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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
えとさんは友達に連れられてまたお店に来ていた。
でもこの日は、あえてゆあんくんを指名しなかった。
「今日は……うりくんで。」
にっこり微笑むうり。すぐに隣に座って優しく話しかけてくれる。
「緊張してる?大丈夫だよ、俺がリードするから。」
「……うん。」
その様子を、少し離れた席から見ているゆあんくん。
いつもの冷静な笑顔のまま、だけどグラスを持つ手がきゅっと強張っていた。
(……なんで、よりによってうりなんだよ。)
うりは自然体でえとさんを笑わせ、頭をポンポンと撫でてあげる。
そして一言
「ねええとさん。」
「ゆあんなんかやめて、俺にしない?」
その瞬間――
ガシャンッ!
隣のテーブルで、ゆあんくんの手からグラスが滑り落ちた。
店中が一瞬静まり返る。
「……悪い。手が滑っただけ。」
そう言いながらも、視線はずっとえとさんに向けられていた。
怒ってるような、拗ねてるような――複雑な瞳で。
営業が終わり、裏口で待っていたゆあんくんがえとさんを呼び止める。
「……お前、なんでうり指名したの。」
「べ、別に……ゆあんくん、冷たいんだもん。私なんかどうでもいいのかなって……」
「どうでもいい?」
低い声が夜の空気に落ちる。
次の瞬間、強く腕を引かれ、壁に押し付けられる。
「……俺以外、指名すんな。」
「っ……」
「……周りにはどう思われてもいい。でもな、お前にだけは……俺の本気、隠せねぇんだよ。」
「…な、にそれ……」
耳元で囁かれ、えとさんの心臓は壊れそうなくらい跳ねていた。