に入ろう。」
鍵を開けて中に入り、玄関の電気を点けた。
「びっくりした?」
「そりゃびっくりするよ!昔住んでたとこじゃん!」
昔を思い出してるのか懐かしそうに涼架は玄関を見渡した。
「倉庫代わりに使おうと思って借りた。電気ガス水道は通してあるから、涼架も使っていいよ。」
「ありがと!滉斗。」
合い鍵を渡すと、嬉しそうに笑ってくれた。
「これだけじゃないよ?メインはリビングです。」
「リビング?」
廊下を進んでリビングの扉を開ける。
「涼架ここに立って。」
「うん。」
涼架にリビングの入り口に立ってもらい、電気を点ける。
「わぁ・・・!」
涼架から溜息混じりの感嘆の声が漏れる。
リビング明りに照らされたのは部屋一杯に飾られた黄色いバラ
「108本あります。」
「108本・・・。」
「プロポーズの時、108本用意できなかったからリベンジ。」
21本は『あなたに尽くします』『真実の愛』
108本は『結婚してください』
近くにあった一本だけある青いバラを手に取り、片膝をついてそのバラを涼架に差し出す。
「生まれてきてくれてありがとう。俺と出会ってくれてありがとう。恋してくれて、愛してくれて、ありがとう。」
「滉斗・・・。」
「俺と結婚してくれてありがとう。」
涼架の瞳から大粒の涙が溢れてきた。
「こちらこそ、だよぉっ!あり、ありがとっ!!」
青いバラを手に取った涼架は、服の袖で涙を拭う。
「涼架、そんな擦ったら赤くなるよ。」
「滉斗のせいじゃんっ。」
「俺は涼架を泣かせてばかりだね。」
「悲しみじゃなくて、喜びの涙だからいいのっ。」
立ち上がり、涼架をそっと抱きしめる。
「幸せにするから。」
「今でも十分幸せだよ・・・。」
「じゃあもっと幸せにする!」
「あはは、ありがとう。滉斗。」
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