テラーノベル
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あんな心スポなんて行かなければ、杏奈はああはならなかったのに。
私もこんな事にならずに済んだのに。
こんな事思ったって、もう遅いか。“やっちゃった”もん。今更後悔してもしょうがない。
「ごめんね、杏奈。世界で一番大好きだったよ。」
そんな事を言いながら、私はあの日の事を思い出す。
確か今日で丁度一か月経つんだっけ。
一か月前、あるとても暑い夏の日。
杏奈と私はせっかくの夏休みだし心スポに肝試しでもしに行こうか、と話していた。
その後近場にある、とある心霊スポットへと向かった。
そこが心霊スポットになった理由、それは十三年前の十二月三日に起きた事が原因だ。
母親とその子供が、その心霊スポット…穴川トンネルで突如として消えた。 穴川トンネルはそれまでごく普通のトンネルだったのにも関わらず。
何故その母親と子供がトンネルに入ったのかは分からない。しかも歩きで。
付近の防犯カメラの映像で、穴川トンネルに入っていく姿は確認されている。
父親が捜索願を出し、翌日から捜索が始まった。
その約一週間後。トンネルの中で見つかった。トンネル内はもう探したはずなのに。
顔は少し潰れて、片足を一本無くし、他にも様々な外傷があった。
二人共全く同じ姿だった。信じられないくらい。
何故そんな事になったのか、今でも分かっていない。
そして、その後時々トンネルに来た人達に似たような事が起こるようになった。
「さーてと、何する? 」
杏奈が陽気な声で言う。トンネル内で声が反響している。
「とりあえず幽霊に話しかけてみるとか?笑」
「おっけー、じゃあ話しかけるね?」
「幽霊さーん、いますか〜?」
杏奈がそう言うと、それに呼応するかのようにどこからかお鈴のような音が聞こえてきた。
「「えっ?」」
二人の声が重なる。
「ちょ、今なんか聞こえなかった?」
「気の所為っしょ…流石に。」
「けど杏奈も私も聴こえたんだよ?気の所為にしては…」
そんな私の言葉を遮るように、杏奈が言った。
「気の所為だって。絶対。」
妙に確証を持っていそうな声色だった。
今思えば、ここからだったのかもしれない。
※この物語はフィクションです。
コメント
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はじめまして、臓物さん。第1話、読ませていただきました。 冒頭の「あんな心スポなんて行かなければ」という後悔の一文から、もう胸が締め付けられました。一か月前の陽気な杏奈さんとの会話と、現在の「ごめんね」という言葉のギャップが切ないです。十三年前の親子失踪事件の説明も、淡々としているからこそ不気味さが際立ちますね。そしてトンネル内で本当に鈴の音が聞こえた瞬間、背筋がぞっとしました。杏奈さんの「気の所為だって。絶対。」という妙に確信めた口調が、逆に不安を煽ります…。このあと何が起きたのか、続きが気になります。