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アツシさん、、、もっくんを本気にさせてくれてありがとうございますm(*_ _)m 涼ちゃんがアツシさん相手に泣いてるとは思えない、、、( '-' ) これからどーなるんだー(੭ ᐕ))?
もっくんグイグイいけええ
アツシさんやっぱり強敵でしたね😅 どれをとってもスマートで流石…✨続きが楽しみです。
もっくんvsアツシさん。
「変なちょっかい?」
不思議そうに首をかしげるアツシさんにイライラする。
「さっき飲みに誘ってたじゃないですか」
「えっ?飲みに誘っちゃダメなの?」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
どう言えばいいのか自分でも混乱して下を向いている俺を見てアツシさんがフッと笑う気配が伝わってきた。
「あっ、もしかして君もあの事知ってるの?まぁ同じバンドのメンバーだもんね」
そう笑いながら余裕を見せて応えるアツシさんを見る目が自然とにらみつける様なものになってしまった。そんな俺にかまわず逆に刺激するかのようにアツシさんの言葉は続いていく。
「涼架くんってなんかふわふわしててかわいいよねぇ、天然って言うの?でもそれなのにキスしたらすっごく色っぽくなるんだよ。知ってる?」
うるさい!そんな事俺だって知ってるよ!…心の中で叫ぶ。
「それに泣き顔もホントにかわいいんだよねぇ」
泣き顔。その言葉にショックを受ける。いつ涼ちゃんの泣き顔を見たんだ?それってもしかして…。
「藤澤で遊ばないでください!」
声が大きくなってしまった俺にアツシさんは余裕の笑みを浮かべていて、さらに俺のイライラはかきたてられる。
「誰が遊びだなんて言ったの?」
えっ?と驚いてアツシさんの顔を見つめる。
「俺は今、本気で涼架くんを口説いてるとこなんだよ。俺の恋人になってくださいってね。それが何か悪いかい?」
本気で口説いている。その言葉にとっさに顔が歪む。強く握りしめた手に爪が刺さって痛い。
「もしかして男同士だからダメって事?」
俺は何も言い返せなかった。
「とにかく…」
スッとアツシさんの顔から笑顔が消える。
「スタートラインに立とうともしない君に何か言われる筋合いはないよ」
その言葉に俺はハッと目を見開きアツシさんをただ見つめる。
それだけ言って、じゃあねと手を振りながら笑顔でアツシさんは去っていった。
スタートラインに立とうともしない。その言葉がぐさりと胸に突き刺さった。たぶんアツシさんには全てバレているのだ。俺が涼ちゃんの事を好きなのも、そして怖がって気持ちを伝えられずにいる事も。
完全に負けている。本当の大人の余裕を見せつけられてしまった。
このままだと涼ちゃんはアツシさんに取られてしまう。いや、もうすでに涼ちゃんの心はアツシさんのものかもしれない。
だってアツシさんはあんなに大人で、かっこよくて、背だって涼ちゃんより高くて…。
そんな人にあんな風に口説かれて好きにならないなんて事あるだろうか?
涼ちゃんはあの酔った時に「しっかりしていてリードしてくれるかっこいい人」が好みだと言っていた。アツシさんの余裕ある顔が思い浮かぶ。
いまさら遅いかもしれない。でも、でも。
『スタートラインに立とうともしない』その言葉がトゲのように心に刺さったまま疼いている。
そうだよ。気まずくなるなんていまさらじゃないか。それに少し時間はかかったとしてもきっとそれくらいの事で俺たちの関係は崩れてしまう程やわなもんじゃないはずだ。
涼ちゃんにちゃんと気持ちを伝えよう。フラれるならフラれるできちんとフラれよう。
それにその事がきっかけで俺の事を意識してくれるようになるかもしれない。
よし!気持ちを切り替えるとなんだか最近ずっとモヤモヤしていたのが嘘のようにスッキリした気分になった。
「おお、ずいぶんスッキリした顔になったな」
「なんか開き直ったら元気出てきた」
レコーディング室に戻った俺に若井がからかってくるがもう笑顔で返す事ができる。
涼ちゃんのホッとした顔を横目に俺はどんどん仕事を進めていった。
もっくんアツシさんに惨敗しました。でもそれで逆に開き直れたようです。
このお話のもっくんはけっこう前向き。
次からは涼ちゃん視点に変わります。涼ちゃんとアツシさんの間に何があったのでしょうか?