あなたは造花のようだ。 昔も今も変わらず美しい。
私は生花のようだ。 昔は平凡、今は綺麗だけど、きっとこの先枯れてゆくのだろう。
私は言った。 「羨ましいなぁ。ずっと綺麗で。」
あなたは言った。 「私はあなたの方が羨ましい。」
私は言った。 「何で?」
枯れない花、最初から完成された花は美しい。
何で枯れてゆく私の方が羨ましいのだろうか。
あなたは言った。 「花って、一生懸命時間をかけて花を咲かす。でもすぐに枯れてしまう。 」
そう、だから造花の方が良いと私は思った。
あなたは続ける。 「だからこそ、その一瞬がとても美しい。一つ一つが本物になれる。」
あなたの顔に哀愁が漂い始める。「造花はずっと変わらない。変われない。所詮偽物だ。
生花には蝶が集まってくる。造花には集まらない。」
私は「それなら私も枯れないでいるよ。」
あなたの目が私の目を見る。俯いていて分からなかったが、その目は潤んでいた。 それでも私を真っ直ぐ見つめてくる。
そして一言、例えることのできないほど哀切な声で、「あなたは変わっても良いよ。」
あなたは去っていった。その背中には何とも言えぬ哀感が漂っていた。
香るはずない花の匂いが鼻を掠めた気がした。その匂いは勿忘草だった。
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追伸
投稿めっちゃ遅くなってしまいごめんなさい。






