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ーー姉ちゃん!!姉ちゃん!!!
『……り…たろ…』
ー嫌だ、嫌だよ……!!俺のこと置いてかないでよ……!!
『……ごめ、んね……りん、たろ……』
姉、ちゃん……?
姉ちゃん!!
嫌だ、嘘でしょ……
ーーーーーー
……
………
ジリリリリリ!!
『ん……』
ジリリリリリ!!
『っは!』
ガチャ。
『ふわー……眠…』
皆様おはようございます。
私、『鈴谷凛』って言うんですけど……
『わっ、ち、遅刻しちゃう!?』
今日から、念願の高校生になります!
ドンドンドン!!
女の子らしくない足音で、階段を駆け下りる。
ヤバいヤバい、初日から遅刻は流石に笑えない。
入学式に出れなかったらとか絶望しかない。
階段を駆け下りてから ダッ、とリビングの扉の前に立ち、思いっきりドアを開ける。
『おかあさーん!今日の朝ごはん何ー!?』
「アンタ今起きたの!?まったく…
ほら、パンでも咥えて走ってきな!!」
『ありがとママン!!』
「私はママンじゃありません!!」
あぁ、そうだ!制服を着替えてから結構経ったけど、今の時刻は……
7:30
『どわー!!遅刻遅刻!!』
「はぁ…全くもう。」
母親の呆れ声が聞こえたが気にせず、脳内で思考を張り巡らせる。
えー…ここから高校へは30分位掛かる。
で、入学式は8時20分から。
間に合うか……!?
『おかあさーん!行ってくる!』
「気を付けて行ってきなさいよー!?」
『はーい!』
と、私は新生活へのスタートとなる1歩を踏み出した。
ヤバいヤバい、時間が無い!
パンをもさもさ食べながら、必死の形相で走る私。
なんか、パンを咥えて走ってたら曲がり角でぶつかるとか少女漫画でよくあるよな……
とか思い、ちょっと期待しながら走っていく。
いや、遅刻するぞって話なんだけどさ。
ダッダッダッ……
やばーい、結構やばーい。
ふと手元の時計を見ると、まさかの7時40分を刺していた。
この調子だと学校にギリ着くか……?!
と脳内で滅茶苦茶喋りながらまた走っていると……
ぬっ、と急に目の前に黒い影が見えた。
ちょっとまて、ココって丁度曲がり角では……
とか、急に少女漫画の事を思い出す。
イケメンとぶつかるとか…流石に夢を見過ぎだ。
やっぱりそんな訳ーー
『…えっ!?』
「はっ……」
……あれぇ!?もしかしてぶつかったり……!?
ドーン!!
まるで稲妻かのような衝撃が全身に走った。
『……いっっった…!!ヤバい、頭割れたかも……』
思わず蹲る私。
本当に痛い。
馬鹿な私がもっとバカになっちゃう……と頭を擦りながら涙目になる。
「…うわ…いった……」
すると上からも声がした。
ヤバい、怪我をさせてしまっていたら申し訳ない。
『え、あ……お怪我無いですか!?』
と、思わず私が顔を上げて、その声の主を探ると……
「いや……俺は大丈夫だけど……アンタは?」
……まさかの、制服が同じなとんでも塩顔イケメンが居ました。