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翌日 学校帰り。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「ただいまー」
「おかえり~っ、先生来るから、お部屋片づけといてちょうだいね~」
母さんが見るからにうきうきな感じでキッチンから顔をのぞかせた。
あ、そっか…家庭教師…来るのか…
面倒だな…勉強嫌いだし。
「何時からくるの?」
「多分5時!!」
母さん…多分って何だよ…
もっとしっかりしてくれ、、、
僕は急いで階段を駆け上がり部屋に入った。
伝説の家庭教師か…。
伝説って呼ばれてるくらいだし。
多分…いや、絶対オーラとか凄くて、めっちゃ怖そうで、厳しいんだろうな…。
あーあ、憂鬱だなぁ…。
まぁ、部屋一応片付けとくか。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
『ピンポーン、ピンポーン…』
「…あ。」
もう来たのか…。
時計を見るともうすでに5時で、下から母さんが僕を呼ぶ声が聞こえている。。。
「今、行きまーす…」
階段の上から真下にある玄関を覗き込むと、そこには黒い帽子をかぶった先生らしき男の人と、母さんが話し込んでいた。
僕がじっとその様子を見つめていたら、男の人は僕の視線に気づいたのか、上を見上げ、僕と目が合うと、微笑むわけでもなく、少し右唇の口角をあげ、にやっとした。
それもまるで、、、
獲物でも見定めるかのように。
「あら、まだあの子は降りてこないのかしら…すみませんね、本当に。」
「大丈夫ですよ、どうやらそこにいるのが僕の新しい生徒だとお見受けしますが。」
母さんは階段上にいる僕に気づき、声を掛ける。
「ああ、そこにいたのね、ぐが、早く降りてらっしゃい。」
階段を降りる。
「この子がグガなんです~、本当に勉強ができないんですけど、よろしくお願いします~っ」
「いえいえ、そんな子供さんをお助けするのが、僕の使命でもありますので。責任をもって、教えさせていただきます。」
…言っとくけど、勉強ができないのは両親譲りだと思うけどね。
僕は一応ぺこっと頭を下げる。
「初めまして、ジョングク…君だよね?」
「……はい。」
「僕は”ミン・ユンギ”。今日から、君の先生だ。よろしくね。」
人見知りが発動し、あまり先生の顔を見ないようにしていたら、
急に先生が僕の顔を覗き込んできた。
真っ白な肌に、サラサラの黒い髪。
セットされていないような、でも綺麗な髪型。
真っ白のシャツが、余計に先生の真っ白の肌を白く見せていて。
足は細くて。
黒縁眼鏡に合わないシルバーのピアスが不思議な組み合わせに黒い帽子。
そして、母さんに向ける、爽やかな笑顔というか…。
…この人が…伝説の… ?
なんか、ぴちっとしたスーツを着ているような人を想像していたのに、なんだか拍子抜けだ。
「では~、グク君は、先にお部屋に行っておいてもらえるかなっ?」
変にテンションの高い声。
「…分かりました。」
母さんに背中を押され、階段を上る。
どうやら、先生は母さんと少しだけ話してから僕の部屋に来るようだ。
ああ…何か緊張してきた…
人見知りとコミュ障なの絶対バレるじゃん…。
同じ高校で唯一の友達、ドギョムに相談したくてもさ…伝説の家庭教師雇ったとか言っちゃったら、
「え、お前…順位下から10番以内なの!?まじかよ!?」
とかさ、オーバーなリアクションされるに決まってるし、多分、友達多くて人気者のドギョムだから、言ってしまったら、多分次の日には凄い情報流出してるんだよなぁ…
いや、とりあえず体験で一週間だし、一週間の機嫌が終わればさ、家庭教師も居なくなる普通の生活が送れるんだし。
まずは我慢しなきゃ。
「コンコンッ、グガ~、先生来たわよ~」
母さんの声がしたから、自室のドアの鍵を開ける。
すると、そこには先生とトレーを持った母さんが居た。
母さんは先生を僕の部屋に勝手に招き入れ、ローテーブルの上にお菓子とか紅茶が乗った銀のトレーを置いた。
「先生、この子、よろしくお願いしますね~」
そして僕の肩をぽんぽんとしてから笑顔で出て行った。
よく知らない大人と部屋で二人っきり。
気まずい。
今まで家庭教師に教えてもらったことが無いため、どのような感じに授業が進むのかも検討がつかないし。
すると、先生は母さんが扉を閉めてから、足音が遠ざかっていくのを確認してから、背負っていた黒いリュックをぽいっと床に投げて、僕のベッドの上に腰掛けた。
そして、足を組む。
……えっと。
「ジョングク…だっけな ?」
「…あ、はい。」
「俺はミンユンギ。まぁ、先生って呼べよ。」
…俺?
えっと…さっきまで一人称は…僕…じゃなかったっけ… ?
…えっと…?
「あー、怠い…最近マジで依頼とか多いし。」
…えっと…だるいって言ったよね!?
聞き間違え…じゃないよね!?
しかもさ、さっき母さんに向けてた爽やかそうな笑顔とか、高めでテンションの高そうな声のトーンとか…
今では全く反対で、無表情…いや、気怠げな面倒くさそうな表情に、低い声。
…えっと…豹変しすぎ…じゃない?
「んで?お前、万年最下位学力底辺だってなㅋㅋㅋ」
「…なっ…!?」
「部屋を見ても、どこにも教科書とか勉強道具が無い。ふっ、典型的な馬鹿だとお見受けするがㅋㅋㅋ」
…ば、馬鹿って…え、教える立場がそんな事…言っていい訳!?
「家は…広い。金持ちか。あの母親だからな、父親もまぁあんなもんだろ。甘やかされたのか?ㅋㅋ」
…確かにさ、両親ともに社長業してるし…家は広いし…他の家よりかは裕福だとは思うけどさ…
父親もまぁ、あんなもんだろって…何!?
何か腹立つ…
確かにさ、確かに、父さんも母さんも…ほのぼのって感じで、両親、息子ともにお馬鹿一家だけどさ!?
…何か…もっとオブラートな言い方とか無い訳!?
「差し入れにマカロンか…そしてこのカップ。どちらも見たところ、高級品だな。」
…人様の家を勝手に品定めすんなぁぁぁ
「んで?お前はやる気あんのか?」
「やる気?何の…です?」
「勉強に決まってんだろ…馬鹿か、お前は。あ、そうか、万年最下位の馬鹿だったなㅋㅋㅋ」
「…あーはい、そうですね。」
待って待って、何かめちゃくちゃ腹立つんですけどっ
煽ってんのかってくらい…腹が立つ!!
「あのぅ…貴方は…誰ですか??」
「…は?そこまで馬鹿になる方が逆にムズイと思うぞ。さっき言っただろ、ミンユンギ。お前の教師。後何か最近伝説の家庭教師って言われてるらしい。」
「あ、いや…それは知ってるんですけど…何か…さっきまでと別人だなって…」
そういうと、分かりやすくため息をつく先生。
いや、もう”先生”って呼んでもいいのか分かんないくらいだ。
「そりゃ、お前の母さんだって、電話の声とお前に向かって話す声、変わるだろ?そんなもん。信頼度の為に、てきとーに対応してるだけだから。」
「…へ、へぇ…」
…やっぱ、先生じゃないでしょ…これは…
ここまで裏表ある人…逆に珍しいけどね…裏表ありすぎてもう逆に清々しいっていうか…
「ああ、まじだるい。どこの誰だよ、伝説の家庭教師とか言い出した奴。そのせいでまじで依頼が半端ねーんだよ。まぁ、引き受けてないけどなㅋㅋㅋ」
「え、じゃあ何で僕は…」
「なんでこの家は引き受けたかって?」
「はい…」
「俺、馬鹿にしか教えねーから。」
「な”…!!」
えっと…煽りのプロですかっ!?って言うくらい腹立つ…
「で、お前勉強やる気あんのかよ。」
「ないです。」
「だろうな。」
断言した。
だって勉強とか面倒くさいし、楽しくないし。
「最初に行っておくがな、勉強はやるやつしか伸びねぇよ。だからいくら親にやる気があっても、勉強する本人にやる気が無かったら意味がねーんだよな。」
「あ、はい、そうですか。」
「まぁ、こっちとしては、勉強やる気ねぇ奴の方が、都合がいいんだけどなㅋㅋ」
そう言ってから、急に先生の目つきが変わったような気がした…。
「おい、ぐが、そこに転がってる俺のリュックから、赤色の教材出せ。」
「んぇ」
「ほら、とっとと動け。」
え、ちょ、何!?自分はベッドに腰掛けて休んでいながらさ、取りに行けって!!
とりあえず、先生の黒いリュックから赤い表紙の教材を取り出す。
後さ、さっきまで丁寧に”ジョングク君”って言ってたくせにさ、急にグガって…
「一ページ目開いて解き始めろー。あーだりぃ。」
後、だりぃとか先生が言っていいような言葉じゃないよね!?
僕は仕方なくノートを出して解き始める…けど、待って、これむずくない!?
「……………。」
わからん。
問題の意味が、さっぱり分かりません。
数学アレルギーが…
「わかるか?」
「…まったくもって、意味不明です。」
「だろうな。でも、それは高校一年のお前なら解けなきゃいけない問題だ。一応、その問題集中学生用なんでね。」
「…なんで数学って言うのは、わざわざxとかyに数をあてはめたがるんですかっ!?」
「…デカルトに聞け。」
「誰です?先生の親戚ですか?」
「やっぱ馬鹿だな。デカルトは数学のxとyを発明した人だ。」
知らないって、そんなの!!
態度は教師らしくないのに…知識とかそういうとこは…教師だなぁ…変な人。
「そこに代入すんだよ、ばーか。」
「…代入…」
だいにゅーって…何ぃ…?
意味が不明すぎて、鉛筆を投げ出したその時。
気づいたらベッドに寝転がってくつろいでいた先生が、僕の真後ろにいて…。
すみません…R-18シーン行くって言ってたのに…
書きたいことが多すぎて、見事にギリギリたどり着けませんでした…(汗)
次回作はもう用意できているので…
♡→500以上きたら速攻で出しますっ
最後に一言。
(怠そうなユンギさん、最高すぎませんか!?)
≪ 次回予告 ≫
「ちょ…先生っ…!?ンンッ…ンヤァッ…」
部屋に響く、声と音。
ユンギ先生の…驚きの授業法とは…!?
(次回作では絶対に18シーン、入りますぜ…)