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前回の続き
注意事項等は前回参照です。
本当に突然続きから始まるので、お時間あれば前回の最後の方からお読み頂く事を推奨致します。
「よし、行こうアジトに!」
この間ガン泣きしながらもタクシーの中からアジトまでの道のりを見て大体は思い出したので100年弱越しでも何とかたどり着けた。
緊張で震える拳を握りしめ、アジトの扉を開ける。
🐝「…ん?テツ!テツも作業しに来たん?」
🦖「あらいらっしゃぁい〜リトが見回りから戻ったらオリエンス集合じゃーんほんと僕ら仲良すぎね?」
またもやハイボール片手にご自分のカウンターへ倒れ込んでいたウェン君の姿を見て、緊張していた気持ちが緩む。
🤝「うん…ちょっと2人とお話ししたくて」
🐝「えぇなんや!?そんな嬉しいこと言ってくれるんか…!もう報告書とかどーでもええから話しよか!」
🦖「なんか飲む〜?テツ〜」
🤝「あっじゃあお水頂こうかな」
🐝「ウェンちょっと飲みすぎやで。ヤケ酒もほどほどにし」
🦖「だって〜新台狙って行ったのに大負けしたんだもん〜」
僕にお水を差し出し、自分用のジョッキに新しいハイボールを作ったウェン君は豪快に半分ほど一気飲みしてカウンターに倒れ込んだ。夜しか飲まない彼が真昼間から飲んでるなんて…。何万負けたのかは聞かないでおいた方がいいだろう。
🤝「それでさ、お話しというか相談事なんだけど聞いてくれる…?」
🐝「ええで。何でも聞いたる」
🤝「そのね、僕…//リ、リト君の事が好きなんだ…」
🦖「えぇ〜!!ちょっと恋バナかよ〜くぅー!酒が進むね〜」
🐝「それはもちろんLoveの好きやんな?」
🤝「…うん。それで、告白したいんだけど、その…怖くて…。彼に好いてもらえてるかも分からないし」
🐝「あぁ、そうよな。同期としてとか友達としてとかはそりゃ好意的やけど、恋人になれるかはまた別やもんな…(まぁ俺から見たら一目瞭然やけど)」
🦖「はいはーい!僕から天才的な提案!リトセクそろそろ見回りから帰ってくるじゃん?だからテツは僕のカウンターの所に隠れて、僕とマナでリトにテツの事どう思ってるのか尋問しよ!」
🐝「酔っ払いにしてはいい案出すんよな…。テツさえそれで良ければ協力すんで」
🤝「本当に!?お願いしたい!!」
🦖「じゃ、テツこっち来てここでしゃがんでてね〜」
ウェン君の居るカウンターの足元で身を隠し、その時を待つ。100年片思いした相手が、僕をどう思っているのかが今日分かる。それだけで心臓が有り得ないほど脈打っている。うるさいよ心臓…てか僕めっちゃ恋する乙女じゃん。
🌩「ただいまー!戻りました〜」
🐝「おかえり〜!なんか異変あった?」
🌩「いや、今日は全然平和」
🦖「はいお水。少し休憩しなね〜?」
🌩「いやウェン昼飲みかよw完成しすぎだろw」
リト君がカウンター席に座ったのがわかる。一段と高鳴る鼓動を押さえつけ、吐きそうなぐらいの緊張感が襲う。
🐝「ウェン〜俺も水ちょうだい!あとリト報告書確認してくれへん?」
マナ君もカウンターに肘をつき、寄りかかるような姿勢になる。まさか男4人が広いアジトの一角に集まっているなんてリト君は思っていないだろう。
🌩「いい感じじゃね!まとめてくれてありがとな。……テツは来てないのか?」
…!?気づかれた?
🦖「なに〜寂しくなっちゃったの?」
🌩「せっかく俺ら3人いるならテツも呼びたくねってだけ。あいつなんか用事あるって言ってたっけ…」
そういいリト君が携帯を取り出したのがわかる。やばい今電話鳴らされたらバレる…!
🐝「あ、あぁそう思ってさっきテツにメッセ送っといたから大丈夫やで!」
マナ君ナイス…!
🦖「じゃあテツ来るまで恋バナしよー!」
🌩「なんでだよw」
🐝「えぇやん!なぁリト、テツん事どう思ってるん?♡」
🌩「…っは?急になんだよ…」
🦖「顔赤ー!わかりやすいんだよリトはw」
🐝「はっきり言えや!好きなんやろ?当然Loveの方やで」
🌩「………」
リト君は押し黙ってしまった。
🦖「吐いちゃいなよーもうバレバレだからね!」
というかウェン君達、さっきから決めつけが凄くないか…?「お前がやったんだろ!証拠はあるんだぞ!」的な昭和の刑事的戦法で自白させようって事?
🌩「……うん。」
…え?は?うんって言った?今うんって…
自分の口を押さえて困惑していると、足でウェン君が立て!と合図してくる。いやいやこっちとしても衝撃展開で告白どころじゃ…ていうかそもそも心の準備が!
🌩「テツはさ、ずっと俺のヒーローで、俺がやりたい事は全力で応援してくれて、嬉しい事があった時は俺より喜んでくれて。…そういう全力で俺に向き合ってくれてる所が嬉しかったんだけど、俺もテツにとってのそういう存在になりたいと思って追いかけてたら…いつの間にか好きになってた。」
🐝「めちゃめちゃ素敵な理由やん…本人に言う予定は?」
🌩「無いだろそりゃ。テツの性的趣向も知らないし、例え男が許容範囲でもこんなガタイの良い男は嫌だろ…しかも友達からこんな感情向けられてたなんて知ったら最悪トラウマになるって…」
🦖「なんか図体に似合わず色々考えすぎてるよね〜リトって」
ほぼ告白のような物を間接的にされて頭が真っ白になる。考えすぎる所はリト君のいい所でもあるよって言ってあげたいけれど、多分今1番言わなきゃいけない言葉はそれじゃない。
🦖「そんで、テツ君はどうなのかな?告白されてだんまりは男らしくないよね?」
…ん?僕に話振った?
🌩「は?テツって…」
🐝「はぁ…スパルタやなーウェンは…」
マナ君がカウンター内に入ってきて僕の目の前に来る。
🐝「立てるかテツ?…ほら泣いてもうてるやん、俺に掴まり!ゆっくりでええで」
え僕泣いてるの?ていうかい、今から僕告白するの?あ、ぇどどどうしよ…
ゆっくりとマナ君の手を借りて立ち上がると、カウンター前の椅子に座っていたはずのリト君はそこから3歩ほど下がった場所に立っていた。
🦖「ほら、泣いてても伝わんないよ!!ちゃんと思ってる事言葉にしな!」
ウェン君はお母さんだろうがぁ!と昔自分でよく言っていたのを思い出した。今の彼が特にそうだろう。今僕の隣にいるのは間違いなくお母さんだ。同期ではない。
赤城ウェンという男の解像度が100年越しにまた上がっていく様を目の前で実感して、今泣いているのとは違う理由で泣きそうになる。が何とか堪え、マナ君から差し出されたハンカチで目元を拭き、リト君にまっすぐ向かい合った。
頑張れ佐伯イッテツ。お前の孤独な未来を変えるんだ!!!
🤝「スゥ──、リト君。」
🌩「…」
🤝「君の考えすぎる癖は長所でもあると僕は思っているよ」
違ぁぁぁう!!そうだけど!他にもっと言わなきゃいけないことがあるだろ(やろ)!!という視線を2人から感じる。大丈夫。僕もそう思う。
🤝「その…だから…リト君が僕のいい所沢山見つけてくれたように、僕もリト君の素敵な所沢山知ってるから…僕も君と同じぐらいリト君を追いかけてると言いますか…」
話しながら言葉が脳内に散らばっていく。今僕日本語喋れてるよね?
🦖「つーまーりー??好きなの?嫌いなの?」
ウェン君がもどかしそうにこちらを見てくる。そんなに急かさないでくれ…わかってるから…!!
🤝「…っ!!大好きだよ!!!リト君が!!どうしようもなく好きさ///でも僕は君に幸せになって欲しくて。っ僕はリト君と同じ時を生きる事は出来ないから…言わない方がいいってずっと…思ってて」
涙がまた溢れてくる。…なんか僕泣きすぎじゃない?歳をとると涙脆くなるって本当なんだな…
そんな事を思っていたらリト君が僕の方へ近寄ってきた。そして視界が暗くなる。
いつの間にか彼の巨体に抱きしめられていたようだ。
🌩「ありがとう…テツ。俺嬉しい。」
かなり優しくハグされている事がわかる。僕を壊さないように、そっと包み込まれてるような、そんな感覚。
🌩「同じ時を生きる事が出来ないって、嘘だろ?だって今一緒に生きてるじゃん。だから、テツの呪いが解けるまで俺ずっと傍に居るって約束するから。…付き合って…くれないか?」
……夢みたいだ。
なんて今更ながら思う。僕にとってはつい昨日、君らに会って大泣きしたばかりなのに、干からびるほど泣いたのに、今僕の目からはまだまだ溢れんばかりの涙が出ていた。滝かよ。
リト君からハグという行為をされた衝撃で気づいていなかったが、この状態ものすごくリト君の匂いがする。あと微かに速い鼓動の音が聞こえてくる。…彼も緊張してくれているんだな。そっと彼の心臓に手を当て、聴覚だけでなく触覚でも彼の生きている音を感じる。だが彼はそれを僕の離れたいという合図と勘違いしたらしい。優しいハグはすぐに解かれてしまった。
🤝「…本当に、僕を置いて逝かない?」
🌩「あぁ。絶対」
🤝「絶対だよ?」
🌩「死んでも付きまとってやるよ」
🤝「ふふっ。じゃあ付き合おうか。」
次の瞬間、いつの間に準備したのかマナ君とウェン君がクラッカーを鳴らす。僕らの頭上にカラフルなテープやキラキラした紙が落ちてくる。
🐝「おめでとう!!!作戦成功やー!!」
🦖「いや〜どうなるかと思ったけど良かった〜お幸せにね〜!!はい乾杯しよ!!」
待ちきれない様子のウェン君はジョッキを持って僕らを催促する。急展開過ぎて追いつけないが、本当に嬉しそうな顔のウェン君を見て、僕もリト君も自然と笑顔になる。僕らは水の入ったコップを持ち、彼からの号令を待った。
🦖「はいじゃあ2人のおめでたを祝って!
せーのがさんしっ⤴︎!!」
「「乾杯ー!!!!」」
ジョッキを傾け一気飲みするウェン君。何故かもらい泣きしているマナ君。それを見て鶏になるリト君。僕は今、100年以上生きても尚この身に余る幸せを享受している。
神様、なんて物が存在しているなら、どうか僕に歳を重ねる権利をください。ただ、ただ彼らと共にあの世でもバカ騒ぎがしたいだけなんだ。こんな、過去に戻って彼らに会うんじゃなくて、彼らと同じだけの歳を重ねた肉体で馬鹿やってお陀仏になりたい。
当たり前を、僕にください。
夕方になった頃、僕らは解散する事になった。マナ君は報告書を出しに僕らとは反対方向へ向かった。
🐝「そんじゃまたな!2人はほんまお幸せにやで!!」
🌩「報告書ありがとな!それから、俺らの事も」
🤝「うん。マナ君もウェン君もね」
🦖「いいってこと〜!あっ!僕スーパー寄って
業務用ハイボール買ってくから!じゃ!」
ウェン君は絶対に今でなくてもいい買い物を理由に気を利かせて僕とリト君を2人きりにしてくれた。もう振り返る気配のないウェン君の後ろ姿に心の中でありがとうと伝えた。
僕らは2人で駅へ向かう。
🤝「……ねぇリト君。手、繋ぎたい」
今日の出来事で僕の戻る未来はまた変わるだろう。それから明日以降僕はまた理想の為に未来を変える。だから、僕に告白してくれた今日のリト君と、地続きの君と会えるのは今日が最後。わがままを言いたい気分だった。
彼はそんな僕の手をそっと包んでくれる。嬉しくてブンブンと振りそうになるのを抑える。
🌩「…ふっwすっげぇ嬉しそうな顔w」
🤝「…うぇ!?顔までは抑えられてなかったか…くそ…」
🌩「他にもなんか抑えてんのかよw全部出しちまえばいいのにw」
全部出したら、全部言ったら、君はどんな反応するかな。
🤝「出せないよ。僕は君の前ではカッコよく居たいんだ」
🌩「ふーん?そんなこと言ったら俺もそうだけど?」
突然止まったリト君と手を繋いでいた僕は、つられて体が引っ張られる。なんで止まったのか疑問に思い、振り返った直後、
僕は彼に口付けられた。
夕日に照らされたリト君の髪は、変身している時のように煌めいており、目を瞑り僕の唇を奪う彼は本当に王子様のようで絵画でも眺めている気分だ。
…待って、キスしてる時って目瞑る物じゃない!?ルール違反に気づき急いで目を瞑る。それに合わせて唇もつぐんでしまった。
🌩「…ふっ、テツ力入ってる。ちょっと力抜いて、唇開けて?キスしにくいw」
🤝「あっあぁごめん!!初めてでち、ちょっと困惑しちゃって」
彼の言う通りに強ばる体の力を抜き、唇を少し開ける。ん?唇を開ける意味って…
気づいた時にはもう遅かった。彼の舌が入ってくる。驚きで目を開けてしまった。視界に入る宇佐美リトという絵画、この距離で強く感じる彼の香り、控えめに聞こえる水音、彼の甘い唾液、繋がれたままの左手。五感全てを彼に奪われている。…嫌だやめてリト君。帰りたく無くなっちゃう。好きで堪らなくて、目の前にいる君を離したく無くなっちゃう。
🌩「っは。…w顔真っ赤wコッコッコッwww」
🤝「…夕日に照らされてるだけだよ!///赤くない!!」
🌩「そうだな、そういう事にしてやるよ。」
リト君は満足そうに僕の顔をなぞると、また僕の手を引いて歩いていく。僕は口の中に残る甘さを噛み締めながら考える事を放棄した頭を放置してとにかく彼と歩く。頭が働かない。
好きな人と結ばれるって、触れ合うってこんなに幸せなの…?
ぽわぽわした頭のまま電車に乗り、気づいたら僕の家の前にいた。リト君はわざわざ僕を送るために着いてきてくれたらしい。
🌩「…じゃあな、テツ。また明日任務で」
🤝「うん。じゃあ、ね」
また玄関に向かうフリをしようと後ろを向き歩き始めると、何故かリト君に肩を掴まれる。
🤝「…え?どうしたのリト君」
🌩「いやなんか…もう会えない気がして」
…ずるいなぁ。君には何だってお見通しなんだから。
🤝「やだなぁそんな訳ないだろ?やっと君と結ばれたのに、離れていく理由なんてないさ。それに僕は死んでも君に付きまとうつもりだよ」
そう言い彼の頭を撫でる。リト君も「そうだよな」と半ば自分を納得させるためだろうと思われる言葉を呟いた。
🤝「それじゃあ、今度こそまた明日!」
🌩「うん。…またな」
お互いに本心を隠した笑顔のまま別れる。彼はまた駅の方へ、僕は洞穴の方へ。
また四つん這いになり、ゆっくりとゆっくりと未来へ進んでいく。
…あと何度彼に嘘をつけば、僕の望む未来に辿り着けるのだろう。少し自分のしている事が、正しいのか分からなくなった。
未来に戻り、また頭痛が襲う。この間より大きく過去を変えたからか痛みが強い気がする。
そして新しい記憶がインプットされた。
リト君と僕はその後も順調だったようで、ずっと恋仲で居れたらしい。マナ君もヒーローを続けてくれたようだ。
だがKOZAKAーC殲滅の戦いでリト君とウェン君が命を落とす未来は変わっていなかった。
まぁ、1歩1歩変えるしかないか。
でもあと何回過去に帰れるんだろう。こういうのって回数決まってるんじゃないの?でないと僕「代償無しでタイムリープ可能な不老不死(21+∞)」とかいう漫画の主人公よりも稀有な存在になっちゃうんだけど。
まぁ明日はまた違う過去に飛ぶんだ。体力回復のために今日の所は寝ようじゃないの。考えたって仕方ない。……
…………目を瞑ると、彼に奪われたファーストキスを思い出す。ぶわっと体温が上がる感覚と、同時に幸せな気持ちを思い出した。でも未来の僕は二度と味わうことのない幸福だと思い知り辛くなる。また目を瞑る、の繰り返しだった。
結局2、3時間ほどの浅い眠りしかできず、体力回復もそこそこに過去へまた向かうことになった。
次回で終わらせたい…です
そして次回は辛い内容かもです