任務が終わり、三郎の元へ戻る。だが、そこに居たのは 瀕死状態の三郎だった。
僕には分かる、三郎はもう助からない状態まできていた。
三郎「雷蔵…君の顔で……死ぬなんて私は…幸せ者……だよ…。」
雷蔵「バカ言わないでよ。死んだら許さないからね。」
涙をこらえながら言った。僕自身も、三郎が助からないことは分かっていた。手当ても運ぶことも出来ない状況。僕は三郎に寄り添うことしかできない。
三郎「雷蔵……君の…手はとても……暖かいね……私とは…大違…いだ……。」
何も言わなかった。ただ、涙を流しながら見つめるだけだった。
三郎「…ごめん。君の顔…..返さないと…な……。」
そう言い残し、三郎は息を引き取った。僕は、冷たくなった三郎の手を握り続けた。
_やっと三郎から離れる。
雷蔵「僕とお前は二人で一つなんだ。お前が死ぬなんて許せない。”鉢屋三郎”はまだ生きている。」
_次の日もその次の日も、”鉢屋三郎”は委員会の仕事をし、”不破雷蔵”は真面目に授業を受ける。だが、2人がすれ違うことは無かった。
勘右衛門「もう…もういいんだよ。”雷蔵”」
彼は何を言っているのか理解ができなかった。雷蔵?私は三郎なのに。
三郎?「何を言っているんだ、勘右衛門。私は三ろ…」
勘右衛門「もういいんだっ!!現実を見てくれ!三郎は…三郎はもう…いないんだよ。」
嗚呼そうか。僕は、三郎が死んだのを認めたくなかっただけなんだ。僕が、僕が身勝手なせいで…最期まで迷惑をかけて……。
勘右衛門「……三郎から、お前にどうしても渡したい物があったらしいぞ。」
彼の手には、血が乾いた面が握られていた。その顔はまるで僕とそっくり。いや、同じと言っても過言ではないだろう。繊細な作りで、とても綺麗な面だった_。
コメント
2件
お前最高だな