敦「はぁ、はぁ、はぁ、」
太宰さんと会ってから数刻が経った頃。
僕は街を必死に走っていた。
敦『早く皆んなに伝えないと…!』
僕の頭の中は太宰さんで一杯だった。
走っている内に探偵社が見えて来た。
窓から光が漏れていた。
誰も居ないと思っていたが
未だ中には誰か居るらしい。
探偵社の扉を思いっ切り開けた。
バンッ
静かな社内に其の音が酷く響いた。
扉の先には
国木田さん
与謝野女医
乱歩さん
が居た。
皆んな目を見開いて僕を見ている。
国木田「如何したんだ」
国木田「帰ったのでは無かったのか?」
敦「太宰さんに会いましたッ」
国木田「何だと…!」
与謝野「何処に居たんだい?」
敦「探偵社寮の近くです!」
乱歩「…敦」
敦「はい?」
乱歩「急いで探した方がいい」
乱歩「必要な情報が有るなら言え」
乱歩「何でも応えてやる」
国木田『乱歩さんがここ迄言うとは…』
与謝野『…急いだ方が良さそうだね』
国木田「敦、太宰が居た場所迄案内しろ」
敦「はいッ!」
月が輝く夜
探偵社一同は太宰の捜索を行なっていた。
国木田「太宰ッ!」
敦「太宰さんッ!」
どんなに叫んでも
どんなに呼んでも
返事が返って来る事は無かった。
太宰「…..」
太宰『敦くんに会ってしまった』
太宰『会いたくない人に会ってしまった』
太宰『…又迷ってしまっていた』
太宰『もう諦めた筈なのに』
◯◯「_!」
太宰『今頃探偵社は慌てているだろうか』
◯◯「_い!」
太宰『敦くん、元気そうで良かったな』
◯◯「だ_い!」
太宰『皆んなに会いたい』
中也「太宰ッ!」
太宰「うわッ」
太宰「居たの」
中也「先刻から居ただろ」
中也「てか、呼んでんだから反応しろよ」
太宰「小さすぎて気づかなかった」
中也「いい加減にしやがれッ!」
中也「何か考え事か?」
太宰「…まぁね」
中也「あっそ」
中也「それより此れ、次の任務について書いてあるリストだ」
中也「よく読んでおけ」
太宰「りょ~かい」
太宰「作戦って私が考える?」
中也「あぁ」
太宰「わかった」
太宰「要が済んだなら早く出て行って」
中也「手前ぇ…イラッ」
中也「…はぁ」
ガチャン
太宰「…仕事はしないとな」
太宰「一回ポートマフィアの仕事をやってしまった方が区切りが付くかな…」
太宰「作戦考えなきゃね」
_数日後
森「太宰くん」
森「君もそろそろポートマフィアの仕事に慣れて来た処だろう?」
森「だから準幹部から幹部に入って欲しいんだ、如何かな?」
太宰「如何も何も森さんは私に幹部に入って欲しくてポートマフィアに誘ったのでしょう?」
太宰「幹部にならないって選択肢は無いでしょう?森さん」
森「相変わらず冷たいねぇ」
森「そうだよ」
森「私は君に又幹部として活躍して欲しいからポートマフィアに誘った」
森「出来れば幹部になって欲しいとも思っている」
森「無理にとは言わないけどね」
太宰「…..」
太宰「幹部になります」
森「君から其の言葉が聞けて嬉しいよ」
森「幹部昇格おめでとう、太宰くん」
太宰「…ありがとうございます」
中也「で、幹部に昇格した翌日に手前何やってんだよ…」
太宰「見ての通りだよ、ソファアに寝っ転がっている」
中也「寝っ転がるのは好きにしろって感じだが其の前に報告書出しやがれ…イラッ」
太宰「五月蝿いなぁ、書いただろう?」
中也「提出をしろって言ってんだよ」
太宰「嫌だよ」
太宰「自分の足から森さんの処へ行くなんて絶対に嫌だからね」
中也「餓鬼かッ!」
中也「…また処罰受けるぞ」
太宰「…..」
太宰「しょうがないなぁ、」
太宰「行けば良いんでしょ?」
ガチャン
中也『彼奴でも恐れる事はあるんだな』
敦「全然見つからない…」
あれから数日経ったが未だ太宰さんを見つけられて居なかった。
でも確実にポートマフィアが関わっているのは事実だ。
乱歩さんも急げと言って居たから相当なのだろうな…
早く会いたいけどあの出来事を首領に見られたから警戒されたかもしれない。
今の僕には必死に探し回る事しか出来ない
太宰のあの目、
目に光が宿っていなかった。
何時もの太宰さんでは無かった。
絶望した様な、
何処か助けを求めている様な目。
僕は見逃さなかった。
絶対に助ける。
どんなに時間が掛かっても。
絶対に助けてみせる。
僕は心の中で誓った。
この時の僕には想像も付かなかった。
_あんな結末になるなんて。
任務の毎日。
人を殺し、
拷問する、そんな毎日。
昔では当たり前だった毎日。
今では如何しようも無いくらい苦しい。
あの光を、
あの楽しさを知ってしまった私は
きっと【普通の人間】になれたのだろう。
でも今じゃ人殺しに逆戻り。
昔と同じ。
そんな絶望の毎日の中で唯一
光の存在が居た。
其れは中也。
毎日喧嘩してばかりで
周りからは呆れられているけれど、
私からしたら此の関係が
毎日の中の唯一の希望であった。
昔に戻ったみたいで楽しかった。
中也のお陰で今の私があると思っている。
…中也には言ってやらないけど。
でも罪悪感は消えたりしない。
決して消える事はない。
ある日、私は部下を使って探偵社、と言うより敦へ手紙を送った。
内容は
《敦くんへ
◯月◯日、月の光る夜私は待つ。
あの思い出の場所で。
太宰》
敦くんなら必ず来る。
そう確信している。
そして敦くんが此の手紙を見た時、
国木田達に伝えてくれると予測している。
私はある計画を決行しようとしていた。
森さんや中也、ポートマフィアには決して伝えて居ない秘密の計画。
私の予測通りに進んでくれる事を信じて
私は毎日を過ごして居た。
_◯月◯日
今日は物凄くワクワクしている。
だって皆んなと会えるのだから。
仕事も何時もよりスムーズに進んだ。
一日が早く感じる。
中也「何かあったか?」
太宰「何で?」
中也「今日は何か機嫌良かったからよ」
中也「其れとも此れから何かあるのか?」
太宰「何も無いよ」
太宰「昨日は沢山寝れたから機嫌が良いのかもね、わかんないけど」
中也「そうか」
太宰「もう仕事終わったから帰るね」
中也「もう終わったのか!?」
太宰「うん」
中也「あの量を!?」
太宰「うん」
中也「こんなに早く仕事が出来るなら日頃からやれよ…」
太宰「今日は機嫌が良いからねぇ」
中也「先刻は疑問系だったじゃねぇか」
太宰「別に良いでしょう?」
中也「別に良いけどよ、」
太宰「じゃあねぇ」
中也「あッ明日は遅刻すんじゃねぇぞ!」
太宰『さよなら、中也』
ある日突然、探偵社の目の前に手紙が置いてあった。
書いた人の名前は書いていなかった。
中身を見た瞬間、目が飛び出る程吃驚して
思わず探偵社の扉を思いっ切り開けてしまった。
バンッ
敦「国木田さんッ!」
国木田「何だ朝から」
敦「此れ見て下さいッ!」
国木田「見せてみろ」
其処には太宰が敦宛に書いた手紙があった
国木田「…行くしか無いな」
敦「はい…」
与謝野「如何したんだい?」
国木田「太宰から手紙が届きまして」
与謝野「ほぉ?」
乱歩「行った方が良いよ」
遠くの方で椅子に座りお菓子を食べている乱歩さんが僕達に向かって言った。
乱歩「チャンスは一度きりだ」
国木田「…分かりました」
国木田「敦、与謝野女医、◯月◯日の夜は此処に残って下さい」
敦「分かりました!」
与謝野「分かった」
敦『やっと太宰さんに会える!』
敦『絶対に助けるんだ!』
どうでしたか?
内容薄くてすみません💦
次回かわかりませんが
最終回が近づいています!
最後まで見てくれると嬉しいです!
次回は❤️1000で投稿します!
沢山の❤️とコメント待っています!
(図々しくてすみません💦)
またね!
コメント
28件
まじ雲☁さん天才だわ... 続き楽しみに待ってます!