こんばんは🌛*゜カンヒュ好きです!
今回は、新連載!
この前質問させていただいた結果、露日にしました!!
コメントしてくださった方、いいねしてくださった方、ありがとうございます🥰🥰🥰
はじめから終わりまで色々まとまる様考えはしましたが、結果的におかしな感じになったらすみません
注意⚠️
政治的意図無し
時代、世界観ぶち壊し
実際の国際情勢や歴史とは切り離して読んでいただければ嬉しいです
それでは、どうぞ!!
愛のない結婚だと思っていました。
私はこの国の、妹の身代わりになるのだと。その覚悟だった
でもいつからだろう
貴方様が愛しくて、尊くて、たまらなくなったのは
このお話は、政略結婚から始まった
愛ある夫婦の物語 ̄ ̄ ̄。
緑に生い茂っていた葉は枯れ落ち、庭いっぱいに広がっていた枯葉をかき集めていた頃だった。熊手を傍らへ置き、冷たい空気にさらされ赤く色付いた指先にはぁーっと息を吹きかける。尚冷たく着物の端々へ入り込む早朝の冷気に「さむ〜…」と、呟きながら手をさすっていると、屋敷の方からおこぼの駆ける音がした
にゃぽん「兄様!」
にゃぽん「どういうことですか!何故…何故!露西亜人様とのお見合い…、兄様が取り行われることになっているのです?!」
日本「おやおやにゃぽん、そんなに走ると転げてしまいますよ?あなたの白肌に傷がついちゃうのは私やです」
にゃぽん「う”っᡣ𐭩…じゃなくて!」
日本「それは私が自らお願いしたのですよ、にゃぽん。あなたに結婚はまだ早いですから…」
日本(それににゃぽん、貴方。お慕いしている相手が他に居るのでしょう?)
にゃぽん「へ!?なんで…」
近い内にゃぽんが露国の者との婚礼を上げるのは分かっていた。しかしそれがうちの財閥の海外進出の為というのは目に見えており、それは彼女を嫁に送るかわり、支援か後ろ盾が御所望といった、言わゆる政略結婚なのだ。そしてにゃぽんはこれを知っていながら自ら立候補したのだが…私は知っていたのだ。彼女が庭の木の影で1人泣いていたことを、婚約のことを知る前、彼女には思う相手がいたことを
「家柄からしても経済的ににしても無理のあることなの」
そう言い、赤く晴れた目で微笑する彼女だったが簡単には諦めのつかないものだろうに。この子は本当に良い孝行娘だ。
にゃぽん「兄様は男児ですよ?」
日本「ええ、しかしよく似た双子じゃありませんか」
にゃぽん「でも…っ」
日本「私はね、にゃぽん。こんな時の為に神様が私達をそっくりに作って下さったのだと思っているんだよ」
日本「心配しないで。」
「でも…」と言葉を続けるにゃぽんを突っ切り、私は玄関の方へ駆けた。何度と兄様と私の背を呼ぶ彼女には、今生の別れと思うと振り返ってもう一度深く抱き締めてしまいたかったが、その気持ちは涙と共に拭い取る他なかった
高くゆい上げられた髷に鼈甲の櫛や翡翠に紅の玉簪がそれぞれに挿されてゆく。その様子はまるで花が生けられる所作そのものであり、完成は椿の髪飾りも相まった挿花と言うばかりだった。異国に合わせたハイカラな柄の着物は椿と揃いに着付けられ、頭から着物、鮮やかな刺繍の施された花緒で足元までも可憐な優美さが纏われていた
日本(似てる…)
その姿を姿見鏡で見ては寂しさが瞳と胸を溶かして行く。
あまりにも似ていた。装いも、顔つきも。待っていればそこから飛び出てきてくれそうで、不意にその顔の頬へ手を伸ばした。するともう二度と会いたいも叶わない、彼女に出会えた気がして。虚しくも顔は微笑んでいた。
・・・・
父上は露国側の親戚の者に呼ばれ、私に「頼んだぞ」とだけ告げた後すぐに席を外した。
そのすぐ後に私も屋敷の女中らしき者に見合いの席を案内され、途中、初めて見る西洋の廊下や内装にそれは驚いた。奥へ永く続く紅い色の絨毯に、豪華に煌めく…しゃんでりあという照明を見るに、すごい所に来てしまったのだと2度は息を飲んだ。
会場は外であるらしく、庭へと繋がる長い廊下を抜けると、足元には見慣れた飛び石が繋がっていた。これを飛んで歩いたのはいい思い出だ。今そんなことをすれば慣れないおこぼで転んでしまうだろうが。普段より一歩を踏みしめて進んだ為に、自分は今女であるのだとやっと自覚できた気がした。鏡では自分の様には思えないし、良い機会だったのかもしれない。
案内された席は、ハイカラな雰囲気のあずまやの様なものだった。女中に会釈し、椅子に腰掛けるも、あまりに繊細な肘掛や背面の風貌には、ゆくゆく息もつけなかった。
日本(しっかし…広い庭ですね)
こうして見渡して見ると、奥の見えない広さがある庭であり、春に期待の胸が膨らんだ。
日本(桜がみたいけど、ここじゃ季節も違うのかな…そもそもそんな権限もらえる?)
そう悩んでいると、権限というものに頭の流れが止まった。
私…ここではどんな扱いを受けるのだろう、と。
この結婚は上辺だけのもの。つまり私は…彼のお飾りでしかない。…否、そもそも私はお飾りにもなれるのか?
先程私の案内をした女中。彼女でさえも日本では稀にも見ない、整った顔の女性だった。にゃぽんならもっと立派な奥方になっただろうが、私では正直力不足と言った所だ。幾ら背格好が似ているにしろ、にゃぽんの様な可愛らしい愛嬌や笑顔が私には無い。女性としての武器があると無いとじゃ待遇も変わってくる物だ。
唇をぎゅっと噛み締めた
決めた。
ここじゃ全力で可愛こぶろう
そして全力で好かれよう
日本(政略結婚にしても楽しめるものは楽しんでもバチなんか当たらないでしょう)
そんなことを延々と考えていると、傍に立っていた女中が声を発した
「ロシア様のご到着にございます」
今到着したという私の婚約者。“ロシア”と対面する
日本「⋯!!」
瞳孔が大きく見開かれた
一応噂には聞いていた彼の美形だったが、実際はその予想を何倍にも高く超えていた。露草色の瞳は、日差しを通したラムネ瓶に浮くビー玉のようなさわやかな眩さをもって私を見据えており、瞳に被さりその鮮やかな青を透かす氷柱のような睫毛も、まるで雪の鱗片を切り取ったような白だった。それらを包む銀髪がまた銀世界を模倣したようであり、その強い魅力達には、同性であることさえ忘れてしまう程だった。
目が離せない。
顔一つにここまで美が詰め込まれた彼は、正直恐ろしいまである。唖然としたまま口をパクパクと動かしていると、彼の口が開いた
「…おい」
「…!は」
いけない、すっかり見惚れてしまっていた。溶けた脳に鞭をうち、表情を柔らかく笑わせる
「ご機嫌麗しゅうございます。私…日本と申します」
奥ゆかしく、可憐に。散りゆく花弁のような儚さを作る
伏し目にまつ毛を目立たせて、頭のてっぺんから指先に至るまで魅力を通わせ、所作を魅せる。第一印象は大事だ。私は彼やにゃぽんのような素の美が無い代わり、取り繕う分でなんとかしないと
「…」
しかし私を瞳にうつした彼は、何か言葉を発することも無く、ただじっと。私を見つめていた
「…」
「……あぁ、ロシアだ」
⋯
一目見た瞬間。
それは多分、一目惚れというやつなんだと思う。
一切の起伏も無い、深々とした音も色も無い冬景色に、春の花弁が舞い降りた様な、可憐で、静かに訪れた。俺の春。
初めてだった
まるで雪解けのように暖かく笑うものを見るのは。花が笑う様子を見るのは。
「…」
しかし見れば見るほど分かってしまう。
こういう者が、自分には相応しく無いのだということが。
綺麗で、一切の汚れも無い。そんな彼女は、俺が触れればきっとその美に汚れを残してしまう。そうしたら彼女は、どんな顔をするだろうか、俺にどんな罵声を浴びせるだろうか。そう思うと、彼女に触れようとした手にじんわりしびれが走った
「ロシアだ…」
会話は最低限で済ませよう。
初恋の彼女の為に。
俺は全力で嫌われてやろう
⋯
「では後は若いお2人で…」
互いの腹を探り合うような陰湿な会話が終わったかと思うと、私達はそう言われ、すぐに二人にさせられた
彼を前に着いて歩いているが、足の長さが違うからなのか、先程から歩幅が全く合わず追いつくことに手一杯だ。
父上にも口酸っぱく媚びを売れと言われていた為もう少し会話を…と思ったのだが、彼にそんな気はなさそうだ。予想はしていたが、こうもあからさまに嫌われると心が折れてしまいそうになる。
しかしめげちゃ居られない。
息切れのする声をこらして名を呼んでみた
「ろ…ろしあ、様!!」
「…ピクッ」
そう叫ぶと、彼の背中がピクリと揺れ、動きが突然止まってしまった。
追いつけたはいいのだが、返事も何も無く内心不安が勝つ。拳を握り締め、言葉を繋げようと口を開くと
「…もう一度言ってみろ」
そう一喝されてしまった。
もう泣きそうである。
「す、すみません…じゃあ…えー旦那様?」
そう問うと、またもや彼の背後に激しい吹雪や風が降きつけたような気がした。
日本(どうしろと…)
私の波乱な結婚生活が幕を上げた。
⋯
女性…そもそも誰かと散歩などなんと久々なことだろうか。
そうしみじみ感じでいると、彼女の息の切れる音が微かに聞こえ、内心驚いた。
いつもよりずっと遅く歩いているつもりだったのだが、彼女からすればそれも早歩きのようなものなのだろうか。中々歩幅が合わないのはその所為らしい。
止まろうか進もうか迷っていると、彼女から呼び掛けられた
「ロシア様!」
(!?)
彼女から名を呼んでもらえた
その嬉しさだけで頭がピンク色に染め上げられていく感覚がよく分かった。
ロシア
もう一度、その響きを彼女の声で聞きたい。そんな欲に駆られ、俺は少し調子に乗ってしまったのかもしれない
「もう一度言ってみろ」
ただ純粋に思ってしまったんだ
「す、すみません…じゃあ…えー旦那様?」
彼女にはそれが叱責に聞こえたらしく、謝らせてしまった。
やはり、俺は彼女からしたら恐ろしい存在なのだろうか。勇気を出して名を呼んでくれた所をすまなく思った
旦那様。
他人行儀なその呼び名をむず痒く思った。それはきっと名を呼んでくれたあの心地良さをこの胸が覚えてしまったからだ
ロシア(…難儀だな)
波乱な結婚生活が幕を上げる音がした。
つづく
いかがだったでしょうか!!
好かれるよう頑張る日本と嫌われるよう頑張るロシア君!目指すところも内心も真逆なお二方、お互い空回りするような予感です!
良ければ次回もよろしくお願いします!
それでは!!
コメント
2件
わぁぁぁぁぁぁぁぁ…!政略結婚のすれ違い大好きです…!!ロシアは内心溺愛系ですかね? そこもまた良い!!妹の為にせっせこ頑張るお兄ちゃん、ずっと見守ります!