テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
18件
やばい泣けた、、!四季先生みんなに打ち明けられたの良かった、、 タイトルの間に「自分に」っていうのが入るとは思わなかった〜( *´꒳`* )
泣きました😭
「……俺はどうしたいんだろうな」
開けた窓枠に腕を掛け、伸び上がる紫煙に肺を染めてゆっくりと吐き出した。
「なぁ…教えてくれよ…親父……」
突き放し、冷たく動くことで随分と黒く染まってしまった自分に嘲笑を浮かべながら、見える筈もない過去の幻影に弱々しく声を紡いだけれども、声色とは真反対に流れるべき涙が伝うことはなかった。
その背中に手も届かない。捨て子だった自身を拾い愛し育ててくれた慈愛に満ちた優しいあの男に四季は一生かかっても敵いそうもない。
____翌朝
腹は括った。全て明かそう。バインダーで己の視界を塞ぎ深く吸った息で荒れる内心を整えた。教室の前で数分間ずっと立ち止まっていた四季は気分を、己を入れ替えるためにも深く呼吸を吸い込んだ。
ガラッ
「席に付け、出席を取る」
教団の前に立ち名簿に目を合わせていてもも、生徒の射抜くような視線が全て自分に注がれているのが痛いほど分かる。
大丈夫、落ち着け。一ノ瀬四季…。
震えそうになる声と手。心拍が耳に響いて周囲にも聞こえているんじゃないかと、哀れにも錯覚しそうになる。
「無陀野」
「…あぁ」
「花魁坂」
「はーい…」
「淀川」
「チッ…」
「並木度」
「…はい」
「印南」
「はい!」
「猫咲」
「はい」
「…百鬼」
「あぁ!!」
思いの外ちゃんと出された声に安堵して、流れ作業のような早さで愛おしい生徒の名前を呼んだ。教師という立場上あまり生徒を下の名前で呼ぶのは避けておいた方が良い…
それに……
ぐるぐると回り始める思考を、パタリと閉じた名簿表の音で断ち切った。これ以上余計なことを考えていればボロが出てしまうかも知れない。なんて、覚悟を決めていた筈なのに思えてしまう自分に辟易した。
ゆっくりと顔をあげて、眼鏡と言う名の一枚の遮りもない裸眼でじっと生徒の目を藍色の瞳で見つめかえす。
「聞きたいことが、あるんだろう?」
「…言え。」
血が通っているのかと疑うほどに酷く冷たい掌を温めるかのように自分でギュウと握りしめた。
それこそまるで慰めるかのように…。
「…じゃあ、お前は何もんだ一ノ瀬四季」
「再び聞こうか…何故俺らを避ける」
「何を考えてるんですか…」
来るだろうと思っていた言葉に、四季は身を少し強張らせ、生徒たちの問う瞳に不安と疑心が籠っているのを感じた。
「教えてください!!!」
「じゃなきゃ…この写真…」
スッと並木度が持ち上げたスマホには屏風ヶ浦から貰った四季のいろんな写真が入っている。流石にそれを交渉材料にしてくると思ってもみなかった四季はギョッと目を見開きそうになりながらも、小さく咳払いだけをした。
「わ、わかった……わかった言うからソレは閉まってくれ…」
「俺が、お前らに厳しく当たるのは…」
じっと静かに四季の答えを待ちながら見つめる目に四季は、短く息を吸った。こうも自分は弱かったのかと無理矢理にでも自覚される
ダメだ…あれは言っちゃ…
ここまで追い詰められたというのに未だ四季の内心は、言いたい本音を隠せと警報が鳴り響き建前を口に出した。
「鬼の血、血蝕解放を使いこなすには体術だけじゃなくて精神も必要になってくるからだ」
「せいぜい、学生同士傷の舐め合いでもしてろ…」
「で…本音は…?」
「…へ?」
並木度の柔和な声に間抜けな声を出してしまった、何故そんなことを言われるのか。ボロが出たのか…いやそんなことない筈だろ、いつも出さないようって…独りにならないようにって…思ってたのに。なんで見抜かれてる…
「四季先生…もう一回聞きますね…」
「何故、俺らを見ようとしない?」
逃げ道がとうに無い。なんで全部知ってるんだろうか…
親父…言っても良いんだろうか…
『腹括ったんだろ?四季』
しわがれたあの声に、ふと涙が出そうになった。
全て言おう…。ちゃんと全部言葉にできるかわかんないけど……
一度瞼を固く閉じ、赤く染めてから生徒をじっと見つめて口を開いた。
「……鬼神の濃い遺伝子を受け継いだものが鬼神になると以前説明しただろ」
「?はい…」
「知ってるだろうが、俺は鬼神の1人」
「炎を司る炎鬼だ」
生徒達は練磨に行った時に皇后崎か遊摺部経路で俺が鬼神なことを知っているだろうし、実際目の前で力も使ったこともある…
「それがなんか関係してるんすか?」
朽森は面倒と言いたげな顔のしつつもその瞳には疑問と真意を探ろうと、揺らぐことはなかった。
「関係大有りだ…」
「鬼神の子は、総じて属性に合った能力を持つ」
「俺の場合は炎鬼…炎だな…」
髪が逆立つように揺らいで赤く染まっていく。指先から小さく炎を出し、証拠を提示後己が手で握り潰すようにその眩い光をギュッと掻き消した。
「そして鬼神の子は全員…回復力が迅速だ…」
「足の一本や二本ぐらい無くなろうと、数週間程あれば治るだろう…」
「…あの、一ノ瀬先生…」
「なんだ、花魁坂」
「鬼神って…その……」
言いたいけれども言えない。口をモゴモゴとして複雑な顔をしている花魁坂の優しさに小さく失笑してしまう。
「短命…だろ?」
四季が緩く微笑みながら、そう言えば花魁坂はハッと酷く傷ついた顔をして俯き僅かに頷いた。
『短命』
そんなこと一度も聞いたことがなかった。尋常じゃない能力を持ってる『チート』と同じような物なのになんで…そう思ったことを顔から読み取られたのだろうか…?
「チートって思うだろ?俺も思ってた…」
「けどこの力はそんな良いもんじゃねぇ…」
「無陀野、血を多く使えばどうなる」
「……貧血…」
急に指名されたことに驚きながらも、無陀野は質問の意図が汲み取れず脳内で疑問符を浮かべながら答える。
「そうだ…どんな物にも代償はつく」
「大きい力には大きい代償を…それがここ世界の理だ」
「鬼神の子は、チートのような能力をもらう代わりに、その力を使えば使うほど命を削る」
「だから短命だ…」
今度は言い切る前に、悲しげに頭を下げた花魁坂に音も立てずに近付いてその鮮やかな頭髪に手を添えた。
ワックスで少し整えられた髪に指を滑り込ませてゆっくり撫でる。
四季の手はさっきまで、火を出していたと思えないほどに冷えていた。その体温で嫌なことを悟ってしまった花魁坂は両目から大粒の涙を溢して机に水滴を落とした。
「泣くな…大丈夫だから……」
「まぁ…要するに言いたいことは…」
「俺はもう長くはない」
「傷の治りも遅くなってきている」
ってことだ。と言われて漸く気がついた。鬼神の子だというのに先生が回復に時間がかかっていたことに。足が折れていた時も、鉄パイプで殴打されて頭が割れていた時も。
裂けた耳と口元の傷も…
全て治そうと思えば治せるモノの筈なのに。
なぜ治さなかったのか…
何故治せなかったのか…
「俺がお前らに厳しくするのは…」
「俺の寿命が」
_____もう長くないからだ。
その言葉に静まり返った教室。秒針の音と遠くで聞こえる鳥の囀りがただただ滲んでいった。
ほら、と言って自ら切った指先の小さな傷から血が滴る。一滴、二滴…。血蝕解放を使う時は血を流し続ける為にその傷が塞がることはないが先生の血は銃の形を成さない。
血蝕解放をしていない。
薄皮と僅かな肉切ったのはそれだけな筈なのに、指には未だ傷が残っている。約20秒の後に傷は消えた。
鬼神は回復能力が高い事でも有名ですがな筈なのに…。
「俺はどうせもうすぐ死ぬ」
「言わば亡霊に近い…」
「そんな俺がお前らの記憶に残っていても…ただ邪魔なだけだろ?」
そう言って四季は歪なほどに優しく、今にも泣き出しそうな笑みを浮かべた…
「こんな話、重いし聞かせたくはなかったんだけどな…」
「お前らには、強くなってほしい」
「能力体術だけじゃない…精神も含めてだ…」
「この世界にいる以上、理不尽も孤独も絶対に付き纏う」
「そんな時に独りじゃないと思える仲間を作ってほしい…例えそれが、俺を嫌うことで成り立つ関係であろうと」
「俺を憎んでくれて構わない…相応のことをしているしな…」
「俺はいくら嫌われても良いから…後で後悔しない道を進んでほしい…」
俺が思ってるのはそれだけだ。と四季は下げた眉で小さく笑った。
「だから、厳しくしていた…」
「ごめんな…もっと適任が居ただろうに…俺なんかが教師になっちゃって」
「俺のことは忘れて、お前らは「おい、一ノ瀬ぇッ!!!!」」
滲む涙すらも無視して笑おうとした四季の言葉を遮って淀川はじっと見つめかえした。
「俺はテメェは嫌いだ」
「……だろうな」
ヘラ…と笑う四季に淀川は再度舌打ちをして、花魁坂の頭を未だ撫でている四季の近付いた。
「なんでテメェは俺らを庇った」
真澄には不思議でしかない。自分を何故守ったのか…だからどうしても聞きたかった
「お前らが、大切だから」
眼鏡も前髪という名の壁もない四季の顔は、愛おしいという言葉を全面に出して即答した。
「俺は…平和な世界でお前達が笑っている未来が存在すれば…それだけで良いんだ」
「これで…俺の一ノ瀬四季の話はおしまい…」
そう言った途端に四季に思い切り花魁坂が抱きついて来た。涙をずっと溢しながら。
「ごめ…なさい…酷い先生って言って!!」
「良いよ俺がそう思わせただけだから、花魁坂は何も悪くねぇよ」
「一ノ瀬先生…なんで…もっと早く言ってくれなかったんですか…」
「並木度……言ってもそんな意味ないからな…」
「我々を思っていた気持ちに気付かず申し訳ない…」
「印南も…大丈夫だから…」
「言えよ…俺らはそんな頼りねぇか?」
「朽森達が不甲斐ないわけじゃねぇ…言えなかったのは俺の弱さのせいだ…」
「もう、俺らの為に無理すんじゃねぇぞ!!」
「俺は百鬼達の教師だ…それは聞けないお願いだな……」
「なんで…なんであの時炎鬼の力を使った」
「んなもん、無陀野たちを守る為に決まってんだろ?」
「……チッ…自分のことを考えれねぇ未熟な奴は出しゃばんな」
「俺は、淀川達が平和ならそれで良いんだって…」
囲う生徒達の頭を撫でて、幼さが残る頬に触れる。四季の手はまるで血が通っていないかのように酷く冷たかった。
あぁ…どうしてこうなるまで言ってくれなかったんだ…本当に、どうしてそんなにも自分を蔑ろにできるんだ!!
あぁ、ほんとあいつは…
『一ノ瀬先生は(自分に)優しくない!!!』
一応完結になります!!!
すみません、なんかよくわかんない終わり方になってしまって…
最近全然浮上してなくてすみません…時間がなかった物で((((((殴 言い訳乙
一念三千(いちじつさんしゅう)
相手を恋しく思い、1日で3回も秋が訪れたのかと錯覚するほど待ち遠しい
って意味です本来は…
今回は生徒達を愛おしくて愛しく思っているって感じに解釈してください!!
あと余談ですけれども、四季先生の瞳の色が赤ではなく藍色だった理由は、鬼神の血が弱くなり常時でも瞳が赤くなることが出来なくなったと言う事です。
色々、複線らしいものも貼っていたので、暇がある時はもう一度読み直していただくとより楽しんでもらえると思います…
これまた余談ですけれど、四季先生は無陀野さんと「今からここは倫理です」という作品に出てくる高柳先生を足して2で割ったような性格をしています…
番外編として一ノ瀬先生にしてほしいこととかあったらコメントいただけると嬉しいです!!
現状考えているのは
・酔姦 (じんしきver)
・女体化 (ロリ巨乳)
の2つですね…
猫耳を生やすとか、桃と絡ませてくれ!とか四季先生と誰々で🔞書いてなどなど…
ここまで見ていただき誠にありがとうございました!!!
皆さんのおかげで完結できました!!本当に、こんな主のくだらない妄想にお付き合いいた方には本当にお礼しかないです…
ありがとうございました!!