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第4話
僕、平安時代にタイムスリップしてる!?
明治時代の次は平安時代!?
どうやって戻れば…
そんな思いを張り巡らせていた時。
「せいめい!」
聞き馴染みのある声が聞こえた。
「あっ蘆屋殿〜!」
すぐに朱雀さんが反応する。
「学園長…?」
いや、今は道満さんと呼ぶべきなのか…
学園長が本当に1000年前に居ることに、
少し複雑な感情が芽生えた。
「学園長?なに言ってんだよ」
「今日の晴明くんおかしいよね…僕のこともさん付けで呼ぶし 。」
現代と変わらず2人は仲良く(?)話している。
それにしても、僕は今どういう状況なのだろうか…
「せいめいくん行くよー!」
ぼーっとしていたら、いつの間にか2人は走り出していた。
「どこ行くの!?待ってよー!」
走っていたらいつの間にか大きなお屋敷に
ついた。
「せいめいくん急に消えたかと思ったら
そこの森で倒れてたんだよ?」
「えっ!?」
うーん…状況が呑み込めない…。
なんで僕は平安時代に居るのか、
「まぁ、無事ならよかった。 」
晴明公は本当に2人から慕ってもらっていたんだろう。
僕を見る眼差しでそう感じた。
「じゃあこんな時間だし俺は帰るわ。」
時計を見ると、すでに22時を回っていた。
道満さんは、自分の屋敷がある方へ戻って行った。
「ばいばい蘆屋殿〜!」
「……さてと。晴明くん。」
少し、ドキッとした。
前までの僕や道満さんを見る目と違ったからだ。
鋭い目つきで僕を注意深く見てくる。
「…どうしたんですか?」
「…君。セイメイくんじゃないでしょ。」
……何故気づいたのだろうか。
背格好は変わらないはずだし、特に何も…
「なんで…分かるんですか?」
朱雀さんの表情がフッと緩み、
柔らかみのある声が返ってきた。
「なんでって…色々違うから?」
「それはそうと君、なんで晴明くんの
魂と入れ替わってんの?」
入れ替わり?
僕と晴明公の魂が入れ替わっている?
そこはよく分からないが、
朝倒れて気づいたらここに居たこと、 自分は未来から来たこと。全て話した。
この人だったらどうにかしてくれると思ったのかもしれない。
「ふーん…。」
こ、この人…人の話を全く聞いてない…
というか、聞く気ない!
「つまりその百鬼学園って所に
帰りたいんでしょ?」
「そうなんです!どうしたら戻れるか… 」
「戻してあげようか?」
「えっそんな事できるんですか……」
ふいに、視界が歪んだ。今朝と同じだ。
あれ…帰れる…のかな…
今思ったが、何故魂のことなど分かるのか、 元神様なのは本当なのか、
隊長さんって何者なんだろう、。
°・*:.。.☆
「ふーん。百鬼学園って言うんだ。
未来のセイメイ君見るの、楽しみだなぁ!」
°・*:.。.☆
時は20時。
机に向かう1人の男。ただ仕事をしているだけのように見えたが、その雰囲気はどんよりと重暗かった。
「……蘭丸さん」
バサッと鳥の羽音がしたと思うと、
窓を開けて1人の男が入ってきた。
「どうしたんですか。急に来て。」
できるだけ明るい声色で答えたが、
不安と焦りの混じった表情をその男は見逃さなかった。
「あっちゃん。晴明くんのことなんだけど…。」
「分かっています。今は警察も探してくれているし、きっとそのうち帰ってきますよ。 」
「…そうじゃなくてさ。
僕、晴明くんが何処にいるか分かった。」
突然の話にその男…学園長は目を見開く。
「分かったって…何故ですか?」
「……それは…」
°・*:.。.☆
「……あれ。」
目を開けると、そこには満点の星空が浮かんでいた。
ここは何処…?
身体に伝わる砂の感触で、自分が地面に寝ている状態だと分かった。
「…やぁ。起きたんだね。」
ふいに、優しい声がかかる。
それは何処か懐かしく、聞き馴染みのあるような声だった。
「ご先祖さま…?」
「ふふ。せいめいって呼んでいいよ。」
突然の光景に、何故ここにいるのか思い出そうとした。
僕…平安時代にタイムスリップして…
それで朱雀さんと学園長に会って…
そこからが上手く思い出せない。
「大丈夫だよ。ハルアキ。
ここはこの世とあの世の境目。
何故ここにいるのかは説明しづらいけど…。」
あの世とこの世の境目…。何故そんなところに…?
読んでくださいありがとうございました!
前回も沢山のいいねありがとうございます!!
今思ったけど平安時代に時計なんてあるんでしょうか…。
続きも楽しみにしていてください!