テラーノベル
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「ッ!頸を切られた!!くそがァァァッッッ!」
今切った鬼が叫んでいる。冨岡義勇はその鬼に向かって冷ややかな目を向けていた。気にする必要などない。どうせすぐに塵となり、消えるのだから。
……そう思って、いたのだが。
「畜生このまま消えるぐらいなら血鬼術でっっ」
言葉の途中で顔を切った。だが少し身体が重くなった気がする。
はぁ、こんなことで血鬼術など食らってしまうなんて。錆兎ならもっと上手くやれたはずなのに。
やっぱり俺は未熟者だと思いながら、蝶屋敷へと向かうことにした。
▷▶▷▶▷▶▷
蝶屋敷に着き、中に入ると何故か皆がこちらを見て固まっている。
なにか俺はおかしなことがあるのだろうか?やはり先程の血鬼術の効果か…?
そんなことを考えながら胡蝶をまつ。
「どうしましたか冨岡さん。皆が驚いてましたけど何があっt」
胡蝶が来たと思えば言葉の途中で皆のように固まってしまった。
「胡蝶、どうした。血鬼術を食らってしまってな。俺はどうなっているのかが分からないから教えてくれ。」
なんだか声が高くなっている気がする。
胡蝶はぶんぶんと首を振り、ちょっと待っていてくださいね、と言ってどこかへ行ってしまった。
戻ってきた胡蝶の手には鏡があった。
「冨岡さん、ちょっとこれで自分を見てもらえますか?」
そっと鏡を覗く。そこには蔦子姉さんがいた。いや、違う。蔦子姉さんに激似な俺がいた。
女になっているのだ。確かに、皆が固まってしまうのも分からなくもない。
大好きな蔦子姉さんの姿なのに。
あの日のことを思い出してしまう。
押し入れへ俺を隠し、自分を犠牲にしてでも義勇のことを守った、姉の姿。
ほんの小さな隙間から見える姉さんの赤。
ボリボリと骨を噛み砕く音。
姉の最期の言葉。
全て、思い出してしまう。また、悲しみで何も出来なくなる。
だめだだめだ。
俺のせいで誰かが死ぬなんてもう、許せない。
せめて此処では普通でいようと、平然を装って胡蝶へ質問を投げかける。
「胡蝶。元に戻るのにどれくらいかかると思うか」
「どう、でしょうか……鬼の頸を切っているのなら、1週間くらいで元に戻ると思います。」
「……そうか。それなら大丈夫だ。」
そう言い、蝶屋敷を後にする。
さっきから頭の中でボリボリという音がずっと聞こえる。冷や汗が止まらない。今にでも叫び出しそうだ。
やっとの思いで自邸に着く。
「ッッカヒュゴホッ…ヒュッ…ハーッカヒュッッゴホッ…」
上手くい気が吸えない。目の前であの日の光景がはっきりと再生される。何回も、何回も。
「ッッいやッッだ……ごめ、ヒュッッんなさ、いッカヒュウッ」
届くはずのない謝罪を口にする。
ごめん、ごめんなさい。俺が未熟だったから。無力だったから。何も出来なかったから。俺のせいで姉さんは。
「あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!
ごめん、ごめん、っ…たこ、ねぇさんっごめ、ん」
気がつくと腕には無数の傷ができていた。流れる赤黒い血液が、あの日をまた思い起こさせる。
自分を罰するための傷。俺の未熟な証。
「ッヒュッッッごめん、なさいッヒュカヒューッ」
上手く息が吸えない。目がチカチカして、頭がガンガンする。
意識を手放したが、悪夢は終わらない。
起きていても、寝ていても、ずっとあの日が頭の中で再生される。
任務の時はなんとか押さえ込んでいられたが、そういう日は決まって帰った途端に涙が止まらなくなるのだ。
……嗚呼、もう嫌だ。
今日は不死川や胡蝶、時透たちとの稽古の日だ。
俺の家でやるから、またあの出来事が途中でフラッシュバックしないか心配だった。
木刀を持ち、皆が来るまで1人で稽古していようと玄関へ向かった。その時、近くにあった鏡の中の自分と目が合った。
どきりとした。
またあの日の映像が映し出された。
いつもと違ったのは、姉を食べた鬼がこちらに向かって話しかけてきたことだ。
『お前が身代わりになっていたらこいつは食べられなくて死んだのになぁ?』
『お前のせいで姉は死んだんだ』
『お前がいなければ』
ニヤニヤとこちらに向かって言葉を放つ鬼。
今は鬼なんて怖くないはずなのに。
恐ろしくて、堪らなかった。
恐怖で周りにある物を手当たり次第に投げつける。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!嫌だ、こっちに来るなぁぁぁぁぁっ!!」
叫んで、投げて 、暴れ回る。
鬼は倒れない。どうしようもない。涙が止まらない。
首を絞められる。息ができない。
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!嫌だ、こっちに来るなぁぁぁぁぁっ!!」
水柱邸へと足を進めている者達は、誰かの叫び声が聞こえ、足をはやめた。
建物の中からドタドタという音や、何かが割れる音、誰かの泣き声叫び声が聞こえていた。
すぐに玄関を開けて中を覗き込もうとすると、何かが飛んできた。小さな植木鉢だった。パリーンと音を立てて割れる。
少し気をつけながら中を今度こそ覗く。
そこには涙を流しながら暴れている冨岡義勇の姿があった。そして急に暴れるのをやめたと思うと、自分の首を締め始めた。
「冨岡さんやめてください!!」
「ちょっと待て落ち着けェ!!」
急いで駆け寄り、首から手を離させる。その瞬間
「いやぁっっだ、れっっっ離してよっっっっ!!」
「こわい、こわいっごめ、んなさいっっ」
こう言ってまた暴れ始める。
ものを投げる。
近くにいる胡蝶やら時透に拳で殴っているが恐怖で力が入っていないのかぽすぽすと効果音が着きそうなぐらいにしかなっていなかった。
不死川は後ろからぎゅっと義勇を抱き寄せ、落ち着かせようとする。抵抗しようとして手足をばたばたとさせる。
その後も暴れていたが、実弥の心臓の音に安心したのか、寝てしまった。
義勇を一旦水柱邸に寝かせる。
寝ている間も魘されていた。「ごめんなさい」、「こわい」、「来ないで」、とか良くない内容なのは間違いなかった。
多分続きまーす
テスト期間なのであまり更新できないのは許して
本当中途半端なとこで終わりやがってよぉみたいな感じだけどまじ続きが書けなかったのよ
本当変な感じにしかならなくてつらぽよ
次回の自分に全てを任せよう……
次回にご期待(笑)
部活の先輩たちが引退しちゃってまじ先輩ガチ恋勢だった自分的に寂しい誰か励まして🥺
本当めちゃくちゃ可愛かったの🥺
寂しいよぉぉぉぉぉ
やばい人にしか見えないかもだけど(笑)
読んでくれてありがとうございました!
コメント
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