コメント
1件
溺愛度が増して来てるね(〃>艸<) 超過保護だしw 吉良ティンだんだんとキャラ変して来てるよ〜
「…え、出張?」
明日の朝イチで向かうことを約束して、俺は一旦マンションに帰った。
「うん。2日間なんだけど、モネに予定なかったら一緒に連れて行こうと思って」
「ひゃ…」
変な声を出すあたり、都合は良くないみたいだ。
「明日の夜は、入社予定の会社の懇親会で…」
「懇親会…」
なんということだ…俺が留守の間に懇親会とは。
俺も入社前に行ったが、あんなものは合コンと大差ない。
女子全員に連絡先を聞かれて、プレゼンのようなアピールをされ、ハッキリ2人で会いたいという人までいた。
プライベートを明かすのは嫌だったが、仕方なくモネの話をした覚えがある。
まだ大学生の可愛い彼女がいるって…。
「ごめん…ね?」
今もまだ可愛い大学生の彼女…あの頃よりさらに愛しさを募らせた今、そんなものに行かせたくはないが。
「帰ったら、連絡して。それから…」
俺の提案に、さすがのモネも驚いた顔になった。
…………
「お邪魔します…!」
「…ちは!じゃなくてこんばんは〜」
錦之助と憂。
そして念のため、今回はもう1人呼んでいる。
「…ごめんねモネちゃん。驚いてるんじゃない?」
言いながら一番先に座るのは鬼龍だ。しかも俺とモネの間に。
「…ちょい離れろ」
ボソッと呟く俺に冷やかす笑顔を向けて、鬼龍はソファに座る俺の隣にピッタリ寄り添ってきた。
気色悪い…
「皆さん、錦之助まで…どうしたんですか?」
「ん…俺たちはねぇ、モネちゃん守り隊だよ?」
「…守り隊…?」
憂の説明にはてな?顔のモネ。
「俺はいつもの、先輩風をビュービューに吹かせられた結果、来た」
錦之助の説明には納得した表情を向け、そのまま説明を求めるように視線が俺に移動した。
で…ちょっとテレくさい話を余儀なくされる。
「聖也くんと2人きりでここにモネを置いとけないから。…懇親会があるんじゃ、霧子ちゃんのところにも行けないだろうし、聖也くんにどこかに泊まってもらっても…不意に帰ってくる可能性もあるだろ。…だから」
「そういうこと!心配性の吉良が、念には念を入れて、俺たち3人をよこしたわけ!」
笑っちゃうよね…と首をかしげる鬼龍。
「つまり、吉良が2泊3日の出張の間、錦之助と皆さんがここに寝泊まりすると?」
「いや、リビングでは寝ないよ。基本的に聖也くんが使ってる部屋で彼を見張るために一緒にいるから」
「そ、そんな…吉良…」
聖也の使ってる部屋は8畳ほどで、大の男が4人で過ごすには狭いだろう。
でもそんなの作戦のうちだ。
「ご飯とか風呂とかも気にしないで!交代で外に食べに行くからさ!」
憂が笑顔で言うと、早速ゾロゾロ聖也の部屋に入っていく。
「えぇ…っ誰ですかぁ?」
驚く聖也の声が聞こえて、腰を浮かしかけたモネの手を引いた。
「頼むから、この状態で2日間を過ごして」
「うん…でも」
モネは聖也のもうひとつの顔を知らない。だから戸惑うのはわかるが…
「あいつらは俺が信用する数少ない男たちだ。それも数人呼んだのは、お互いを牽制するためで…」
自分でも短い時間でよくここまで考えたと思う。
「わかった。なるべく…早く帰ってきて」
俺の必死さが伝わったように、モネが可愛いことを言う。
決めてる。
俺は今夜、モネとイチャイチャするんだ。
「じゃ、行こうか」
「え?これから?…どこへ?」
「明日朝イチで出かけなきゃならないから…今日はホテルに泊まる」
手早く出張の準備をして、俺はモネの手を引いて家を出た。
がっつかないように、紳士的に…
シティホテルの部屋に入って、俺は何度かそんなふうに自分を牽制した。
ふんわりとしたベッドには白いベッドカバーがかかっていて、清潔感にあふれている。
余裕のある間取り…ソファも柔らかそうで、ビジネスホテルにはない優しい雰囲気がいい。
「なんか…ロマンチックだね」
「そう…だな」
モネと過ごすホテルはどこだっていいわけじゃない。
これでも厳選しているんだ。
まぁたまにはあからさまなラブホテルもいいか。
…恥ずかしがるモネを見たい。
窓辺に寄るモネの背後について、後ろからそっと抱きしめた。
がっつくな…紳士的に…。
片手はウエストに絡ませ、片手で手を取る。手の甲から指を絡ませると、細くて小さくて柔らかい手は、俺の手の中に簡単におさまる。
親指で…手首のあたりまで撫でさすると、それだけなのに熱が集まってきた。
モネの手首は細い。
首筋も…
髪をかき分けて、白い首にキスを落とすと、ハッキリわかるほどモネの体が跳ねた。
「2日も会えないなんて…やだ」
そんなこと言うつもりはなかった。本音は時に、意図しないところで披露されてしまうと知る。
カッコ悪い言い方…聖也をガキ扱いしたけど、俺だってモネの前では、いつだってガキなのかもしれない。
一緒に暮らし始めて…今まで知らなかったお互いの家族や生い立ちを打ち明けて、少しずつ本当の俺が晒されようとしてる。
ありったけの冷静とクールをかき集めて、モネの好きな「綾瀬吉良」を作ってきたが…
本当は、余裕なんて…ない。
「私だって…やだ」
キスが耳元に届く頃、こちらに顔を向けるモネ。
耳元のキスは頬に移り…やがて後ろ向きのモネをこちらに向かせて、紅く染まっているであろう柔らかな頬を両手でとらえた。
「愛してる…」
たったひとことで…俺の気持ちが通じるわけない。
「私の方が愛してるもん…ずっとずっと…吉良のことが好きだったもん」
キスはモネから…
可愛い言い方にときめいているうちに、柔らかい唇が押し当てられた。
こんなの…
がっつくなって方が無理…!
キスに応えながら、少しずつ俺のペースにすると、息が上がるモネ。
俺は抱きしめる腕に力を込め、そのまま抱き上げて、ベッドにふわり落とした。
そのまま組み敷いて、集まった熱を同じように熱くなっているであろう場所に擦り付ける…
お風呂…とかシャワー…とか聞こえた気がするが、脳みそが煮えたぎる俺に、そんな小さな声は一瞬で消されるって…まだわからない?
柔らかい唇にも熱が宿る。
移しあって燃える俺の手に触れられて、モネの細い声が上がった。