テラーノベル
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桜の頭の中には、あのティファニーでの瞬間がフラッシュバックしていた、ジンが優しい目で指輪をはめてくれた時・・・指輪の裏に刻印された文字・・・彼が選んだメッセージは
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桜の胸は感動で震えた・・・ たとえこれが偽装の婚約でも・・・バイヤーにただ単に勧められた刻印メッセージでも・・・彼にとっては何でもない事でも・・・今の桜にとっては心震える感動の出来事なのだ
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桜は指輪をはめた自分の手を握る彼の手の大きさと、温かさは一生忘れないと思った、奈々はビールをグイっと飲み干し、桜の夢見がちな顔に気づいてニヤリと笑う
「ジムに行って汗かいた後に、焼き肉食べて、ビール飲むあたしたちって・・・」
「ヴィヴィアン先生に見られたら、メニュー増やされるわよ!」
二人でゲラゲラと笑い合う
「でも・・・本当にいいの?桜が以前から社長を推してるのは知ってるけど・・・まさか入籍なんて話、ぶっとび!いくら偽装でも後で後悔しない?」
「半年たてば私はお払い箱だけど・・・でもITアプリ技術のキャリアは残るわ、彼と離婚した後も仕事を続けられるし、私はとっても良い案件だと思うわ」
「案件って・・・」
桜の声は少し強がっているように聞こえた、奈々が網を変えてくれと店員を呼び付ける
「でも半年間あの堅物CEOと一緒に住むんでしょ?好きになってもらえる可能性はあるんじゃない? 偽装が本物になったりして!」
「そんな恋愛漫画みたいに上手くいかないわよ!それにこれは私と社長だけの問題じゃないの、今や WaveVibeウェィブバイブの存続の危機なの、あなただって職場がなくなったら困るでしょう?」
「それは・・・そうね」
奈々は肉をレタスに巻きながら、ちょっとしぶしぶ頷く、鉄板の煙がモクモクと立ち上るがすぐに 鉄板横の換気扇に吸い込まれて行く、桜が言う
「あの時・・・国外追放だと大株主達に追い詰められた彼・・・とても可哀想だった・・・すっかり肩を落として、見ていられなかったわ・・あんな彼を見るぐらいなら、私で良ければ半年彼と偽装婚をするなんて何でもないと思ったの、そして契約通り半年経てば綺麗さっぱり別れて、私はキャリアの道に生きるの、もちろんその時は・・・寂しいだろうけど・・・私、彼の役に立ちたいの!」
それを聞いた奈々は箸を止めて、桜をじっと見つめる
「まぁ!サク!それって愛じゃない?あなた社長のこと、愛しているの?」
「ただの受け身の恋なんてくだらないわ、私は(低い自己肯定感を恋人に上げてもらいたい欲)も(保護されたい欲)も持ち合わせていないから、何でも買い与えて父親が小さい娘を甘やかすみたいな溺愛恋人は、稼いでいる成人女性をバカにされてるみたいで笑っちゃうの、私はあの人を支えてあげたいし、対等でいたい、あの人の傍で一番の頼れる存在になりたいの、そうね!やっぱり私、彼を愛している!」
ガコンッと二人はジョッキを突き合わせて奈々が言った
「サク!あなたの心意気!応援するわ!そんなあなたを傍で見ていたら、きっとあのターザンも好きになってくれるわよ」
コメント
1件
いーぞいーぞぉ🍻 モノホンの愛だね😌👍