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第5話
目を開けると、満点の星空。
ここは何処?
°・*:.。.☆
「あの世とこの世の境目…。」
そう呼ばれるところに、僕は居るらしい。
何故ご先祖さまはここに居るんだろう
ぐるっと景色を見渡すと、植物らしきものは見当たらず、足元には砂が広がっている。
花のような風車が微かな風に吹かれ
揺れている。
「朱雀にここに送ってもらったんだろう?」
僕をここに送ってくれたのは朱雀さんだったんだ…
でも…早く百鬼学園に帰りたい…。
「大丈夫。元居た場所に戻れるよ。
その前に少し話がしたかったんだ。」
まるで全てを見通してるように、言う。
僕は、百鬼学園に戻れると知り、少し安心した。
「晴明。今の生活は楽しいかい?」
「はい!とっても幸せです。
毎日授業も大変だけど…2年3組のみんなや飯綱くん、凛太郎くん。学園長とも会えて、とても充実してます! 」
学園長と言う言葉を聞いて、晴明さんの
表情が少し動く。
「…道満と朱雀は元気にしている?」
はい。と言おうとした瞬間。
ひゅっと風が吹き、人が入ってくる気配がした。
「っ…」
その人物は、僕とご先祖さまを見ると、
少し悲しそうな表情をした。
「晴明くん。…」
その人物…学園長は僕たちの方に駆け寄ってきた。
ぎゅっと強い力で肩を掴まれる。
いつもより暗い顔色が目立つ。
「晴明くん。何処に行ってたんですか?
探したんですよ…」
見つかって良かった。と言うふうに、
悲しそうな瞳に安堵のため息を付く。
その様子を、晴明さんはじっと見つめていた。
「…何故ここにいると分かったんですか?」
時は30分前。
「僕、晴明くんが何処にいるか分かった。」
蘭丸の突然の言葉に、私は驚いた。
「分かったって…どういう事ですか?」
「それは…
…僕、覚えてることがあるんだ。」
「平安時代。僕が妖がいないか見張りをしていた時。
屋敷の周りの森に、何かが入ってきた気がした。
念の為見てみると、そこに晴明くんが倒れていたんだよね。
いや…あれはセイメイくんじゃ無い。
ハルアキくんなんだよ。
その時がちょうど今と同じ、彼岸の月。」
私は自分の顔が驚きで満ちていることが分かった。
あの時見た晴明がハルアキくん…?
「それで僕気がついたんだ。
今起っている事ってあの時のことと
繋がるんじゃないかなーって」
°・*:.。.☆
「百鬼学園でそんな事が…。」
学園長は隊長さんの話を聞き、妖術を駆使し ここまでたどり着いたのだという。
この話を聞いたからにも、早く百鬼学園に
帰らないといけない。
みんな帰らない僕を心配しているだろう。
それまで、ずっと無口だった晴明さんが
口を開いた。
「晴明。ここに長く留めて悪かったね。
さぁ、2人とも、居るべき場所にお帰り。」
読んでくれてありがとうございました!
この物語も次で最終話になります…😭
毎回、話を楽しみにしてくれている皆さん、本当にありがとうございます!
続きも楽しみにしていてください!
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