テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
5件
今回も神作でした!!!! めちゃくちゃ良かったです!!!! 花と言うのは生花と造花がありますが、 個人的には、 どちらも素晴らしい物だと思います。 素敵な花を命ある限り咲かせる生花、 永遠に変わらず素敵な花を咲かせる造花、 どちらも違う美しさがあるんですから。 なので、 主人公は生花の様に変わっても綺麗で 「あなた」は造花の様に変わらずに綺麗で 素晴らしいと思うんですけどね……
たしかに生花には綺麗な蝶がいっぱい集まってくる。でも、生花は水をあげれば咲いていく。とても単純だ。 それに対して、造花はひと手間かけて作っていく。水をあげれば咲くわけではない。とても複雑だ。 個人的に生花には一瞬だけの儚さや、綺麗さがあっていいと思う。 造花にも一生懸命に作られているという愛情が籠もっているし、枯れずに綺麗なまま残るから選びがいはある。 どっちが幸せなんだろうか。
あなたは造花のようだ。 昔も今も変わらず美しい。
私は生花のようだ。 昔は平凡、今は綺麗だけど、きっとこの先枯れてゆくのだろう。
私は言った。 「羨ましいなぁ。ずっと綺麗で。」
あなたは言った。 「私はあなたの方が羨ましい。」
私は言った。 「何で?」
枯れない花、最初から完成された花は美しい。
何で枯れてゆく私の方が羨ましいのだろうか。
あなたは言った。 「花って、一生懸命時間をかけて花を咲かす。でもすぐに枯れてしまう。 」
そう、だから造花の方が良いと私は思った。
あなたは続ける。 「だからこそ、その一瞬がとても美しい。一つ一つが本物になれる。」
あなたの顔に哀愁が漂い始める。「造花はずっと変わらない。変われない。所詮偽物だ。
生花には蝶が集まってくる。造花には集まらない。」
私は「それなら私も枯れないでいるよ。」
あなたの目が私の目を見る。俯いていて分からなかったが、その目は潤んでいた。 それでも私を真っ直ぐ見つめてくる。
そして一言、例えることのできないほど哀切な声で、「あなたは変わっても良いよ。」
あなたは去っていった。その背中には何とも言えぬ哀感が漂っていた。
香るはずない花の匂いが鼻を掠めた気がした。その匂いは勿忘草だった。
___________________________________________________________________________
追伸
投稿めっちゃ遅くなってしまいごめんなさい。