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⚠️あらすじを必ず読んでから閲覧してください⚠️

画家=フランス

紳士=イギリス

とてもみじかい


ある日のこと。

暖かい日光で庭に置いてあるテーブルとその上にあるお菓子と紅茶が照らされる。小鳥は囀り、子供の笑い声がどこからか聞こえてくる。そんな和やかな雰囲気とは裏腹に、彼の顔は不機嫌そうに歪んでいる。彼をここに呼んだ本人は無機質な笑みを浮かべている。

「改めまして、ごきげんようフランス。愛と降伏の国に来ていただけるとは…光栄ですよ、本当に」

「思ってもないこと言わないでくれるかな、三枚舌。お前のその笑顔見るだけで鳥肌立っちゃうんだよこっちはさ。あと降伏じゃなくて美だから」

「おやおや、これはこれは…失礼致しました。事実を言われると傷つきますよね。心得ました」

「お前マジで…一発殴らせてくんないかなぁ。いいよね?」

「やめてくださいよ、私はただの紳士ですよ?」

「こっちもただの画家だよ」

ひとしきり悪口の応酬をした後に、彼と紳士は紅茶を口に含んだ。

画家はまた顔を歪め、カフェオレはないのかと嫌味たらしく言おうとしたが、もう悪口の応酬は終わったので今日はヨシとする。

「…で?」

「ん?」

「とぼけないでよ…僕に用があったから呼んだんでしょ?」

「まあ、それもそうですねぇ」

ふふ、と笑った紳士は話し出した。

「私は、異常に見えますか?」

画家は思っていたものとかなり違う話題に戸惑いはしても、からかいはしなかった。それが紳士の“地雷”を踏み抜く発言だと理解しているからだろう。

「さあ、何を基準にするかによるんじゃない?」

「では世間一般論で」

画家は少し言葉を詰まらせた。世間一般論でこの男を称するとしたら“狂人”以外の何者でもないからだ。平気な顔で嘘を吐き、命を道端に転がる小石のように扱い、しかもそれを“愛”と称し、笑顔で人を傷つけるような男だ。“異常”じゃないわけがない。歴史的にも政治的にも仲がいいとは言えない“中国”に自ら話しかけ、中国に『私達の国は仲悪いからあまり話しかけるなアル』と言われてしまうほど頭のネジがぶっ飛んでいるのだ。それに…。

画家は心底不愉快とでも言わんばかりに顔を歪めて呟いた。

「… 異常、それ以外に答えはないだろ」

すると紳士は少し驚いたような顔を“つくり”、そしてすぐに不適な笑みを浮かべた。

「良かった。あなたは何も変わらないようだ」

画家はまた顔を歪めた。…苦しそうな顔だった。

「それが言いたかったの?」

か細く震えた声で言うと、イギリスは楽しそうな声で「まさか!」と言った。

「フランスパンの製造方法について教えていただきたいんですよ」

「そっか…ん?え?」

「え? 」

イギリスは思ったような返答が返ってこないのが理解できないのか、不思議そうな顔を“つくった”。

「あー、いやーうん。いや、お前料理クソなんだからダメに決まってんじゃんか」

「おやおや、皿に小さく盛り付けることしか芸がない国がよく言う」

「あれ、また百年戦争がしたいのかな?」


ある日のこと。


暖かい日光で庭に置いてあるテーブルとその上にあるお菓子と紅茶が照らされる。小鳥は囀り、子供の笑い声がどこからか聞こえてくる。 そんな和やかな雰囲気とは裏腹に、彼は気まずそうに笑っている。彼をここに呼んだ本人の心は冷たく無機質なままだった。

シリアスなcountryhumans

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