テラーノベル
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その日から、こさめは変わった。
🦈「おはよ、すっちー」
毎日、一番に会いに行く。
少しでも時間が空けば独房へ向かう。
他の看守に「またか」と呆れられても気にしない。
だって、もう時間がない。
失いたくない。
やっと取り戻したのに。
🍵「……こさめくん、最近ちゃんと寝てる?」
すちが心配そうに尋ねる。
こさめは鉄格子の前に座り込んだまま、小さく首を振った。
🦈「寝たくない」
🍵「なんで」
🦈「寝たら時間進むから」
その返事に、すちは息を呑む。
こさめはぼんやり続けた。
🦈「朝来るたび、残り減るじゃん」
静かな声だった。
感情を押し殺したみたいな。
すちは眉を下げる。
🍵「……こさめくん」
🦈「やだ」
即答だった。
🦈「“しょうがない”とか言わないで」
こさめは鉄格子をぎゅっと握る。
🦈「こさめ、もう置いていかれるの嫌だ」
その瞬間。
すちの表情が凍った。
“もう”。
その言葉の意味を、すちは理解してしまう。
火事の日。
一度、自分はこの子を置いていった。
記憶を失うほど傷つけて。
それなのに、また。
🍵「……っ」
すちは苦しそうに顔を伏せた。
こさめはそんなすちを見つめる。
胸の奥が、ぐちゃぐちゃだった。
怖い。
苦しい。
でも、それ以上に。
🦈「……こさめ、最近ずっと考えてる」
ぽつりと呟く。
🦈「もし、すちがいなくなったらって」
すちは顔を上げられない。
🦈「そしたら、多分こさめ壊れる」
静かな独房に、その言葉が落ちる。
すちは息を止めた。
こさめは笑わなかった。
冗談でもない。
本気の声だった。
🦈「朝起きても意味ないし、ご飯もいらないし、誰とも話したくなくなると思う」
淡々としているのに、重い。
すちは震える声で言う。
🍵「……そんなこと言わないで」
🦈「なんで」
🍵「苦しいから」
こさめはゆっくり顔を上げる。
涙で滲んだ目。
🦈「こさめだって苦しいよ」
その一言で、すちの心臓が掴まれたみたいに痛んだ。
こさめは続ける。
🦈「すちは“死刑囚だから”って言うけど、こさめには関係ない」
🍵「……」
🦈「こさめにとっては、大事な人だもん」
真っ直ぐな声。
逃げ場のない言葉。
すちは自分の手を強く握る。
だめだ。
これ以上は。
この子を、自分に縛りつけちゃいけない。
なのに。
🍵「……俺も」
声が零れる。
こさめが目を見開く。
すちは泣きそうに笑った。
🍵「こさめくんいなくなったら、無理」
その瞬間。
こさめの瞳が揺れる。
すちは静かに続けた。
🍵「だから怖いんだよ」
鉄格子越しに、そっと手を伸ばす。
触れられない距離。
それでも、求めるみたいに。
🍵「こんなに誰かを欲しくなるなんて、思わなかった」
コメント
1件
わあ〜…第19話、読み終わったよ…!!!😭💔💔 こさめくんの「寝たら時間進むから」が本当に刺さりすぎてやばい、、、失うのが怖くて、一秒一秒を惜しむ気持ちがひしひし伝わってきてもう胸がぎゅーってなったよ🥺✨ すちも「こさめくんいなくなったら無理」って本音が出ちゃったの、すごくエモい…!!お互いに依存というか、それ以上に“大事な人”なんだなってひしひし伝わってきて、2人の関係が深まってるのが尊すぎるのよ…😭💕 次が気になりすぎて夜しか眠れないんだが!!?? 続き楽しみにしてるよ〜🌸📖