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第17話 重い空気
早朝。濃霧に包まれた”影ノ原”に、部隊ごとの輸送車が次々と降り立つ。
「空気が重いな……」
林が銃を構えながら辺りを見渡す。
「あんたが目的地に着く前からそんなごっつい銃持ってるからでしょ!
みんな引いてるわよ。」
「あ、そっか。」
いつもの林と西円寺の言い合いが始まった、が今日はすぐに終わった。
西円寺は目の色を変えてこういった。
「まあ、何かが..ひそんでる」
西円寺がつぶやいたその瞬間、辺りの霧がスッと風に散った。
そこには、灰色の仮面をかぶった悪魔たちの集団が、静かに立ち並んでいた。
「…..ツ、来るぞ!」
林の合図と同時に、銃声が響いた。悪魔の額を正確に貫く一発一ーだが、倒れない。
「再生能力が異常に高い!一発じゃ落ちないわ!」
西円寺が叫びながら分析を始める。
「じゃあ、削りきるだけだ!」
第一部隊と第二部隊が輸送車を降りて攻撃しやすいような体制を作った。
「西円寺!解析結果は!?」
林が聞く。
「頭部を破壊すれば、再生しない!!狙うのは”仮面の奥”よ!」
その一言で戦況が一気に動く。だが、戦況は厳しかった。
再生する悪魔、異形の腕、そして地中から湧き出す新たな敵たち。
西円寺がくれたアドバイスも、何度か成功したが無数に悪魔は湧き出てくる。
「何でだよ…⁉︎
一向に悪魔が減らない…!」
日向も我慢の限界が来ていた。
このままだと、体力を削られるだけ。その時だった。
ぶわああああああああああ。
佳代の炎の力で悪魔が燃えて消えた。
「再生しない…!
攻撃が効いたんだ!
佳代,その調子でどんどんやって!」
「はい!柑奈さん!」
こうしてどんどん敵を倒して優勢になった。
数分後。悪魔は現れなくなった。
「終わった…のか!?
にしては早すぎじゃ…?」
そのときだった。
「…..おかえり」
どこからともなく、声が響いた。
女の声。
「いまの…..誰?」
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