「そこに代入すんだよ、ばーか。」
「…代入…」
だいにゅーって…何ぃ…?
意味が不明すぎて、鉛筆を投げ出したその時。
気づいたらベッドに寝転がってくつろいでいた先生が、僕の真後ろにいて…。
リュックをゴソゴソと探っていた。
「代入してから、xを…」
「先生…代入って…何ですか…」
「…お前…どうやって高校生なったんだよ…」
「…」
「まぁ、これはこれで教えがいありそうだわㅋㅋㅋ」
そういって、先生はにやりと笑う。
「式や関数において,その中に含まれる文字または変数を,数または文字・式などで置き換えること。それが代入だ。」
なんでわざわざ置き換える必要があるの…?
数学って本当意味わかんない。
そしたら急に…
「ヒャッ…っっ…!!」
「ㅋㅋ可愛い声するじゃんㅋㅋㅋお前、気に入った。」
…え、何、何…!?
急に先生に耳に息を吹きかけられ。
先生に息を吹きかけた部分の耳が、すごく熱く感じる…
後、何か変な声でたっ…
「こっちこい、その教材はまだ早すぎるようだな。まずは基本からするぞ。」
後を見ると、勉強机のほかにある小さな平たいローテーブルの上には、参考書のようなものが用意されていて、先生が座っている。
「早く来いって。」
だから、シャーペンをもって、先生と対面するように座ろうとしたら。
「そこじゃねぇよ、ここ。」
「…えっとぉ…」
先生が指示した場所。
それは…先生の”膝の上”だった。
「ちょ、ちょっと待ってください!?え?」
「いう事聞かないと、宿題大量に出して殺すぞ?」
え、殺すほどの宿題…無理だって…
っていうか、殺すぞとか先生が言ってはいけないワードトップ3に入りそうな気がするよ!?
「ついでに、宿題出さなければ、次の休日、俺の家で特訓という素晴らしい夢のような得点もついてくる。」
…えっと…夢のような得点とか言ってるけど…全然夢のようじゃないじゃん、鬼畜すぎるじゃん!!
宿題って…ただでさえ学校の宿題も多いって言うのに…殺す気ですか!?
僕はそろそろと先生のところに行って、先生の膝の上にちょこんと座る。
…高校生になってこれは…恥ずかしい気がする。
…何か、先生…いいにおいする。
甘い感じの、ふんわりとした、いい匂い。
「よし、この基本問題を今から順番に解いて行け。制限時間は10分。制限時間内に解けなかったら罰を与える。あ、ちなみに一問でも間違えたら、もちろん罰を与える。間違えれば、間違えるほど、罰を追加してくから。」
「…え」
「いいかー?位置について、よーい…」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ」
大きなプリントに並んだ、たくさんの数式。
ストップウォッチを押そうとする先生を止めて聞く。
「これ…全部で何問あるんです…か?」
「100問。」
「100!?こ、これを…10分で…!?しかもミスなしで!?」
「ああ。じゃあ行くぞ…よーい…」
「ちょ、ストップ、ストップぅ!!」
「何だ?」
「無理ですって、常識的に考えてください。これ全部は10分では無謀すぎますて…」
「問題をよく見て見ろ。俺もそこまで鬼畜じゃねぇよ。」
…あ…れ?
意外と…簡単…?
問題には、複雑な文字などの数学的な数式は一つもなく、ただの”1+1”とか、”3+8”とかだった。
「いいか、よく聞け。馬鹿な奴それか、数学につまずいてる奴は、大体、計算力がだめなんだよ。だから、お前の数学の成績を爆上げするには、まずは基礎、計算力から徹底的に叩き直さないといけない。お前、あれだろ、計算を手かひっ算でやってるだろ?」
「ギクッ…」
「賢い奴はな、大体暗算でぱぱっとやるんだよ。だから、今日からお前を徹底的に叩き直す。ってことで、10分。よーい、スタート。」
やばいやばぃ
いざ、問題を解き始めると…これが、集中できないっ!!
先生のほのかに暖かい息が耳にかかって、変な声でちゃうし、
顔は熱く火照るしで…無理だって…
おまけに、
『これくらい、ちゃちゃっと解けよ。」
とか…耳元で囁いてくる声のせいで…体がぞわっとする…っ
無理無理…っ
えっと…9+6は…
手を使って計算しようとしたら、
カプッ…
「ヒャッ…ンァッ…」
急に耳を噛まれて…ちょ…なにこれっ!?
「せ、せんせぇ…?」
「ほら、どんどん時間伸びてくけど、いいのかよ?」
「っっ…!!」
無理だ…この量…
ピピピピピッ ピピピピピッ
「あ…。」
「はい、終了。」
「せ、先生っ…無理ですって…さすがにこの量は…」
「普通の高校生なら楽勝のはずだが。最後まで解けなかったな。まぁ、とりあえず丸付けするか。」
先生の細くて白い、骨ばった手が僕の背中から手を伸ばして、丸を付けていく。
まるでその体勢が、丸付けをしているだけなのに、抱きしめられているかのようで。
少しだけ顔が火照る。
「…100問中、解けた問題が49問か。そしてその49問中、正解した問題数が、37問…か。」
「…すみません。」
何かちょっとばつが悪くなって、一応謝る。
少し表情が変わる先生…。
「さっきの俺の言葉、覚えてるか?」
「…な、なんですか?」
「…制限時間内に解けなかったら罰を与える、問題を間違えても罰を与えるっていう話。」
「…!!」
罰って何…もしかして…宿題大量追加とか…
ああ…もう寝る暇無くなるじゃん…
家庭教師無料体験とか…引き受けなければよかった…
「…ちゃんと勉強するんで…宿題だけは勘弁…」
「罰が宿題だって、だれが言ったか?」
「…え?」
「ㅋㅋㅋㅋㅋ」
次の瞬間、後ろから先生に抱き上げられ、宙に浮いている状態になる僕。
え、何この状況。
細身の先生からは考えられないほど、軽々と僕を持ち上げる先生…。
ドサッ…
僕はベッドの上に押し倒されていて…
ギシッ…
先生が覆いかぶさり、ベッドが少しきしむ。
チュッ…クチュッ…プハッ…ンゥ…ッ
息が出来ないほど…っ…
深く、深く…
音だけが、無駄に広い部屋に響く…
酸素が…ひたすらにほしくって…
理解が、追いつかなくって…
苦しくなって…
唇を離してくれない先生の胸をぽかぽか叩く。
唇を離した瞬間、糸を引く僕と先生の混ざり合った唾液に、状況を悟ってしまった。
…僕…ファーストキス…奪われた…のか…?
理解が追い付かない頭で、必死に酸素を求め、息を吸う。
目の前には先生の顔があり、先生の黒縁の眼鏡に反射し映る僕の顔は真っ赤だった。
ゆっくりと僕から目を離さずに、手を眼鏡に駆ける先生。
「…っっ!!」
咄嗟に、息を飲んでしまった。
それほどに、先生は美しかったのだ。
黒縁眼鏡の奥に隠されていた、先生の美貌。
どこまでも見透かされるようなほどの鋭い、先生のまなざし。
「せ、せんせい…っ?」
「キスだけでそんな照れんなよ。」
「だ、だって…ふぁ…ふぁーすと…きす…っ//////」
「…ん、お前…初めてなのかよ。」
「は、はい…っ」
意外だというように見つめる先生。
そして、先生は急に時刻を確認した。
「まだ、後1時間もあるなㅋㅋㅋ」
Suga side.
愛おしい。
なんて思いはしない。
個人的な感情など必要としない、ただのビジネスの為の行為なのだから。
俺はただ、生徒の成績を向上させ、親が希望する志望校に生徒を送り込むだけでいい。
だから、特別な思いなど抱いてはいけないことなど、理解しているはずなのに。
今までの生徒にしてきたように、ただただ体に刻み、覚えさせればいいだけなのに。
少しずつ、別の感情を持ちそうになっている自分に、もう一人の自分が冷静に諭す。
“私情を挟むな、ただ仕事をこなせ”
でも、こいつを可愛いと思ってしまう自分がいる。
今までの生徒には…何も感じなかったというのにな。
頬を真っ赤に染め、うるんだ目で新鮮な空気を求め唇を震わせる俺の新しい生徒。
今までに教えてきた生徒の中で、多分一番馬鹿な奴だなと思いながらも。
ファーストキスだったと、恥ずかしがる奴の事を少し可愛いとさえ思ってしまった自分。
はぁ。
俺を少しおびえたように見つめる目が、可愛くてゾクゾクする。
俺は、隣に用意してあったリュックから、道具を取り出す。
不思議そうにそれらを見つめる俺の小さな生徒。
ピンク色の、小さなそれを手に持ち、グガのズボンをゆっくりと脱がせてゆく。
「せ、せんせいっ!?」
「…なんだ」
ズボンを脱がせ、トランクスを脱がそうとすると、抵抗するグガ。
でも、気にせず脱がせる。
恥じらうように、小さなそれを隠そうとする手をつかみ、身動き取れないようにしてから、足を開かせる。
ピンク色の玩具にローションを垂らし、そっと秘部に入れてやる。
「ヒャッ…!!」
そう声をあげるグガ。
少し、きつそうだな。
けど。
まぁ、これも学力向上のためだ。
ヌプッ…クチャッ…ヌププッ…
ゆっくりと秘部に沈めてゆく。
それは、いやらしい音を立てながら、深海に沈んでゆく宝箱のように、沈んでゆく。
水音は、静かに部屋に響く。
顔を真っ赤にし、慌てるグガを抑え、最後までうずめたら。
俺はトランクスを再び履かせて、ズボンを再び履かせる。
困惑しているグガを再び勉強机に座らせ、こいつでも解けるほどの基礎、基本問題集を用意し、震える手にペンを握らせる。
ポケットの中で、小さなスイッチを握る。
「まず、そこのページから解いてみろ。」
「わ、わかりました。」
こいつでも解けるであろう問題だが、ところどころにミスをしやすそうなポイントがある問題を用意した。
例えば、計算の順番を間違えるだけで、答えが膨大な数になってしまう問題や、
()のついた問題やなど。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
あ、間違えてんな。
”6×7=72”って…
普通の人なら、普通は計算の順序で間違えるはずの問題だが、コイツの場合、根本的な計算から危ういのか。
まぁ、なんとなくパターンはつかめてきたことだしな。
確かに、6×7は、一番九九で一番間違えやすい傾向にある所だし、
”しじゅうに”と”しちじゅうに”は発音も似てはいるが…はぁ。
道のりは長そうだな。
俺はためらいもなく、ポケットの中にある小さなスイッチを押した。
「ヒャッ…ンァッ…ンァァァァッ」
ブルブルブルッ…ブルブルブルッ…ブーンブーン…クチュクチュッ
秘部でリズミカルに震えているであろうそれは、グガをかき乱してゆく。
急な快感に震えているグク。
これが、俺のやり方だ。
「そこ、間違えてんぞ。」
「んぁっ…ンフッ…ンァッ…せ、せんせぇっ…む、むぅりっ…ですっ…」
分かりやすく悶えてゆくグガ。
まだ、レベル1のはずだがな。
限界に達す前に、スイッチをオフにする。
「せ、せんせいっ…な、なんですかっ… な、なんか…ぶるって…」
「ああ、言ってなかったか?お前が間違えるたびに、ああなるから、気をつけろよ。」
「っっ…!!!」
「だんだんと、刺激をあげていく。」
「ちょ、む、無理ですって!!」
「大学受験や試験では、間違えなど許されない。それと同じで、俺も間違えを許さないだけだ。間違えれば、俺が手元にあるスイッチをすぐに押すから、気を抜かず、一問一問に真剣に取り組め。」
そう、これこそが、俺のやり方。
ただ問題を解かせ、間違えた問題を解説するだけでは、生徒の身につかない。
優等生や、勉学に興味がある人なら、きっと解説しただけでも、自分の力にしていくのだろうが、
勉学に興味が無い奴や、意欲が無い奴には、解説するだけでは到底、学力を向上させることは不可能なのだ。
だから、そう、
“体で覚えさせる”
これが俺のやり方。
これで、今まで受け持ったすべての生徒を、志望校に送り込んできた。
体で、とことん覚えさせるのだ。
ひたすらに体に刻み込む。
快感とともに、知識を一緒に覚えさすことで、より効果があるのだ。
五感を使えば、記憶力がより一層伸びるように、快感とともに叩き込むのみ。
そうすれば、必然的に学力は向上してゆく。
まずは、ローターから始め、だんだんと道具をレベルアップしてゆくのだ。
学力が少しづつ向上していくように、道具のレベルも少しづつレベルを上げてゆく。
今までの生徒には、それで終えていた。
が。
何故か、自分のモノを使いたいと思ってしまう自分がいる。
馬鹿か。
ああ、馬鹿な奴の近くにいると自然と周りも馬鹿になるって聞くけどな…。
いいか、ミン・ユンギ、俺は、俺だけの事にまっとうしろ。
私情、個人の感情を挟むな。
そんなものなど、必要ないのだから。
でも、何故か愛おしいとさえ思ってしまうのだ。
それは、ただ ”チョン・ジョングク” という一人の生徒の顔が可愛いからというだけではない。
多分、重ねてしまっているのだ。
そんな事、許されないという事を知っているのに。
あの人ににグガを重ねてしまう自分がいる。
姿を重ねてみてしまうのだ。
もう、会う事は出来ない、あの人に。
♡→600以上
コメント
3件
う〜ん、面白いんだけれど、やっぱり私の書いたやつに似てる気がしちゃうんですよね〜。「好きになってごめんなさい。」これに似てる
最高過ぎます(*`ω´)b続き楽しみ(* 'ᵕ' )☆