テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
🕷️再来
森を抜けた先。
霧がかった谷間に、廃墟の街があった。
崩れたビル。
割れた窓。
風に揺れる看板。
「……嫌な感じだな」
レオリオが眉をひそめる。
クラピカも警戒していた。
「ここは、以前“幻影旅団”が根城にしていた場所だ」
その言葉に。
×××の肩が、ぴくっと震える。
(……やっぱり)
ここに来る前から、嫌な予感はしていた。
キルアはすぐに気づく。
「×××」
そっと名前を呼ぶ。
「大丈夫か?」
「……うん」
そう答えながらも、
声は少しだけ震えていた。
その時――
ヒュン。
空気が裂けた。
「―――ッ!!」
ゴンが叫ぶ。
全員が跳ぶ。
次の瞬間。
ドンッ!!!
地面が砕け散った。
煙の中から、ゆっくりと姿を現す影。
黒いコート。
冷たい視線。
そして――
胸に刻まれた、蜘蛛。
「……久しぶりだな」
低く、静かな声。
「No.22」
×××の顔から、血の気が引く。
「……団長……」
クロロ=ルシルフル。
幻影旅団の団長。
キルアが前に出る。
「チッ……やっぱ来たか」
ゴンも構える。
クラピカは鎖を握りしめる。
「クロロ……!」
クロロは興味なさそうに一瞥し、
視線を×××に戻した。
「なぜ戻らない?」
「君は、我々の“家族”だったはずだ」
×××の指が、震える。
過去が、脳裏によみがえる。
――血まみれの任務。
――倒れる仲間。
――命令は絶対。
「……家族なんかじゃ、ない」
小さく、でもはっきり言った。
クロロの目が、細くなる。
「ほう?」
「私は……」
×××は一歩前に出た。
「……道具だった」
「番号だった」
「……それだけ」
キルアが横を見る。
×××の背中は、小さく震えていた。
「ここには」
×××は仲間たちを見る。
ゴン。
キルア。
クラピカ。
レオリオ。
「……私を“×××”として見てくれる人がいる」
クロロは静かに笑った。
「甘いな」
「それは、いずれ壊れる」
その瞬間。
ズン―――。
圧倒的な殺気。
キルアが叫ぶ。
「来るぞ!!」
クロロが動いた。
速い。
異常なほど。
一瞬で距離を詰める。
「×××、後ろ!!」
キルアが飛び込んだ。
ガンッ!!
刃と刃がぶつかる。
キルアが吹き飛ぶ。
「キルア!!」
×××が叫ぶ。
クロロは冷たく言う。
「君は、まだ“こちら側”だ」
「戻れ」
×××の胸が痛む。
(……違う)
(私は……)
ぎゅっと拳を握る。
「……戻らない」
「私は、もう――」
念が、爆発した。
青白いオーラが×××を包む。
「ここにいる!!」
バァァン!!!
×××の攻撃が、クロロを吹き飛ばす。
地面が割れる。
煙。
沈黙。
やがて――
クロロは立ち上がった。
口元に、わずかな笑み。
「……強くなったな」
「だが」
「その選択、後悔するぞ」
そう言い残し、闇に溶けるように消えた。
静寂。
しばらく誰も動けなかった。
キルアが、ふらっと立つ。
「……ちょっとは、手加減しろよ」
×××が駆け寄る。
「大丈夫!?」
「死んでねーよ」
苦笑。
×××は、ぎゅっとキルアの服を掴んだ。
「……ありがとう」
キルアは、照れながら言う。
「当たり前だろ」
「仲間だろ」
その言葉に、×××は微笑んだ。
でも――
心の奥に、不安が残る。
蜘蛛は、まだ。
自分を、離さない――。
to be continued…
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!