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「優先順位」
夢注意
勝てる訳がなかった。私の知らない徹をあの子はし
ってて、徹が1番心を許してる相手でもある。
だから、今日もあの子ばっかりなんでしょ
「ごめん〇〇ちゃんっ!!今日も1人で帰れるかな?」
『…あ~ 、今日も△△さん?』
「まあね〜。じゃ先上がるねー!」
今日は珍しく3年生だけでの自主練だった。いつもは
夜遅いからって家まで送ってくれて寄り道とかもし
て楽しかった。でも今はあの子とそんなことしてる
んだよね。
△△さんは徹と一が小学生の頃に幼馴染らしくて
△△さんは私の性格とは正反対の思ってることを
ズバッと言えて甘え上手でいわゆるあざと女子って
感じでついつい守りたくなっちゃうような人
でも△△さんは小学校5年生の頃に転校しちゃったん
だって。私と徹達が出会ったのは中学校だった。
マネと主将で付き合うのはそう難しくはなかった。
でも今じゃそうはいかなかった。
「〇〇1人で帰れるのか?送るぞ。」
『へーきだよ、はじめありがとね。』
「..おう」
たかひろとまっちゃんにも挨拶をして私も体育館を
でた。
せっかくだから今日はちょっと寄り道をして帰るこ
とにした。
『おじさんラムネ頂戴っ』
「あいよ~夜遅いから気いつけよ〜」
私たちの高校の奥には星が綺麗に見える丘があって
夜、徹と散歩する時はいつもここでお喋りをしてた
『..!うわぁっ!? さいあく ~ …』
「うわっ!?!ちょ、〇〇ちゃんラムネ開けるのプロ
いね!?」
『でしょ笑』
いつもなら失敗しなかったのに。
これは何かのサインなのだろうか
「うわー先輩今の、めっっちゃダサい」
『….なんだ、にろくんか。』
「二口ですってば」
ふざけんなって笑いながら肘で押してくるのは
二口 堅治。伊達工の主将くんでお口が達者。
『なんでここら辺に?』
「いや、黄金川と走ってて」
『珍しいね、迷子?笑』
「迷子なのは黄金川でっ」
恥ずかしそうに言う姿が可愛く見えてきちゃう。
「..でなんかあったんすか?」
『んー、なんで?笑』
「いつにも増して顔があれだったんで」
『はいはい、ブスって言いたいのね』
「冗談っすよ〜笑
どーせおたくのキャプテンのことだろ?」
『…笑。実はね ー 』
「…うーわ、ぐろ。先輩ずっと耐えてたんすか」
『まあ、今はもう慣れたもんだよ』
その時のにろくんの顔はちょっと怖かった
何かにすごく怒ってたけど聞くのはやめた。
「なんかあったら、俺がまたここ来るんで」
『笑、いつかお願いしようかな』
「…じゃぁ、これ。」
照れくさそうにこちらにスマホを向けてきた。
その後は連絡を交換したあと駅まで送ってあげて
私も家に帰った。久しぶりに心から笑えたかもしれ
ない。もしかしたら私はいけないことをしてるかも
しれないけど、また徹ともこんな事ができるように
なりたいな
「来週の日曜は伊達工と練習試合だから各自で練習す
るのもいいが、怪我をしたら意味ないからなー」
監督のお話が終わって皆がコート整備をしはじめる
だから私もみんなのスポドリとビブスを洗いに行っ
た。
「〇〇ちゃん!今日は一緒に帰ってあげれるよ!」
『あ、うん笑 帰ろうねっ』
上から目線ないい方が気にいらなかったけど、
久しぶりに徹と帰れる嬉しさが勝っていた。
『ごめんね、ちょっと遅れちゃった。』
「別に〜」
そう言ってニヤニヤしながら打っていたスマホを閉
じて足早に歩き出した。
『ねぇ、徹ちょっとはやいかも..』
「あー、ごめんね〜」
前の徹だったら私の歩幅に合わせてくれるし
手も繋いでくれて他愛もない話をしてたはずなのに
『…ね、徹?』
「なに」
『再来週の花火大会..一緒にいかない?』
「別にいいよー」
ちょっと間があったけど何とか一緒に行くことはで
きそうだった。そのまま時間とか色々指定して
その日は終わった。その後も△△さんの事は続くけ
ど花火大会に行けば、何か進展するかもしれないと
考えるようにしている間に練習試合の日になった。
伊達工との試合が始まった
最初はこっちサーブで徹からだった。そんなとき
「徹っ!!頑張ってね〜!!勝てー!」
観客席の方から見覚えのある人がいる
△△さんで間違いはなかった。別に来たことに
怒ってはないけど、呼び捨てで呼んでるのもそれを
言われて浮かれてる徹も許せなかった。
『ナイッサー、』
「ちょっと、〇〇ちゃんもっと声張ってよ!!」
『はじめナイスキー!その調子っ!』
「ちょっと!」
わざと徹の応援をしないで他のメンバーの応援した
り監督と相談したりして自分を落ち着かせてた。
『1試合勝ったね。その調子』
「ありがと〇〇ー」
「珍しく応援サンキュー」
「やる気出たわ!」
まっちゃんやはじめ、みんなと作戦会議や雑談をし
ている時だった。
「ちょっときて」
『なに、どしたの。』
「どういうつもり?」
『どうって、せっかくの練習試合だし盛り上げない
とだし 「なんで彼氏の俺を応援してくれないの」 .. 』
『仕返しだよ。』
「はー?俺なんもしてないのになにそれ!」
『私より△△さん優先なのは?ここ数ヶ月ずっと』
とうとう言ってしまった。これ以上黙って見ている
こともできそうになかったから。
「前に話したでしょ?あいつは久しぶりでまだ慣れて
ない部分があるから俺が支えてやんないと」
『でも、呼び捨てで呼ばれてるのも、それに嬉しが
ってるのも私は許せないの。』
「..お前は所詮他人なの。でも△△はほぼ家族みたい
な仲なわけ俺らのこと大して知りもしないのにやめ
てよね、それに俺重い彼女とか無理だから」
彼のその言葉はどれも本音で本当のことだからこそ
心にすっごく刺さっていたい。
『…、そっか。私が悪いね笑』
「…うん、あと皆に応援とかもやめてね。彼氏いるく
せに色んな男に愛想振りまくとかありえな「徹!休憩
でしょー?こっちこっち!」 …もういくから」
あの子に呼ばれると少し微笑んであちらへ走ってい
った。
彼の後ろ姿が見えなくなってその場に座りこんでし
まった。これは私の行動から起きたことだから全部
私が悪いんだけど、最愛の人の言葉は1番響くもの
だって身に染みてわかった。
あの子に敵わないのは分かってて、でもどこかでは
私だけを想ってくれていると信じてた。
でもそれはだんだん薄れてきてあの子だけのものに
なっていた。
『みんな今日はおつかれさま、タオルとボトル各自
置いとくから終わったらビブスと一緒にカゴ入れと
いて!』
「〇〇はどこいくのー?」
『に..伊達工の主将と話行かなきゃなんだよね』
たかひろに聞かれて一瞬にろくんと呼びそうになる
のを誤魔化してその場を離れた。
その時も徹の姿はなかった。
「せんぱいー、」
『ん 、 なに?まだ話さないといけないことあるっ
け、「泣いただろ」 え?』
「跡ついてるしちょっと声かすれてる」
『余計なことまで気づかないでよ笑』
「…無理に笑うなよ」
『え?』
「おれ、先輩のこと好き
だからあんなゴミ野郎やめておれと付き合ってよ。」
珍しく落ち着きがなくて喋り方もおかしい
急に言われてすごくびっくりしてるけど、怖かった
どうせ遊びだろうしからかってるって
『..ごめんねにろくん、ゴミだけどやっぱ徹が好きな
んだ。』
「あんな事言われといて?」
『聞いてたのー?笑、、でもこれが最後の賭けだか
ら、』
ピコン
【花火大会2人だと気まづいから
△△も一緒に回ることにしたよ。】
そんな花火大会当日に言われてもって感じなんです
けど。ちょっと化粧を変えて浴衣も用意したのに。
でももしかしたらこれが最後になるかもしれないか
ら、最後くらい可愛い姿でいたいから。
『おまたせ、徹..△△さん』
「遅い!..って、浴衣!?」
『ぁー、うん…笑ごめんね、似合ってないかも笑』
「似合ってるよ。」
褒められるのはシンプルに嬉しいけど、やっぱりど
こか寂しい。
長く続いた沈黙を断ち切ったのはやっぱり
あの子だった。
「あ!徹!遅れちゃった!ごめんねー。」
「おま、浴衣めっちゃかわいいじゃん…/」
なにそれ。
私の時と表情も言葉も全く違う。
そう考える暇もなくて彼女は腕を組んで彼を引っ張
った。だから私は小走りでついて行くしかできなか
った。
「てかぁ、〇〇ちゃん歩くの遅すぎ!」
『あはは、すいません.. 』
そう言いながら彼女は静かに私の足を踏んでて
痛い。
「徹!金魚すくいある!はやく!」
「はいはい、転ばないでよ?」
あの子の前ではかっこつけちゃってすごください。
しかもさっき△△さんに踏まれてた足が腫れだして
とてもじゃないけど走れそうにない。
『..ぅ、あ..徹 っ !! 』
1度でいいから振り向いて欲しかった。向き合って
欲しかったのに。今更じゃもう遅いんだよ。
「えー?姉ちゃん1人?こんな可愛いのに彼氏はー?」
『いや、ぇーと..』
「ここにいたのかよ」
『にろく..』
ぶつくさいってナンパ達は帰ってった。
「…あいつは?」
『..もういいの』
「俺の気持ちわかっていってます?」
『もちろん。』
「、とりあえず..ん。」
『え?』
「足、赤くなってるからおぶる」
『いいよ、そんな(
『うぇっ !?ちょ、はなして!』
「うっさ、黙って手当てされてろ」
徹side
久しぶりにくる彼女とのデートのはずが、
先週にした喧嘩をずるずると引きずってて気まずく
思っていたら幼馴染が一緒に行きたいって言ってく
れたから、でも彼女を放って置く事もできないか
ら、考えた結果3人で行くことにした。
今考えれば、もっと〇〇のことを考えるべき
だった。
「〇〇ちゃん歩くの遅すぎ!」
確かに〇〇はいつも歩くのが他よりいつも遅れてた
だから、いつも速さを合わせて1人にさせないでいた
のに、最近は〇〇より△△を優先して〇〇とは必要
最低限しか話して無いことに気づいた。もしまだ間
に合うのならもう1度彼女の笑顔がみたいと思った
「 〇っ「徹!金魚すくいある!!」
俺はどうも△△には弱くて、妹ができたみたいで
ずっと甘やかしてきてまた彼女を置いて先に歩いて
しまった。
どうせいつもみたいに着いてくるだろうって
後ろ振り向けば一生懸命着いてくる彼女の姿がある
って情けないけど、安心してた俺がバカみたい
「〇〇ちゃんは金魚すくいやるー?」
「あれ、〇〇ちゃん…?」
心臓がいっきに痛くなる。はぐれてしまった。
電話をかけても繋がらないし、〇〇はめちゃくちゃ
可愛いから1人で居たらナンパされるにきまってる
下駄を履いてたし身動きが取れずらかったのかもし
れない。
彼氏失格だ。
好きな女の子1人守れなくて、別の女の子と楽しんで
「そのままやってて、おれ〇〇さがしてくるっ」
「徹まってよ!!!」
電話かける時に疑うほど下の方に載ってる
彼女の名前をみて、改めて自分が最低か認識する
喧嘩だって俺が悪いのに
「お前は所詮他人なの」
「おれ重い彼女とか無理」
「彼氏いるくせに他の男に愛想振りまくとかありえな
いから」
ふいに自分が彼女に言ってしまった言葉が浮かんで
くる。好きな人に言われるのがどれほど辛いのか
考えてもなかった。
なにをしてもいってもあいつは笑って許すから、
俺のそばから離れないって安心して、甘えて、
好き放題した結果がこれ。
人が多くてとてもじゃないけど見つけられる
きがしなかった。その時、何かを踏んだ。
間違いなく〇〇の下駄だった。
不安が一気に積もってきた。
涙で前が見えないほど泣いて、花火の音なんか聞こ
えないくらい夢中に走ってた。
その時だった。
『最後の賭けもだめだったなぁ、』
ふいに彼女の声が聞こえてきた。誰かと話してるみ
たいで、近くの木陰に隠れて聞くことにした。
「賭けって?」
『徹はあの子が好きみたいだから、あの時に1度でも
振り返ってくれなかったら諦めようって。』
「…は?」
思わず声が出た。まず俺が幼馴染を好きってなに。
諦めるって別れるってこと?
てか、おんぶされてるのもムカつくそんなこと考え
てたら気づいたら体が動いてて、
「ちょっと、うちの子返してよね」
「あらら?元彼とーじょー?笑」
「うざ、」
『….徹』
「…、あーぁ、もう少しだったのに」
『え..?にろくん?』
「先輩、次またゴミ野郎に泣かされたら、
俺と付き合いましょうね」
『そうだね、笑』
「ちょっと!?!」
「….、下駄、落としたよ。」
『、ありがと。』
「っては…?足どーしたの!!」
『…..、』
「いって」
「はぁ!?なんで言わないの!
って俺のせいだよね、」
「おれ、ずっと〇〇ちゃんに甘えてた。」
『…うん。』
「慣れって言うのかな、なんでも許してくれる
〇〇ちゃんに甘えて、まさかこうなると思ってなく
て」
『、だろうね』
「でも、△△はほんとに好きじゃないよ。
ただ妹みたいな存在が欲しくて、甘やかしてた。
だからこれからはもう絶対しないから、」
「もう一度、お付き合いしてくれませんか。」
『次やったら私、にろくんと結婚する』
「それだけはやだ!!!??!!」
『徹すき。』
「!?」
「俺は愛してるけどね」