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「〜♪」
ウキウキといつもとは違うテンションで学校に向かっている。
しっかり登校時間に間に合うように家を出て、誰の声も届かないようにヘッドフォンをつけて。
学校について、ヘッドフォンを外してみてようやく気がついた。
みんなが俺の事を見て気味悪がってコソコソと話していること。
なんでこんな早くきてんの……?
え、あいついるんだけど。
今日早くない?何かあったのかな……喧嘩とか?
コソコソと聞こえないと思って話しているつもりなんだろうけど、バリバリに聞こえるからやめて欲しい。
まぁ、いつもの事か……と肩を落として教室へ入った。
「…あ!…………、、、。」
佐藤がいることを確認し、一瞬嬉しくなって声をかけそうになったがすぐに抑えた。
なぜなら、佐藤の周りにはたくさんのクラスメイトが集まっていたから。
あの中にいきなり俺が入っていったとして、どうなるだろうか。多分、一瞬にして場がシラケるだろうな。
自分の気持ちを必死に押さえ込み大人しく自分の席につく。
チラリと横を見てみると、こっちに気づいた佐藤が手を振ったのが見えた。
俺だけに…
特別…
そんなことを考えていると自然に頬が緩むものだ。
佐藤って友達多いんだな。
にしては、あんま楽しくなさそうだけど…
俺には楽しそうに笑うのに……
俺…には…
俺って佐藤にとって特別な存在になってるってことかな……
って何考えてんだ…俺!
佐藤が近くにいると変なことばかり考えてしまう。どうしたんだろう…俺ってやつは…
『光!』
ふいに俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
聞こえた方に目を向けると、佐藤がいる。
『光おはよっ!』
って、
それを言うためだけに俺のところ来たのか?
それって……
って、なわけない!なわけない!
俺が、勘違いしてるだけだ…
佐藤が話しかけてきてくれたので、失礼のないように、おはようございます…と丁寧に返事を返す。
それを見て、佐藤は笑っているみたいだ。
可愛い……
え?
俺って…もしかして、
佐藤のこと好きなの…?
今までの言動を思い返してみると、そういうことなのかと錯覚してしまう。
どうしよう。こんなこと、佐藤に知られたら、
嫌われる……!
さっきまで一方的に話しかけていた女子たちが俺の事を睨んでいるのが横目に見える。
な、なんだアイツら…
嫌な予感がする。
とりあえず……
(佐藤と話すときはできるだけ自然に接せるようにしよう。)
そう心に誓った。
『………。』
前の学校でのいじめが見てられなくて、この学校に転校してきたわけだが、
俺の隣の席の 小野 光 というやつがいじめられているように見える。
みんなにコソコソと悪口、陰口を言われているものだから、見た目のとおりにヤンキーで性格が良くないとかかと思って話しかけてみた訳だが……
少し陰キャラな優しい人だった。
見た目とは全然違う性格のギャップで風邪を引きそうになるくらい。
だか、気がついた。少しの違和感に。
顔は一見明るく見えるが、話し方が何かに怯えているように話すのだ。
俺はそのことに気がついてからというものすごく気になってしまった。
もっと…光のことが知りたい…光の
『表情が知りたい』
かわいい、かわいい
何かに怯えている顔が……とてもかわいい。
もっと見たい、知りたい…触りたい…
………犯したい……
『俺だけのものに…』
ハッ…
とっさに周りを見渡すと、授業中。
隣の光は気持ちよさそうに寝息を立てながら寝ているようだ。
一瞬…危なかった。
ときどき、俺の世界に入ってしまって制御出来なくなるときがある。
おかしいかもしれないが、俺は同性を好きになる。
さらに、苦しんでいる顔や泣いている顔が大好物だ。いわゆる、変態という属種に属している。
まだ、好きだと思える男子には出会ったことがない。
だから、油断していたんだ。
「……じゃあ、小野から…。はぁ、起きろー小野!小野光!
……すまん、佐藤、小野のこと起こしてくれないか。じゃあ、──から──────」
先生が俺に起こせと言ってきた。
光の寝顔を見れるから起こしたくないんだけどなぁ……
と思いながら、光の身体を揺すって起こす。
「んん……」
イライラしてそうな顔をする。
かわいい。
光は今まで出会ってきた人の中で1番良い表情をする。
俺は初めて人を好きになったみたいだ。
この学校に転校してきて良かったなぁ。
(光と話しているときは自然に接せるようにしなくちゃな…)
俺は、そう心に誓った。
(名前)佐藤凛
(立場)攻め
(紹介文)女性が好きでは無い。同性のことが好きになるいわゆるホモというやつで絶望した顔、苦しんでいる顔を見るのが好き。好きになった人に好きな顔をさせるための手段は選ばない。
前の学校では、女子生徒がいじめを受けていた。女子生徒に興味が湧かないから転校してきたらしい。が……
光のことが好き。
いつか俺のものにして、誰にもあの表情は見せたくない。いや……見せない。
to be continued…