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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
夜の街。煌びやかなホストクラブの扉を開ければ、そこには誰もが名前を知るカリスマ ―― No.1ホスト・ゆあん。
甘い笑顔、気の利いた会話、完璧な立ち居振る舞い。女の子たちは皆、彼に夢中。
でも。
えとさんにとっては違った。
(……あの顔。何年経っても変わらないなぁ)
そう、ゆあんくんは幼馴染。
小さい頃からよくケンカもしたし、からかわれたし、でも一番近くにいた存在。
その彼が、今は夜の世界でNo.1として輝いている。
ある日、友達に連れられて仕方なく店を訪れたえとさん。
そこに現れたのは――王子様みたいにキラキラした笑顔のゆあんくん。
「……ご指名ありがとうございます。俺、ゆあんっていいます。」
(……は!?なにそれ!?他人みたいに!?)
あまりのギャップに驚くえとさん。
でも二人きりになると、急に昔と同じ塩対応に戻る。
「なに、そんなにジロジロ見て。……うるさい幼馴染。」
「なっ……!さっきまでの笑顔どこ行ったのよ!」
「他のやつに見せる分なんだよ。……お前に笑うと、バレちまうから。」
「ば、バレるって……なにが……?」
ゆあんくんは不意に真顔になって、えとさんを真っ直ぐ見つめる。
「俺が……えとさんだけ本気だってこと。」
「…っは……?」
ゆあんくん指名でーす。
「はーい今行きます。」
「ちょ、い、今の…」
「さぁどっちでしょう?」
「……っ」
「じゃあね、俺行かないと。」
空気が一瞬止まる。
あのいつも余裕のあるNo.1が、今はただの幼馴染で――しかも、とても近い距離で。
えとさんの心臓は、昔から知ってるはずのその人に、今までで一番大きく打ち鳴らされていた。
コメント
2件
さ い こ ~ で す ><