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__本丸の空は、今日も晴れている。
涼しい。気持ちいい。そよ風がわたしの髪を靡かせる。
「よう、きみ。」
風にのせられてわたしの大好きなひとの声がする。
「ふふ、おはよう鶴丸。わたしに何か用?」
きっとわたしの顔もゆるゆるだろうな。
「いいや、特に用はないんだがな。きみに会いたくて、思わず声をかけちまったぜ。」
相変わらずこのひとはうつくしい。真っ白いその姿に似合わずにかっと笑う。
ああ、すきだな。
うふふ、口から声が漏れる。
「ねえ鶴丸。大好きよ。」
「急にどうしたんだい。」
わたしが愛を伝えると、貴方はいつも頬を染めて照れるのね。そんなところも愛おしい。
そうなの。愛おしいの。
「なんだい、何か言いたげな顔をしているじゃあないか。」
ええ、そうなのよ。あなたにいいたいことがあるの。ずっと、いいたいこと。
「ねえ。」
やさしいあなたにいいたいこと。
「鶴丸。」
そう。
「___今日も、いい天気ね。」
ああ。
「………ははっ、そうだな。」
晴れてる空。そよ風に靡く髪。
今日も、わたしは檻の中で妄想する。
終わり。