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染み。そこから声が聞こえる。
「ゆるしてくれ。
わたしは……あなたたちをほろぼす……」
それはアリスの声だった。直後、染みからアリスの手が伸びる。それはオリバーが見たことないほど巨大だった。身長は35mは超えている。
全身を露わにしたアリス。右手にはインパクターと同じキャノンをもち、背中の触手にはブラスター、左手には赤いエネルギーソード、胸にはコアがついている。顔は頑丈そうな装甲プレートで目隠しされていた。
すぐさまペーパースクールの生徒たちは戦車や機関銃で攻撃する。だが…アリスは倒れず、キャノンで全て吹き飛ばした。
スカルも吹き飛ばされた。傷だらけだが生きている。キャノンの音が聞こえた。と、左手からユニオンと生徒たちの総攻撃が始まる。その中一人、レーザードリフタースキビディトイレは、
ドリフター「胸の装置を狙え!!!」
と叫んでいる。ユニオンたちの攻撃は確かに胸の装置に集中砲火していた。ミサイルも3本飛んでくる。だが、左手のシールドに防がれてしまった…。攻撃が弱まったところをアリスがキャノンで撃ち抜く。ドリフターはシールドを張り間一髪で避けたが、生徒たちは瓦礫となってしまった。
ドリフター「あぶねー。お前らも戻ってこい!」
見上げるとアリスにカメラマンとヒロイン、ペーパースクールの戦闘機が攻撃をしている。しかし、アリスは右手のエネルギーソードを振る。衝撃波で全員飛ばされ墜落していく………
沈黙。
アリスは身体中から炎が上がり、怪我もしている。
アリス「うううう…、あううう………」
辛そうだ。オリバーは涙を流して跪いている。
と、ガスマスクのアストロが口を挟む。
指揮官アストロ「お黙り。宇宙は泣き言など聞かない。実力だけがモノを言うのだ。そうだろう?先生。だが残念ながら、弱いものいじめしかできない貴様らに価値はない。」
オリバーは驚く。「先生」とこいつは口にした。過去の卒業生の仕業か?すると、後ろから警報が聞こえる。飛行するドリフターがいつの間にか4つに増えたレーザー砲から青色のレーザーを放っている。入り口からは生徒たちが銃やロケランを持って出てきた。ブルーミーに続いていく。ブルーミーは体調がすぐれていないように見えた。総攻撃を始める。
スカル「待ってください!ここはもうだめです!逃げましょう!」
誰も聞き入れない。
スカル「ブルーミー教官!」
彼女も聞き入れなかった。
イビルオブリタレーターたちの両翼から飛ばされたのは……四枚の薄型テレビ。それはルビーと同じ赤い光を放った。
スカル「マズイ!この光………気が…おかしくなる………」
視界が歪む。
―camera offline―
ルビー「まだよ!あれを付けて!」
どこからかルビーの声。そうだ、あれを………
スカルは「バイザー」を付けた。光の影響を受けなくなる。すると、負傷し身体が燃えているユニオンたちがみんなの視界を遮る。
―camera offline―
ヒロインとカメラマン、スレッジハンマースピーカーマンは生徒達を振り向かせ、ラジテレはディテーナーアームを使い、大きな瓦礫で影を作る。だが要救助者が多すぎる。あちこちで、自害の銃声が聞こえた。追いつけない。スカルはオリバーの前に立ち塞がる。オリバーは自我を失いかけていた。
―camera offline―
スカル「しっかりしろ!お前が倒れたら誰がアリスを助けるんだ!?」
オリバーはハッとする。オリバーはすぐに後ろを振り向き駆け出した。すると、後ろから笑い声。イビルオブリタレーターが砲撃する。再び吹き飛ばされたスカルの目の前には、跪き、涙を流しながら何かを言っているブルーミーだった。
ブルーミー「そうだ…全部私が悪い。逃げるのも…もう無理………償わなきゃ……」
ブルーミーは左手のライフルの銃口を頭に当てた。
スカル「やめてください!」
スカルの必死の願いも届かない。
ブルーミー「クレア、ダメな先生でごめんなさいね。私も、そっちに行くから……………」
引き金が引かれる。
銃声とともに頭の反対側から粘ついた液体が噴き出す。ブルーミーの身体は脱力し、倒れ込む。それきり動かなくなってしまった。
スカル「嘘……だろ……?」
後ろから悲鳴と爆発音。見ると、イビルオブリタレーターが攻撃されている。
右の個体は、ヒロインとカメラマン、インターセプターのルビーにプラズマ弾やエネルギー弾、レーザーで攻撃され、ラジテレが顔を刺している。
アリスの方を見る。テレビが2枚壊れていた。
アリスの目の前をスレッジハンマースピーカーマンがジェットパックで攻撃を避けつつ、もう2枚のテレビを破壊する。壊れたテレビは指揮官アストロを下敷きにした。
イビルオブリタレーター「ぐわぁー、やめろ!」
ミサイルで撃たれ機動力が落ちたイビルオブリタレーターが墜落してくる。翼の上にはバーサーカーがバイザーをかけて立っていた。アリスの目の前にいるが、アリスは動かない。アリスのコアに青色のレーザーが伸びている。ドリフターのものだ。バーサーカーはアリスに掴みかかり、肩のレーザーで緩め、コアの一部を剥がす。どうやら、コアには4つの固定器具が付いているらしい。1つをはがした。続いて2つ目。
バーサーカー「いい調子だ!そのままコイツをスタンさせ続けろ!この装置を外す!」
2つ目を剥がした。と、テレビの下敷きになっていた指揮官アストロが立つ。ガスマスク状のヘルメットが壊れ、顔面が露わになる。
その顔はエンゲルだった。
この様子をモニター越しで見ていた教官やオリバーたちは愕然とする。
サーシャ「あの顔って………」
デミ「間違いない、あの時僕たちが慰めてた子だ。」
タヴェル「あいつ、どうして……?」
サークル「……………」
サークルには心当たりしかない。
彼の狙いは「復讐」、その一択だ。1年前、サークルはブルーミーやタヴェルと共謀し、彼の彼女であるクレアを殺害しようとした。クレアは必死で逃げた。が、アリスの部屋を開けてしまい、出口の扉でアリスに殺害された……
それにサークルは彼の友人であるアビーとラナも殺した。
………恨まれて当然だ。なぜ彼が異星人となっていたのかはわからないが。
エンゲルは左目に義眼がはめられ、右目の瞳は赤くなっていた。想定外だったのか歯ぎしりを繰り返す。が、いきなり平常心を取り戻す。そうして、背中からテンタクルレーザーを出し、両腕からブレードを引き出す。
エンゲル「そうはさせない。」
生徒だった時とうってかわりその声から肝が据わっていたのを感じる。
目の前に現れショルダーレーザーをエンゲルのコアに撃つヒロインにエンゲルは容赦なく義眼からレーザーを撃つ。どうやらただの義眼ではないらしい。
と、背中の推進リングが回転、エンゲルは空を飛ぶ。バーサーカーを殴り落とし、イビルオブリタレーターに集まっていた仲間を、腕で薙ぎ払う。黄色のレーザーがエンゲルのコアに届く。エンゲルはドリフターを掴むと地面に叩きつけた。すると、ミサイル。校舎裏手に発射装置があるようだ。エンゲルはそこに向かう。
バーサーカーは再度アリスのコアをいじり、3つ目の固定器具を外す。だが、せっかく外した3つの固定器具はアリスの胸に食い込んでしまった。
バーサーカー「マズイ!」
アリスのコアは制御を取り戻し、アリスはバーサーカーをビンタで追い払った。
バーサーカー「イテテテテテテテ……」
バーサーカーは左側のレーザーキャノンとバイザーが壊れてしまっていた。
そばには他のユニオンたちもいる。
バーサーカー「貴様らは俺らのボスを怒らせた!今回の侵略も失敗に終わるだろう!」
しかし、エンゲルは何一つ表情を変えない。
エンゲル「………殺せ。」
アリスは左手のドゥームキャノンを構える。と、そこにインターセプター。いや、ルビーだ!
インターセプターを乗っ取ったルビーはドゥームキャノンに飛び込む!キャノンとインターセプターは粉々に爆散した。
スカル「ルビー!!!!!」
しかし、何かに掴まれる。ルビーの…身体だ!頭部はない。ハイウエストベルトにはテレビが付いている。そこからルビーの声。
ルビー「私は頭か身体のどちらかが生きてれば大丈夫よ!早く逃げましょう!」
校舎内へ連れられる。低空飛行で体育館まで直行。ラジテレがコンテナや、さっきのユニオンたちと待っていた。ルビーもそこに行く。ラジテレたちが煙に包まれた時、体育館が崩壊する音がした。
…………今回も間に合ったようだ。