💙「エッド!!」
慌ただしく駆け寄ると、大好きな彼の名前を呼ぶ。
💚「どうしたの、トム?そんなに慌てて」
するとトムはニィ、と悪人面でニヤついて、衝撃の一言を発した。
💙「別れよう、エッド」
💚「……は?」
💙「俺、正直もうエッドのこと好きじゃない。えっちのとき意地悪するし、俺のスーザン壊したし。何より、ベタベタくっついてきてキモチワルイ。」
あぁ、言ってしまった。つらい、苦しい。
💚「な…………んで、、」
そんなはずないだろって言いたくて、冗談やめろよって言いたくて、でも、言い出せなくて。本当にトムが俺のことを嫌いになったなら、もう俺から言えることなんてない。虚ろな目で見つめた時計が指す時刻は、午前11時59分。
どうしよう。これからトムにどう接したらいいんだ。
力が入らない膝をどうにか立たせて、それでも膝はぷるぷる子鹿みたいに震える。
カチン、という時計の針が動く音がやけに耳に張り付いた。
その瞬間のことだ。
💙「はーーー、緊張したぁ…………っ」
トムがなぜか泣いている。嫌いなんじゃないのかよ。
💙「悪かったな、、ごめん、エッド」
何がなんだか全くわからないでぽかんとしていると、下を向いて絶望している俺にぎゅうっと抱きついて背伸びすると、額と頬にやさしいキスをしてくれた。
グスッ、ズビッと鼻をすすって泣きながら優しくしてくれるトムの温もりが、この上なく安心した。
そういえば、今日は、エイプリルフールだっけ。
💚「ねぇ、トム」
💙「なんだ?エッド」
💚「俺、ようやく思い出したよ。」
💙「そうか、遅いんだよバカエッド」
💚「仕方ないだろ?急に言われたらわからないもの」
💙「悪かったな……もうしない」
💚「全くだよ……。俺はトムが大好きなんだからね?傷ついたし、今夜は沢山意地悪するから」
💙「きゃーエッドのえっちー!(裏声)」
💚「思ってないだろ?w」
💙「ふふ、バレたかw」
💚「そりゃそうだろwww」
きゃーっと裏声で悲鳴を上げるトムに、こちょこちょとくすぐってイタズラする。さっきのお返しだ!
💚「幸せだなー……」
💙「何?そんなに傷ついてた?」
💚「うっせーばーか」
💙「こわーいw」
いつまで続いてくれるかわからないこの幸せも、こんなくだらない掛け合いも、今は、とても途切れるとは思えなかった。あぁ愛する人よ。こんな笑い話が、永遠にできたらいいのに。
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