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第二話
館内。
大きな窓から光が差し込む静かな空間。
人々はそれぞれ本を読んでいる。
彼女はゆっくり周りを見渡しながら歩く。
足音はほとんどしない。
すれ違う人。
だが誰も彼女を見ない。
一冊、手に取る。
ページをめくる。
読む。
別の本。
また別の本。
ページをめくる音だけが響く。
時間が経つ。
彼女の周りに、数冊の本が積み重なる。
また時間が経つ。
差し込む光はいつしかの時を経て、オレンジ色に染まっている。
周りに積み重なる本が少しずつ増えている。
またまた時間が経つ。
窓の外は暗くなり始めている。
周囲にはたくさんの本の山。
姿勢も変わる。
椅子に座る。
床に座る。
膝を抱える。
横になる。
うつ伏せになって本を読む。
ページをめくる手が少しだけ速くなる。
ふと顔を上げる。
気づけば、周りに人の気配はない。
静まり返った図書館。
時計の針の音だけが響く。
立ち上がり、本棚の奥を見つめる。
たくさんの本の中で
一冊だけ、なぜか目に入る本。
彼女はゆっくり近づく。
そして手を伸ばし、
――触れる。