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ゲーム画面では、6人組歌い手ユニットが美少年イラストのアバターを用いて、歌い踊る。

桜祐こと畠山正警部補と千代田春こと村上遥警部補はスマホを横向きにして、ゲームに熱中する。

「地下拠点だと暇つぶしがゲームになりますね」

「そうだね」

そこへ貝戸強こと大河内和夫巡査部長がやってきた。

「おやおや、任務用のスマホでゲームですかい?」

「いいじゃん、面白いよ」と春は言う。

──ん? すたぷり?

別班の三等陸佐にして公安の巡査部長、すなわち自衛隊と警察の二重スパイ、貝戸強は回想する……


……それは、特捜専対がまだマル自と呼ばれていた頃のエピソード。

「私は推しの配信観るの」

村上遥はすたぷりのゲームの画面を見せて言った。

それは自衛隊とこそこそ連絡を取る大河内を偵察するためのカムフラージュのオタ活であったが、ともかく、彼女が夢中になっている隙に、大河内はすたぷりというものをスマホで検索する。

「(すたぷりのゲーム、チャット機能があるのか、別班の秘密の連絡に使えるな。一佐に提案しよう)」


「貝戸さん?」

「あ、俺も持ってますよ、すたぷり」

「えっ!?」

「交換しましょうぜ」

「驚いたな、貝戸さんが知っているとは」


* *


怪しい服装の男たちが特捜専対新宿地下拠点の地表部分、すなわち繁華街に足を運び、何やら挙動不審な様子。

そのことを赤坂正樹理事官から報告を受けた警察庁警備局長稲田大成警視監は、してやられたと唸った。

「職務質問などを掛けて邪魔できないか!?」

「余計に特捜専対のアジトの場所がここであろうと怪しまれるでしょう」

「(やはり警察庁長官はA27号、、、いや、特捜専対そのものに裏切り者が所属している、やはり乃木か貝戸か)」

そして稲田警備局長は、特捜専対の新宿アジトからの引き揚げを命じた。

……一方その頃、特捜専対では、君塚警部が千代田警部補に、システムに何者が侵入したのか探させていた。

「千代田君、どうだ?」

「今、誰がアクセスしているか調べております」

千代田春はいきなり立ち上がった!

「今まさに私の新しい名前が検索されております!」

「どこからだ!」

「市ヶ谷防衛省、指揮通信システム部別室からです!」

貝戸巡査部長こと大河内三等陸佐はその通路を歩き、太陽の光を浴び、表情を引き締める。

「これが俺の任務だ」


* *


「そろそろ風呂ですね」

何くわぬ顔で特捜専対アジトに戻ってきた貝戸が卓でパソコンを叩く。

「桜さん……」

「え?」

「私の部屋に来て」

「ええ、わかってますよ」

千代田春の可愛らしい誘惑に、桜祐はにっこりと笑い、それを受け入れる。

突然ちちくり合う男女に貝戸はあっけにとられた。

千代田の部屋に入るふたり。

春は祐に抱きついた。

「おっと」

「耳、近づけて」

「こうですか?」

「防衛省に特捜専対の情報が漏れているの」

「貝戸巡査部長が怪しいですね。元自衛官だし」

「私もそう思うの!」

桜祐は細くて長い形のいい指で千代田春の髪をすく。

「千代田先輩、これからも情報共有しましょう」

「春って呼んでよ……」

「じゃあ僕も、祐と」





クーデター:警視庁公安部自衛隊監視班

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