テラーノベル
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深夜の第3屋外訓練場。
月明かりの下、僕は悠佑さんの胸の中で意識を取り戻した。
首の後ろを焼くような熱は消え、
代わりに鈍い痛みと、これまでにない「体の軽さ」を感じる。
水.彡「……あ、……悠佑、さん……?」
黄.彡「おう、気がついたか。……無茶しやがって」
悠佑さんは、自分の腕から流れる血を気にする様子もなく、
僕を地面に座らせた。
僕は恐る恐る自分の手を見つめる。
指先が、自分の意志で動く。
脳を支配していたあの冷徹な「強制プログラム」の感覚が、嘘のように消えていた。
水.彡「……僕、悠佑さんを、殺そうと……。……ごめんなさい、ごめんなさい……っ」
黄.彡「謝るな。お前のせいじゃないのは分かっとる。…あの首の後ろの機械、俺がちょっと『お仕置き』してやったからな」
悠佑さんは、僕の首筋にある小さな傷跡を指差した。
完全破壊はされていない。
だが、中枢回路を衝撃で歪ませたことで、肉体を強制操作する機能だけを麻痺させたのだ。
遠くから、騒ぎを聞きつけたいふくんたちの足音が近づいてくる。
水.彡「……悠佑さん、どうして……。僕を突き出せば、あなたは手柄になるのに、。」
黄.彡 「手柄? そんなもん興味ないわ。…俺はな、お前が泣きながら戦っとるのを見て、放っておけなかっただけや。」
悠佑さんは、僕の肩をがっしりと掴んだ。
黄.彡「いいか。このことは俺とお前だけの秘密だ。まろにも、ないこにも、誰にも言うな。…お前を操っとる連中には、俺が上手く誤魔化してやる。」
そこへ、いふくん、初兎さん、りうらさんが息を切らして駆け込んできた。
青.彡「アニキ! 大丈夫か!? 今の音……って、ほとけ!? 何があったんや!」
黄.彡「……あぁ、悪い悪い。ほとけの特訓に付き合っとったら、こいつ、気合入りすぎて倒れよったわ。俺もちょっと、やりすぎたかな。」
悠佑さんは、自分の傷を隠しながらガハハと笑った。
いふくんは「……自分、ほんまに無茶すんなや!」と僕に駆け寄り、初兎さんとりうらさんは、
疑わしげな視線を悠佑さんに向けたが、それ以上は何も言わなかった。
深夜。寮の自室で、僕はベッドに座り、窓の外を眺めていた。
いふくんは隣で「……ったく、アニキもほとけも、どっちもアホや」と毒づきながら、既に眠りについている。
そこへ、ドアが静かに開き、悠佑さんが顔を出した。
黄.彡「……ほとけ、起きてるか?」
水.彡「あ……はい、悠佑さん。……あの、本当にありがとうございました、」
深々と頭を下げると、悠佑さんは少し困ったように眉を下げ、隣に腰掛けた。
黄.彡「……なぁ、ほとけ。一つ、お願いがあるんやけど。」
水.彡 「はい、何でしょうか。僕にできることなら何でも……」
黄.彡「その『悠佑さん』っていうの、もうやめてくれへんか?」
僕は驚いて顔を上げた。
水.彡「えっ…? でも、悠佑さんは先輩ですし、僕みたいな者が呼び捨てにするなんて…。」
黄.彡「呼び捨てじゃなくてええよ。…でもな、俺とお前はもう『共犯者』やろ? そんな他人行儀な呼び方されると、なんか寂しいねん。」
悠佑さんは、僕の頭を大きな手でわしゃわしゃとかき回した。
黄.彡「まろみたいに『アニキ』でもええし、もっと別のあだ名でもええ。…とにかく、『さん』付けは禁止や。ええな?」
僕は、胸の奥がじわりと熱くなるのを感じた。
スパイとして、誰とも心を通わせてはいけないと教えられてきた。
けれど、目の前のこの人は、自分の正体を知った上で、さらに踏み込もうとしてくれている。
水.彡「……じゃあ、……あ、……アニキ……?」
消え入りそうな声で呼ぶと、悠佑さんは満面の笑みを浮かべた。
黄.彡「おう! それでええ。これから大変やろうけど、俺がついてる。…おやすみ、ほとけ。」
悠佑さんが部屋を出ていった後、自分の首の後ろに触れた。
視界の端には、まだ『ターゲット:ifを監視せよ』というオレンジ色の文字が点滅している。
けれど、もう怖くはなかった。 自分には、本当の名前を呼んでくれる「アニキ」がいるのだから。
水.彡「……おやすみ、…アニキ、。」
僕は、初めて安らかな眠りへと落ちていった。
ほっとけーき会になりましたね。
書いてる自分にご褒美です…✨️
ていうか沢山のはーとまじ感謝です…😭😭✨️
これからも頑張ります…😭
コメント
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天才やね✨ やっぱ好き🫶